Tag Archives: 人材

対ドルで円安だが、円と人民元のレートは横ばい?

 最近のドル円相場で、5月初めにくらべ円安に振れてきており、今日お昼の相場で1ドル110円台後半までじわじわと動いてきて、昨日は一時111円台まで戻った。

 某首相の消費税率引き上げ延期発言が功を奏したのか、はたまた全く別の原因か分からないが、現時点は1ドル=110円付近で推移している。
 こうなると、気になるのは仕事や生活に直接関係のある円と人民元の関係だが、実はドル円相場の数字ほどには変動が起きておらず、1RMB=16.75円前後となっており5月初めの16.3円に比べ2.7%しか動いていない。

 ドル円が4.7%も動いているのに比べ、ずいぶん差がある状況となっている。

 この差を生んでいるのが何かと言えば、ドルと人民元のレートであり、1ドル=6.58人民元までドルに対して下落しているのである。
 このおかげで円は対人民元で、対ドルほどの下落とならなかったようである。

 この動きの原因をどう見れば良いかについては、専門家に分析を任せるとして、日中間の経済の中で暮らす私にとってはひとまず安心材料である。

 上海の物価について、幾つかピックアップしてちょっと換算すると下記のようになる。

上海のビッグマック

上海のビッグマック

 マクドナルド ビッグマックセット 25元=419.5円
 サントリー烏龍茶 500ml 1本 3.8元=63.78円
 地下鉄初乗り        3.0元=50.36円  
 タクシー初乗り(3㎞まで)  14元=235円
上海ディズニーランド 大人1日券 499元=8378円
 最低月額賃金         2190元=36767円

 こうやってみると、人件費はまだ低い面もあるが、庶民的なものの価格は日本の5~6割、全く同じ品質を求めるとほぼ日本の物価とさして変わらないか、高いくらいのものとなっている。
 最近何となく振り幅の大きいレートが、凄く気になっており、油断すると数%くらいすぐ動いてしまうので、なかなか緊張感の有る状況が続いている。
 

過熱する舛添タタキ、誰が彼を排除しようとしてるのか?

  先々月あたりからか、東京都の舛添知事がマスコミから急に追及を受けだしている。

 発端は、都知事一行のロンドン・パリ訪問費が20人で5000万円もかかったという話で、一人あたり250万円もかかる出張費が高すぎるという話である。
 次に出てきたのがNY訪問の際のホテル代1泊15万円が高すぎるという話。

 3番目が、毎週末に都の公用車で湯河原の個人事務所へ通っていたという問題で、熊本地震と合い重なって、危機管理への認識と公用車利用の是非を問われた。

 そして、つい先日出たのが参議院議員時代の所属政治団体の事務所費用の家族旅行への流用疑惑である。

 これらは全て、庶民の金銭感覚から大幅にずれていることを問う話で、舛添氏の都知事としての資質を疑うような論調一色になっている。

 しかしである。

 どうもこれらの一連の報道を見ていると、舛添氏本人のイメージダウンをひたすら狙ったマスコミ全体のネガティブキャンペーンのように映る。

 まあ舛添氏の肩を持とうということではないが、少なくとも最後の政治資金問題を除けば、前の3つは確かに庶民感覚とかけ離れたお金の使い方だったり、有権者の感覚とは違う活動ではあったにしろ、特に強い違法性や犯罪性のある問題ではないと整理することが出来る。

 いずれも隠れて違法なことにお金を使っていたわけではないし、公に適法との認識でルールに則って処理されていたもので、例えば同時期に逮捕された甘利明議員へ対する疑惑とは、法律的な違法性は随分と異なる。

 もちろん仮に彼の経費規模が適正でないと都民が判断するならば、それはそれで運用ルールを変えるなど是正は必要で、彼にも従ってもらう必要はあるが、少なくとも現時点までは合法として扱われてきたことである。

 まあ最後に出てきた議員時代の政治資金の問題だけは違法性へ繋がる話ではあるのだが、都知事になった今のタイミングで3年前の話が今更持ち出されるのは、どうも不思議なタイミングなのである。
 
