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今が最悪の時期?上海のインターネット環境

 先月末からずっと、上海でのインターネット環境の悪い状態が続いている。

 但し、これは日本などの国際アクセスに限った話で、中国国内へのアクセスは変わりなく平穏無事な状態である。

 しかし、日本へのアクセス状況はすこぶる悪い。

 Yahooのトップページがなかなか開かなかったり、以前は繋がっていたGooのトップページにもアクセスが出来なくなったりしている。
 すでに1年ほど前からはVPNを通さなければYahoo検索ができない状態にはなっていたが、Gooは検索が出来ていた。

 しかし今回それもふさがれた状態になっている。

 一応頼みの綱のVPNは、繋がることは繋がるのだが接続速度がすこぶる遅く、動画はもちろんのこと、音声さえも途切れ途切れになってしまうようなことがある。
 こんなネット状況は非常に精神的に悪く、日々とてもイライラしているのである

 何故こんなことになっているのか、いろいろ理由を考えてみたが、まずはトランプ氏の貿易戦争やファーウェイ絡みに関すること、30年前に北京で起きたあの事件のこと、また最近起きた香港での出来事など、中国にとっては好ましくない情報が、国外で流布されているので、国外への接続が厳しくなっているのかもしれないと想像した。

 さらに上海でもどうやら今月は闇勢力の排除キャンペーンなるものをやっているようで、街のいたるところに横断幕が掲げられ、悪い奴を見つけようなどと書かれている。

キャンペーンの横断幕

 何故この時期に、こういったキャンペーンが行われているか分からないし、実際の具体的な脅威が街に迫っているのか、それとも単なる引き締めのための掛け声なのか分からないが、とにかく横断幕が沢山貼られている。

 ひょっとすると現在ネット環境が悪いのも、このキャンペーンの影響なのかもしれない。

 ということであれば、このキャンペーンは6月いっぱいのようだから、月明けの7月には回復する可能性を期待できるのであろうか?
 ただここまでインターネット環境が悪くなってしまうと、確実にビジネスに影響が出る。

 国内向けにだけ商売している方であれば、影響が少ないのかもしれないが、為替レートから始まって、国際情報を瞬時に拾えるのがインターネットの利点なのだが、これだけレスポンスが悪いと、インターネッとが使いものにならず、国際情報から立ち遅れてしまう可能性がある気がする。

 私が上海卒業を考え始めた理由の一つにこの上海のネット環境の悪さもあり、やはり仕事の障害の一つとして苦しんでいるのである。
 とりあえず来月に月が替わって、環境が少しでも回復していることを期待したい。
 

固定資産税のない中国、持っている者勝ちだったが・・・

 だいぶ前に宝くじが当たったとしたらというシミュレーションをちょっとやってみた時(笑)に、直接の購入費以外に固定資産税を考慮に入れないと、家を維持しきれないというなということに気が付いた。

 例え1億の宝くじが当たったとしても、1億の家を買ってしまうと固定資産税が払えないのである。

 もちろん日常の収入もあるわけで、そこから負担していけば良いという考え方もあるが、さすがに1億の家ともなると固定資産税も小さくない。

1年こっきりの支払いならともかく、例えば私の場合は平均寿命まであと30年くらいは生きると考えれば、かなり重荷になるのであり、その期間の税額合計が数千万だと考えると1億当たっても、5000万程度の家に抑えないと維持できないことになる。

 故に宝くじが当たったとしても、日本の不動産購入などはその維持費を考えなくてはならない。

 ところで中国には固定資産税がないようである。

 一部に固定資産税がかかる物件があるようだが、それはごく少数でほとんどの家(部屋)に固定資産税がかかっておらず、部屋は持った者勝ちの状況となっている。
(正確に言うと、中国の土地は全て国有なので借地権の売買で固定資産ではないのだが)

 そのため、当初非常に安い価格で購入して、その後どんなに値上がりしたとしても、住んでいる限りにおいては、生活費以外に困ることはなく、大きな負担なく住み続けることが出来る。
 上海ではとても豊かな収入を得ているとは思えないような雰囲気の人たちが、上海の中心部の住宅街で生活をしているのをよく見かけるが、彼らがそこに暮らせるのはそういう理由からである。

 もちろん部屋を複数持っていれば、貸し出して賃貸料を得ることが出来るわけで持っているだけで丸儲けなのが中国の不動産事情ということになる。

 さらに維持費の心配のない不動産は売買において維持費の心配がないので、売買を繰り返して大金持ちに成りあがっていく人も少なくなく、これも固定資産税がない社会のなせる業である。
  先日から登場している私の大家も実はもともと農家らしく、土地開発事業によって農地の代わりに部屋を幾つか貰って、その賃貸収入プラスアルファの労働収入などで暮らしているようだ。

 こんな中国の不動産状況だが、実は来年2020年から日本の固定資産税にあたるような不動産税の導入が決まった?ようである。

 そもそも国有地を借りているだけなのに、固定資産税も何もないという気もするが、そこは何か徴収側に都合の良い理屈が法律に書かれるのだろうと察する。
 まあ詳しい課税の方法は見ていないが、これは不動産投機大好きで値上がりを何より楽しみにしている中国人にとっては一大事である。

 今までは資産価値が上がれば上がるほどもうかる仕組みだったのだが、資産価値が上がると税額にも影響があるために、必ずしも歓迎できない状況となるからである。

 場合によっては不動産市場が暴落する可能性もないとは言えない。

 果たして、順調にこの法律が施行されるかどうか分からないし、施行されたとしても徴収段階において一悶着も二悶着もありそうな予感がする。
 昨年来の米トランプ大統領が仕掛けた貿易戦争の影響と合わせて、中国経済も激動の時代が訪れそうな状況となっている。

