丼物に漬物がつく意味

 日本料理として有名なものの一つに丼物がある。

かつ丼

 かつ丼、親子丼、天丼、うな丼、鉄火丼などご飯に様々なおかず類を乗っけて、ご飯と一緒に掻っ込むのはたまらない醍醐味である。
 そもそもご飯の上に何故おかずを載せるのかと言えば、昼食など短い時間で食事を済ませるための知恵だと言われている。
 そしてそういった丼物につきものなのが、「汁もの」と「漬物」である。
 例えば浅漬けのキュウリが3枚とか、小皿で漬物が添えられている。

 ただ、私は昔からこんな僅かな量の添え物に意味があるのだろうかと疑問を感じていた。
 野菜を添える意味はあるとはいえ、量が少ない。
 それ故に、単に味のアクセント的に添えられているだけなのだろうとずっと思いこんできた。
 もちろん、漬物の味のアクセント的な意味としての存在はというのは間違っていないのだが、もう一つの重要な意味があることを最近認識した。

 それは乳酸菌の摂取という観点である。

 以前も完全食のブログで触れたが、人間の食事においては栄養素を満たしただけは不完全で、消化酵素や乳酸菌など消化に関わる部分で栄養素以外の要素の摂取が必要になる。
 そういった意味で発酵食品である漬物は恰好の料理であり、丼物等の料理に添えられることにより身体の消化能力を助けていることになる。
 人間の体においてたんぱく質の分解吸収には消化酵素が必要とされており、そのため少量でも漬物を食べ摂取することは食事の消化をスムーズにするため意味があるのである。
 ただ、漬物自体は保存性が高い料理でもあるため塩味が強い場合がほとんどで、強い塩分は胃を痛め消化を阻害することもあり、ここに少量の摂取に抑えられていることも理由がある。
 古くから食べられていた日本料理の「丼物」と「漬物」の組み合わせだが、体の健康にとって実は絶妙なバランスで組み合わされているのであり、和食文化の利点の重要なポイントであると言える。

 そういった意味では、栄養素バランスについ偏りがちな食の評価であるが、和食が身体に良いとされによるメリットの理由としても、この漬物による乳酸菌摂取もやはり重要なポイントであり、見落とさず語られるべきであろうに思う。





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