 本来こういった弱みは政治家なら誰でも一つや二つ持っていると思われるが、不思議なことに、その情報が世間に出てくるのはその事象が発生した時ではなく、相手にとって一番ダメージが大きく効果的なタイミングを見計らって世間に刺客ネタとして出てくる。

 そこで今回の流れを思い起こしてみると今年(2016年)になって突如昨年の出張経費の問題が持ち上がり、その後の同様ネタ連発で舛添批判の温度が高まってきたところで、過去の違法疑惑が持ちだされており、実にタイミングが良い。

 つまり、今回の家族旅行疑惑は、誰かが何らかの意図を持って最終的にこのタイミングでリークされた可能性があると推測できるということになる。

 何故、舛添氏がこのタイミングでそんなターゲットとなるのか?
 
 恐らく2020年の東京オリンピックに向けて、舛添氏の存在が邪魔だと感じている勢力がどこかにあるような気がするのである。

 競技施設建設に絡む利権だったり、2020年のオリンピック開催時点の東京の顔の名誉を狙っている存在が、舛添氏を引きずり降ろそうとしているのではないか、そんな印象を感じる。

 例えば新国立競技場建設に向けて舛添氏は都の予算を出し渋った経緯があり、それ以外も仮設競技場建設で経費を懸命に削ろうと努力しているとの趣旨の発言もしており、オリンピック予算増加に抵抗する存在となっている。
 つまり舛添氏は国の言うことをあまり聞かない存在であるわけで、オリンピック利権を狙う勢力からは邪魔な存在だと思われていても不思議ではなく、彼を排除したい勢力が今回の情報をリークしたかもしれないという憶測が成り立つ。

 それが証拠に、舛添氏の外遊費が問題になる一方で、ゴールデンウィークに出かけた安倍首相をはじめとする日本政府の閣僚の外遊は、日刊ゲンダイがほんのちょっと取り上げただけで、あれだけ派手に舛添氏の経費を叩いた産経新聞などの大手マスコミはほとんど反応していないのである。

 明らかに偏った報道姿勢というか、かの舛添氏の出張経費報道が、行政経費の問題ではなく舛添氏個人を叩くことが狙いであったと疑わせる状況となっている。

am900_bi065

 実はこういった都知事下ろしの騒動は今回が初めてではなく、前任の猪瀬さんの時もやはり新国立競技場の建設費を巡って、予算縮小を宣言したとたんに件の5000万スキャンダルが発覚し、辞任に追い込まれた。
 しかも猪瀬さんの時は、結局賄賂性が認められないにも関わらず、5000万の借金に対して、公職選挙法の政治資金規制を適用され、2014年から公民権の停止5年(2019年まで)という処分を食らうことになり、東京オリンピックに向けて実質何も口が出せない立場に追い込まれたのである。

 そしてもう一人、前回の都知事選で4位ながら65万票を取った田母神俊雄氏も結局今年になって公職選挙法違反で失脚することになり、次回の出馬は出来ない状況になって、有力候補の一人から脱落した。
 田母神氏は政治的な右左という意味で言えば国政よりの右だが、現政権と仲よくしている印象はなく、ひょっとすると次回の都知事選のために保守層を取られないように布石を打たれて封じ込められてしまった可能性がある。

 さらに前回の候補者で言えば残りの有力者は宇都宮健児氏と細川護熙氏だが、細川氏はもう高齢の78歳でこれから都知事は難しいだろう。
 宇都宮氏は社民・共産系なのでスキャンダルで潰されることはないと思うが、共産アレルギーを煽られるとやはり選挙は苦しく、これにより前回の都知事選有力候補者は現職の舛添氏が潰れれば、実は既に誰も残らない状況となっている。

 そしてここでこのまま現職の舛添都知事タタキが続けば、辞任あるいはリコール、もしくは次の都知事選挙(2018年)まで辞任せずに済んだとしても再選は厳しいと予想され、2020年の東京オリンピックの顔としては残れないことになる。

