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上海の街はペーパーレス?雑誌が消えた?!

 私が上海に来た頃に、街のいたるところにあった新聞スタンドだが、5~6年前くらいからだろうか、最近全く見かけなくなってしまった。
 よく考えてみると、上海では紙そのものがそれほど扱われなくなっており、オフィスの現場や、広告チラシなどではいまだ健在だが、街で新聞を読んでいるおじさんもほとんど見かけなくなった気がする。
 それに従って街中に散乱する紙ごみもめっきり減っており、街全体のペーパーレス化がかなり進んでいるような印象である。

 まあコンビニで買い物をした時のレシートなどはまだ紙だが、ネットショッピングをした際に発行される発票(領収書)は基本としてQRコード付きの電子発票が基本になっている。
 また鉄道のチケットも、地下鉄は公共交通カード‘(チャージ式のプリペイドカード)か、スマホ決済になっているため、一回券などというものは滅多に見なくなった。

 長距離鉄道の利用も同様で、外国人にはまだ紙のチケットが発行されるが、現地の中国人はICチップ内蔵の身分証明証を使えば乗車できるので、わざわざ紙のチケットを手に入れる必要がなくなった。
 このようにほとんどの取引について、主にスマホが紙処理を飲み込んでしまい、ペーパーレス化となっている印象である。

上海地下鉄の自動改札

上海地下鉄の自動改札

 その最たるものがやはり、書籍・雑誌類であり、本屋・書店に行けばまだ手に入らないことはないが、わざわざ注文しない限り見かけることは滅多になくなったのである。
 その書店に至っても、街中の実体店は次々に閉鎖され、一時カフェを併設したスタイルで巻き返しが図られた状況があったが、状況を跳ね返す勢いにはならず、何店舗かは閉鎖されたようである。

 日本だと、コンビニが取り寄せ代行を含めて書店の機能を担いつつある面もあるが、上海では街のコンビニに行ってもほぼ雑誌の取り扱いは無い。
 まあそもそも中国ではコンビニでは日本に比べ雑誌の取り扱いは少なかく、冒頭に書いた新聞スタンドがその役割を担っていたが、今やコンビニでの扱いも新聞スタンドも全くなった。

 結局書籍はネットショッピングで取り寄せるのが主流になっており、能動的に取り寄せなければ目にすることすら稀な状況になっている。

 では中国人たちが活字を読まなくなったかというとそんなことはなく、そんなことはなく主に電子書籍をブックリーダーで読んでいる姿を地下鉄の中で目にする。
 また資格取得なのか、スターバックスのようなカフェで紙の本を置いて勉強している姿はちらほらみかける。

 外国人のビザ手続きなどを見ても、役所関係の提出書類はまだペーパーレス化は進んでいない気がするが、手続きの一部は電子データ化されて、資料の不整合のような現象は徐々に減りつつあり、いずれこれらの書類数もかなり減らされるかもしれない。

 時流として、中国全体でかなりのペーパーレス化が進みつつあるのは確かなようで、紙が発明された国ではあるが、ペーパーレスがいの一番に完成するのもまた中国なのかもしれないという気がしている。

今時の中国向けレンタルWIFIルーターはVPN付き

 昨今の中国のインターネット事情は不便を増すばかりであり、ますますスムーズさを欠いて、日本のサイトへの接続速度がひどくなりつつある。
 頼みの綱のVPNも、よく途中で途切れるようになった。
  まあ動画などを見ている最中に途切れるようなことはあまりないのだが、YAHOO検索などをかけたときに突然ぷつりと途切れてしまい、回復に時間がかかる。

 以前からも中国の重要な会議などが行われる時期などは非常にパフォーマンスが低下することがあったがここ1~2週間はちょっとひどい。

 恐らく最近の要因はトランプ大統領の発言などを発端とした貿易戦争などが原因と推測するが、まあこの国はそんなはっきりしたことは言わないで、ただ突然に繋がりが悪くなる。

 この国はインターネット環境さえもう少し良ければ、まだストレスなく過ごせる国なのだが、どうもここが一番の生活ネックである。
 ところでこのように住んでいる者にとっても不便なネット環境の中国であるから、短期で訪れる旅行者にとってはもっと不便だろうと思っていたのだが、最近はちょっと事情が違うらしいということを知った。

成田空港の香港航空機

 どうやら日本の空港でレンタルされるWIFIルーターに、予めVPN回線への接続がセットされているようである。
 つまり、中国に入境した後、中国側のWIFI環境には繋がず4G回線などの公衆回線に繋がるWIFIルーターを使い、そのルーターにセットされたVPNポイントに接続することによって、例えばLINEやグーグルなどの中国国内では直接利用できないサービスが利用できるようなのだ。

 よく考えてみるとこれは、賢いというか当然のサービスであり、利用者は日本同様のネット環境を持ち込みたくて、当然のごとくスマホやノートPCを持ち込むのでこれはとても需要が高いサービスと言えるである。
 もし、それらのサービスに繋がらないようで有れば、スマホは単なるカメラ付き携帯電話と化してしまうので意味がなくなくなるのである。
 先日このレンタルサービスを行う業者のサイトを覗いたところ、「特別回線」など表現されているが、これは明らかにVPN回線のことであり、まあ横文字に弱い人のことを考えてこういった表現にしてあるのだと思われる。

 レンタル料は1日1000円前後であり、決して安いとは言えないが、中国現地でグーグルマップなどでの位置情報やYAHOOなどで情報検索する必要性を考えると、できれば付加すべき機能ではある。
 もちろん中国語の現地情報などはあるが、外国人にとって自国言語で書かれた地下鉄路線図などのほうが使いやすいのである。