アマゾンが中国から撤退に追いこまれた理由。

 先月、流通大手のアマゾンが中国市場からの撤退を表明し、7月にも業務を停止することになったと報道された。
 
 中国の事業はローカル企業に引き継がれるようだが、世界で隆盛を誇っているアマゾンのブランドは中国国内からは消えてしまうようだ。
 一時は中国国内でトップシェアのネット通販であったアマゾンだが、後発の中国ローカル企業にシェアをどんどん奪われ淘汰され、結局は撤退をせざるを得ない状況に追い込まれた。

 このように中国では競争に負けてしまったアマゾンだが、中国以外のアメリカや日本では今でもトップシェアであり、その企業が中国だけ撤退する状況に追い込まれてしまうというのはちょっと不可解な印象もある。

アマゾン中国のスマホサイト

アマゾン中国のスマホサイト

 果たしてアマゾンはどうして中国から撤退すべき状況となってしまったのか?

 外部からは中国的商慣習の壁という意見も聞かれるが、そもそもトップシェアにあったことを考えれば、原因はそこではなく後発的な要因である。
 
 つまり中国ならでは特殊な市場環境の変化があり、アマゾンはそこへの対応が遅れてしまったことが競争に敗れる原因があったと分析している。

 その市場環境の変化とは中国の急速な電子マネー・電子決済の浸透ということがキーワードとなる。

 中国では、アリペイ(支付宝)WECHT PAY(微信支付)というQRコードを使用した電子決済が2014~5年頃から急激に浸透した。

 この結果、ユーザーはスマホから商品を選んで、そのまま電子決済で支払いを済ますというスタイルがあっという間に定着した。

 従来からの「着払い」による現金決済だの銀行決済などの方法も選択できなくはないが、恐らくユーザーのほとんどが電子マネー決済に移行したのであろう。

 それに対してアマゾンでは、ネットバンク決済はあった気がするが、多くが着払いの現金払いやキャッシュカードによるデビッド決済であり、受け取り時にお金を用意したりと、やや手間がかかる受け渡し方法の状況がそのまま続いた。

 ネットバンク決済とて、銀行サイトに移動して検証コードを入力したりと結構手間がかかり、電子マネー決済に比べると雲泥の差で面倒くさい状況だった。

 このような決済の手間が圧倒的に違ってしまえば、価格やサービスにはほとんど差が無い訳であるから、シェアが移行してしまうのは必然だった。

 さらに、先行する天猫商城(タオバオ)に、京東商城が急追したのも天猫が自グループのアリペイしか利用できないのに対してSNSと結びついた微信支付も利用できる強みがあったからだと推測している。

 わざわざ支払いの為にだけで起動する支払宝アプリより、通信や投稿のために始終起動されていてメニュー選択するだけで支払い可能な微信アプリのほうがやはり使い勝手が良いく、それ故に京東が伸びたのだと察する。

 よってこれらの天猫や京東、その他ローカルネットモールの隆盛によりアマゾンは淘汰されてしまったということになる。

 逆に対応が遅れた「1号店」などのネットモールは伸び悩んでしまった。

 実際、私自身の利用傾向も主選択は京東商城になってしまい、目的の商品が見つからない様な場合に限り、次にタオバオ、そして最後にアマゾンも覗いてみようかという程度になり、ここ数年は実際に購入することはなくなったのである。
 
 つまり、電子決済への対応の遅れが、アマゾンが淘汰された主要因ではないかというのが私の推測である。

 では何故アマゾンは電子決済への対応が出来なかったのか?
 
 実際の中身を知らないので勝手な推測になってしまうが、恐らくアマゾンサイトというのは、世界中で共通のプラットフォームを使って表示言語だけを変えた構造なのではないかと想像する。

 故に、そこに電子決済のシステムを組み込むとなると、膨大な開発費が必要になる上に、全世界的な変更が必要で、それ故に対応が遅れてしまったのではないかと思われる。
 店舗ごとに見ていけば、電子マネー決済に対応している店舗もないわけではないようだが、アマゾン全体としての共通仕様にはなっていない。

 そもそもアマゾンはクレジットカード決済などでも、店舗ごとの対応であり、サイト統一仕様として組み込まれているわけではなく、決裁に関してはスマートさに欠ける面があるECサイトだったというのが私の見解であった。

 それ故に電子決済化の波に対応しきれず不便だとユーザーに判断されたと思われる。
 
 このように決済方法とECサイト(ネットショップ)のシェアには密接な関係があると言え、この中国の前例を踏まえていくと、今後日本やアメリカで電子マネー決済が主流になった場合、より簡易的な決済手段が可能なショッピングモールがシェアを伸ばすということが十分に考えられる。

 もし、そこで再びアマゾンの対応が遅れれば、中国以外でもシェアが凋落していく可能性が十分ありうると言える。

 逆に、今はまだ訪日観光客のお土産用決済手段でしかない中国発の支付宝や微信支付も、日本やアメリカの電子マネーツールとして浸透すれば、それとともに進出してくるネットモールにシェアを席巻されないとは限らないのである。

 どうやら今後は電子マネーを制覇する企業が流通を制する時代になりつつあり、少なくともその意味でアマゾンは中国で敗れてしまったということになる。