 すると、舛添氏の後を継いだ次の新任都知事が必然的に2020年東京オリンピックの顔としての都知事になる。

 もし今年2016年に都知事選挙が行われても任期は4年であるから、新都知事は2020年までは東京の顔としていられることになる。
 つまり、舛添さんを引きずり降ろして新都知事になろうとする人にとって、オリンピックまでのカレンダーの上で今年は動き始めるタイミングとしてとても重要な時期だといえるのである。

 そういった意味で今年2016年になって突然とも思える「舛添タタキ、舛添潰し」が始まっているのは、ポスト舛添を狙う誰かの策略なのではないかという気がしており偶然では無いような気がするのである。

黒田バズーカ効果は無かった?再び円高進行へ

 先日、日本銀行の黒田総裁がマイナス金利導入という奇妙な手を使ったことにより、先週末にドル円相場が急激に3~4円ほど円安に振れていた。
 このマイナス金利というのは、日銀に預けてある各銀行の試算を放出し、市場に資金が流出しやすい環境を狙ったものだが、どうも失敗だったように映る。

 確かに一時的には株価が上がり円安も進んだが、今日の市況を見ているとあっという間にその効果が無くなっているようなのである。
 今日になって日経平均株価は再び値下がりに転じているし、ドル円相場も119円台まで落ちてきている。

 ただ個人的にはどちらかというともう少し円高(人民元安)が進んでほしいと祈っているほうなので、黒田バズーカにはどちらかというと冷や汗を書いたほうなのであるが、それほど効果が無く元に戻りつつある状況には安心をしているのが正直なところである。

 この状況から見るにつけ、大きな効果を狙ったいわゆる今回の「黒田バズーカ」は今回はほぼ不発に近く、効果が無かったのではないかという結果になりつつある。

 まあこれらの結果は至極当然のことで、実体経済において何も改善していないのに金融政策だけで、社会での投資が拡大するわけではなく、経済が向上することはあり得ない。
 金融政策は内需の拡大があって初めて機能する面があり、内需にきちんと手を入れないのに金融だけ手を入れても経済は上向かないのである。
 
 こんな状況の日本経済であるが、ただ一方で最近奇妙なのは、業界によっては幾ら賃金を上げても人手が足りないなどというニュースもあること。
 人材に投資しようというニーズがあるのに、受け皿となる人材の流動性がないことになる。
 これが株価が上がっても実体経済が上向いていないと言われる根幹である。

 つまり、上記の状況と併せて考えると労働市場の状況に合わせた需要喚起の政策が実施できていないのが、今の経済政策(アベノミクス)の最大の欠点と言える。

 故に現状人手が足りない土建業に対して幾ら予算を増やしても経済は上向かないのであり、経済対策は人手がだぶついている分野や、人材流動を促す人材会社へ教育への重点を置くなどの工夫が必要である。
 あるいは土建業自体も人材を引き込みやすい環境を整える変化や、逆に建築資材のユニットパーツ化などにより可能な限りアウトソーシングするなどの技術改革は必要だろうに思える。

 とにかくお金だけだぶつかせたところで、経済活動の中身が変化しなければ、バズーカなど何度撃ったところで、経済は上向かないのである。
 

中国人の転職率が高い原因の一端は日本人にも責任が

 先日中国人が転勤を受け入れない旨の内容を書いたが、実はそのほかにも人材会社の関係者に伺った話で興味深いものがあった。

 それは日系企業の中国人の転職率の高さに関連するものであるが、実は中国人の転職率の高さには、日系企業の日本人にもその責任の一端があるというのだ。
 一般的に中国の転職者の転職率は日本人のそれより回転が速いといわれるが、その原因として中国人の帰属意識のなさと、給与の問題が大きいといわれている。
 もちろん、その原因は小さくはないのだが、実はそれだけではない。

 一般的に中国人たちの退職理由や転職理由などをアンケートなどで尋ねると、給料やキャリアアップの点を掲げる人は多い。
 しかし、この理由については実はあくまでも新たな就職先や人材会社に向けた表向きの理由であることが多く、本音は別のところにある。