 幸いWIFIルーターの場合は複数人接続が可能なので、旅行同行者全員で共有しても良いだろう。

 もっとも、VPN回線契約だけならば月1000円程度なので、現地のスタバなどでのWIFI接続を主にして利用するのであれば、短期のVPN契約をして、ルーターを借りずに済ます手もある。
 しかし、海外ローミングでの4G回線(公衆回線通信)利用はやはり通信費が馬鹿にならないので、4G対応のスマートフォンを持っていたとしても、WIFIルーターを利用するのが賢明なのではないかと思われる。

 いずれにしても、旅行者にとっては中国のインターネット環境に対してそれほど極度に構える必要はなくなってきたと言えるだろう。

成田空港出発検査場入り口

 ただ、ここで気を付けておきたいのは、恐らくVPN回線は完全なフリーパス回線ではないでろうということ。
 どういうことかと言えば、恐らく通常は警察に止められている道をVPN回線は許可証を見せて警官の前を通り過ぎているようなものであって、決して警官の見えない裏道を抜けているわけではないだろうと察せられる。

 つまり、VPNであろうとなかろうと常時通信内容などを見られている可能性があるわけで、法律的に禁じられている違法な行為はやはり違法で、場合によっては逮捕されたりする可能性があるため、くれぐれもネット上での言動や行動は慎重に行った方が良いだろう。
 そこを忘れなければ、短期旅行者であっても中国国内で一応は日本と同じようなネットサービスは受けられる環境になったようなのである。

上海リニアモーターカーが営業休止となる日も遠くない?

 先日「地下鉄2号線が正式に上海浦東国際空港と市内を直通運行に」の中でも少し触れたが、2号線が市内と直通運転となったことで、上海リニアモーターカーの存在意義が揺らぎ始めている。

 上海リニアモーターカーは2002年に開業し、既に今年で開業17年目を迎える。

上海リニアモーターカー

 開業当初は、上海浦東国際空港へ繋がる軌道交通機関が他になかったため、地上交通としての重要性を発揮しつつ、上海の発展の先進性の象徴として存在感を放っていた。
 その後、2010年の上海万博に向けて、上海―杭州間にリニア線を建設する計画が持ち上がるなど、中国全体での未来へ向けての押せ押せムードの中で、リニアモーターカーへの期待度は高まっていく。

 しかし、建設費や運営費などのコストが高い上に、電磁波などの影響を懸念する沿線住民などからの反対の声も多く、上海万博には杭州延伸などが間に合わなかったこともあって、万博時期を経て押せ押せムードはしぼみ、新規建設計画などのニュースは聞かれなくなる。

 同時に、2010年に地下鉄2号線が上海浦東国際空港へ直接乗り入れたことにより、リニアの唯一の固定交通機関という立場も崩れてしまう。

 一応2号線側がリニアに配慮したのか、広蘭路という駅で市内側の8両編成から4両編成への乗り換えが必要という障壁は残ったのだが、空港への足としての経済性という意味では圧倒的に不利になった。

 具体的には、上海リニアは7~8分で済むところを、地下鉄2号線は45分ほどかかってしまうが、運賃はリニアが50元(航空券持参などで40元)なのに対して地下鉄はたった6元で済むのである。
 また経済的に余裕のある場合なら、タクシーを使えば200元程度で、一人で乗車すると割高かもしれないが、複数人で乗ればリニアとの差はほとんど感じなくなる。
 リニア駅から目的地までの移動を考えれば、複数人ならタクシーが圧倒的に有利である。
 また 空港と市内間の所要時間も高速道路の整備でさほどかからなくなった。

 そして、上海側の地元民は上海浦東国際空港へマイカーで直接乗り入れて利用される方もとても多くなった。
 上海浦東国際空港では懸命に駐車場の増設を試みているが、なかなか整備が追い付かない勢いで増えている。
 結局このように、地下鉄、マイカーなどへの乗客シフトにより、上海リニアモータカーは空港への足としての地位は低下しており、観光アトラクション化している印象は否めない。

 実際、龍陽路駅での上海リニアモーターカーの利用状況を見ていても、観光客と思しき方以外はほとんど利用している様子がないのである。

 そして昨年発表され、来年にも開通すると言われている(恐らく無理なのできっと数年後)、上海浦東国際空港と上海虹橋国際空港を結ぶ空港連絡線が実現すれば、上海リニアモーターカーの利用客はさらに減るだろう。

 加えて、日本では2014年に東海リニア新幹線が着工され、2027年にも東京―名古屋間(286キロ)が開業する予定となっているため、リニアモーターカーという種別の交通機関の先進性も地位を譲る時が近づいている。
 東海リニア新幹線が開通すれば、どうしても上海リニアモータカーが比較に引き出されるはずであり、プライドの高い中国にとっては面白くない状況ということになる。

 日本に対抗して、新たな延伸計画とかの策を打てれば良いのだが、現状ではそういった機運にはなっておらず、専ら従来型の新幹線の軌道距離を伸ばすことに精力を注いでいる。
 高速鉄道の世界一の営業距離というのが現在の中国の鉄道のプライドになっており、リニア方式は眼中から外れているだろう。
 さすれば、上記の空港連絡線の開通のタイミングで、役割終了を理由に早めに運行を止めて、東海リニア新幹線との比較を避ける状況に動くのではないか?そんな気がする。

 上海の空港連絡線が開通するであろう2022年の冬季北京オリンピックの頃に何らかの節目がやってきそうであり、上海リニアモーターカーが営業休止となる日もそう遠くないと私は感じている。