2020年のコロナ流行により日本国籍者の中国へのノービザ入国が停止されてから3年以上が経過している。
今年の5月からコロナ検査の陰性証明の要求がなくなった以後、日中間の航空便は徐々に増え始めているが、日本の福島原発の汚染処理水の問題が大きくなってから、交流促進の再開の足が止まってしまっている。
日本としては意図せず政治問題化されてしまったので、政治決着で解決の道を探るほかない状況になっている。
しかし、先日の日中首脳会談でもまずは水産物の禁輸解消を求める要求を優先してしまっているため、訪中者のノービザ滞在などは具体的な議題にも上がっていないようだ。
(ニュースとして伝わっていないだけかもしれないが)
そもそも現在の日本政府は、日本企業の国内回帰を推奨している立場であることから、積極的な中国渡航を後押ししていないという状況もあり、ビザ渡航が閉ざされていない現状では、ノービザ渡航の再開を強く求める力が働かないと思われる。
さらに、ノービザ渡航再開には対等関係を求める中国側から中国人の日本へのノービザ渡航の同時解禁が筋であるという論を張っていると聞き、交渉が難航している模様だ。
そもそも日本は観光立国を推進する立場から、徐々に中国からの観光客も受け入れ拡大を推進して来てはいるが、中国は人口が多すぎることと国内貧富の格差が大きいことなどからインド同様に対象拡大はしてもビザ免除国とはなっていないと推測され、急激すぎる流入拡大には歯止めがかかっている。
そんな中、先日欧州を中心に6か国の短期の中国ノービザ滞在が再開されたが、日本はそこに含まれず、日本人のノービザ入国再開は、明らかに何らかの理由があって除外され見送りになった状況である。
今後どういうタイミングで日本人のノービザ入国が再開されるか分からないが、どう考えても政治マターとなってしまっているので、日中間の要人同士での会談でしか解決しないと思われ、最近の日中間の政治日程に注意を払っている。