 この点、日本でも同様の状況となっていて、表向きは待遇へ不満などとなっているが、その本音としては、人間関係に起因するものが一番大きいということが調査結果に出ている。

 そして中国人の離職理由の本音も日本同様に人間関係にあるようなのだが実は中国の場合は若干事情が異なっている。
 
 まあこれはあくまで日系企業など外資企業に限った話かも知れないが、中国の場合は同じ人間関係でも、自分のボスの異動に伴う転職が非常に多いようだ。
 どういうことかといえば、例えば3年なら3年の単位で日本から駐在員がやってくると、そのアシスタントとして1名の中国人が雇われることになるが、その駐在員本人の任期が切れて帰国すると自動的にアシスタントも交代することになる。

 駐在員が交代してもアシスタントをそのまま雇用し、次のボスのアシスタントとして雇用を継続すればいいじゃないかという気もするが、どうも話はそう単純ではないらしい。
 駐在員からすると、前任者のやり方が染みついたようなアシスタントは使いにくく、自社の業務に対してはサラの状態の新入社員を雇い入れて、自分流のやり方で染めて動いてもらいたいという要望があるようだ。
 また中国人アシスタントからすると、仕事の内容は変わらないのにボスが変わってやり方が変わるというのも面倒臭いらしい。
 で、多くの場合はアシスタントは通訳も兼ねているわけで、つまり原則は現地の言葉が出来ない駐在員のアシスタントが長年そのポジションに居座ると、言葉の壁の陰で取引先と癒着してしまうアシスタントもいないわけでもなく、会社としても駐在員の交代とともにできればアシスタントも交代させたい意図があるらしい。
 で、まあ建前上は解雇の措置ということにはならないが、少なくとも違う業務に異動させることにはなるわけで、必然的中国人側も居づらくなったり慣れない業務につくことになるわけで、そういった不満もあって必然的に退職・転職という道を歩むことになる。
 つまり、日本人の駐在員が3年程度で交代するたびにそのアシスタントポジションの人間も転職となる確率が高くなるわけで、日本人の駐在任期がアシスタント中国人の転職理由となっている面があるのである。

 まあ、日本ほど転職に抵抗感の無い中国人たちではあるが、それでもその転職の理由に日本人の駐在員の任期の問題が絡んでくるとなると、何とも複雑な気分となるこの現状である。

中国人がほとんど転勤を受け入れない理由と日本人社会の中の家族

 最近人材関連の方に話を伺ってちょっと気が付いたことであるが、中国では転勤という概念がほとんど無いような印象に映っている。
 つまり、例えば上海から広州や北京へ会社の都合で異動させられることがほとんど無いというか、そういう文化があまり無いようなのである。

 もちろん全くないという訳ではないのだが、会社の中の本当のトップクラスが現地の総責任者として赴任する以外はほとんど転勤という概念がないのが中国の国内事情らしく、転勤は非常に珍しいケースとなっている。

DSC00755

 そんなこと言っても、上海には地方出身者がたくさんいるではないかと言われるかもしれないが、それは彼らが自主的に仕事を求めて上海にやって来ているだけで、会社が転勤させてそこにいるわけではないのである

 逆に企業側から言うと、地方に新しい拠点を新たに設ける場合は一時的には別の地域からの応援派遣で現地の立ち上げなどは行うが、実際に現地で働く人間は現地で集めるのが基本であって、他の地方から大量異動させて集めることはほとんど無いようなのである。

 もし他の地域から無理に転勤させようともすれば彼らは地元から離れるのを嫌って、会社を辞めるという選択肢を取るのがほとんどであり、会社にくっついてどこまでもついて行くと言った会社への帰属意識はほとんどない。

 ところがこういった中国の状況に気づいてみると、実は中国以外でも世界のどの国においても、あまり転勤という概念は無い印象であり、転勤させられるくらいなら自ら退職、転職・転地するというのが世界のほとんどの国の主流のようである。
 逆に日本のように、会社が平気で社員をどんどんと転勤させる国が果たしてどれだけあるのかを考えると、知る限りまず見あたらないという結果になる。

 日本では昔から企業の大小にかかわらず当たり前のごとく転勤や派遣、駐在をさせる文化があり、古くは江戸時代の領地替えだったりするわけだが、長い間ずっとそれが当たり前のように?受け入れられてきた。

 それ故に、例えば現在の上海には日本人の大量駐在があり、大きな日本人社会を形成している実態がある。
 逆に日本人に転勤文化がこのように浸透していなければ上海にこれらの日本人コミュニティなどは生まれなかったとも言え、上海の日本人コミュニティは、転勤が当たり前の日本文化の産物とも言えるのである。

 まあ私は日本人なので今まで周囲の人間が当たり前のように大量に駐在として派遣されたり転勤させられたりしている姿を何の違和感もなく見てきたが、周囲の中国人たちの動向と比較してみると、上海の日本人のこの状態はやはりちょっと異様なものがある。

 しかも家族帯同の転勤ならいざ知らず、単身赴任というのは非常におかしな命令で、家庭や家族をないがしろにした制度であるという印象はぬぐえず、大げさに言えば人権をさえ侵害しているのではないかという印象を私は持っている。
 人が配偶者や家族と支えあって暮らすのは人として自然の姿かつ当然の権利であり、わずかばかりの家族手当や単身赴任手当を渡せばよいと言うものではないという気がする。
 
 何故なら軍隊の戦地派遣ではないが、生身の男性を家族から長期間引き離すということは、必ず性関係のトラブルが付きまとう話であり、男性側本人の自制心だけに依拠して問題が片付くものではないからである。
 つまり上海で現地の繁華街の女性と日本人男性が数多く交際する状況に見られるように、企業の都合で単身赴任させるということは、その結果社員の家族生活を分断させたり崩壊させたりすることに繋がる可能性が当然予見できるのであって、それにもかかわらず会社はそれを自己責任だと押し付けて業務を優先させているのが実態なのである。

結果、日本社会というのは家族関係の崩壊のリスクより会社の業務維持を優先しているのがその根本の姿勢ということになってしまっているのである。

 このように会社の都合で転勤させられたり、単身赴任させられたりすることが日常化してしまっている状態は、実は世界から見れば家族に対しての価値観が異常に低下してしまっている社会の状態であり、かなり特異な存在かもしれないということができる。

 その特異な文化の反映の表れが、例えば日本で異常に発達したと言われるコンビニチェーンが一人暮らしの生活を支える姿であり、家庭の中の食卓の崩壊の現象だという気がする。

 更にこういった転勤や単身赴任が日常化している日本の社会制度では、本来家族間で行われるはずの相互扶助関係が、どんどん公的システムに依存されることになり、それ故実は大幅な社会コスト増につながっている実態もある。

 簡単に言えば、最近頻繁に報道され社会問題になって保育園の待機児童や老人福祉などがそれであり、いずれも費用不足がネックになっているのではあるが、根本要因を考えればこれらはいずれも核家族化がかなり大きな原因となっていると考えることができるのである。(もちろん全てではないが)

この点、例えば私の周囲の上海の状況を見ると子育て世代の方は、おじいちゃんおばあちゃん世代の全面的な協力を得て子育てをしながら共働きをしている実態があり、世代間の相互扶助が行われている。
 この上海の状態がどれだけ社会コストの削減に役立っているかは具体的にはわからないが、核家族で離ればなれに暮らす家族が多い社会よりは遥かに社会コストが低いような気がするのである。
 
 彼ら自身がそういった社会コストのことまで考えているとは思わないが、実際公的システムが追い付かない状況では家族内扶助が大事だと心得ているのだろう。

 つまり企業の都合で転勤させられ会社に残ることを選ぶより家族が一緒に行動することが生活を守る上でより効率的であることを彼らは知っており、それ故に家族や友達と離れて居住地を変えなければならない程の遠くへの異動は望まないのであり、強制的な転地は受け入れられないようなのである。

 このような中国人や世界の人々が転勤をほとんどしない実態を見て、日本の社会がどれだけ会社優先で家族を分解させられているのかを改めて気づかされる世界の実態なのである。