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茨城空港の年間旅客数が76万人を突破、開港前の当初目標を達成

茨城空港外観

茨城空港外観

開港以来、注目し続けている茨城空港の利用客数が昨年度H30年度計で76万人に達した。

内訳は国内線が594853人で前年比3.7%増、国際線が165,549で前年比54.9%増、合計760402人で前年比11.7%増となった。
(出典:茨城空港公式サイト旅客実績
開港前の1999年時点での開港後4年での利用予測80万7千人にはまだ差があるが、その後に下方修正された69万5千人の目標予測は3年遅れではあるものの完全に突破した。

これは昨年のソウル便などの再就航などが大きいと思われ、やはり定期便の就航による増客効果はかなり大きいようだ。
時期の遅れも東日本大震災の影響を考えれば、3年程度の遅れで挽回できたのは上出来であろう。

改めて開港1年前に書かれた報道記事を振り返って読むと、実際の年間利用数予測は、20万人程度と見込まれていたことから、現在の実績はその予想をはるかに上回り予想を覆したことになる。
ただまあ上記の予測では国際線の就航などは想定されておらず、その意味で言えば国内線だけではまだ目標に達していない。

逆にその意味としてやはり国際線LCC誘致に目標を転換した茨城空港の戦略が功を奏しているとも言え、国際線誘致の結果、春秋航空の上海浦東線の定着などを得て今期の目標達成となっている。

さて、今後の予測ではあるが、やはり現有路線の維持だけでは、今後の大幅な増加は難しいという印象であり、年度途中で始まったソウル線が年間定着すればあと2~3万人程度は上乗せが期待できるが、それがやっとというところ。

今後の伸びしろ枠の期待としては、国際線のソウル線や台北線が週2~3便なので、週内本数がもう少し増便されることや、最近はFDA(フジドリームエアラインズ)さんが、北海道や隠岐、広島、松山、花巻、小松と単発のチャーター便を設定してツアー客を誘引しており、これらのツアーの成否で利用客が伸びることも期待される。

さらに、これらのチャーター便路線のうち、松山や広島などは定期化への期待が持てる路線のような気もしている。

日本国内では新規航空路線というとビジネスユースを期待するため週7便のデイリーをつい求めてしまう傾向があるが、観光に比重を置いて考えれば、とりあえず週2~3便の非デイリーでも構わないという気がするのだがどうであろうか?
いずれにしても現年度では80万人の利用者達成をぜひ期待したく、今後も見守り続けたい茨城空港である。

上海リニアモーターカーが営業休止となる日も遠くない?

 先日「地下鉄2号線が正式に上海浦東国際空港と市内を直通運行に」の中でも少し触れたが、2号線が市内と直通運転となったことで、上海リニアモーターカーの存在意義が揺らぎ始めている。

 上海リニアモーターカーは2002年に開業し、既に今年で開業17年目を迎える。

上海リニアモーターカー

 開業当初は、上海浦東国際空港へ繋がる軌道交通機関が他になかったため、地上交通としての重要性を発揮しつつ、上海の発展の先進性の象徴として存在感を放っていた。
 その後、2010年の上海万博に向けて、上海―杭州間にリニア線を建設する計画が持ち上がるなど、中国全体での未来へ向けての押せ押せムードの中で、リニアモーターカーへの期待度は高まっていく。

 しかし、建設費や運営費などのコストが高い上に、電磁波などの影響を懸念する沿線住民などからの反対の声も多く、上海万博には杭州延伸などが間に合わなかったこともあって、万博時期を経て押せ押せムードはしぼみ、新規建設計画などのニュースは聞かれなくなる。

 同時に、2010年に地下鉄2号線が上海浦東国際空港へ直接乗り入れたことにより、リニアの唯一の固定交通機関という立場も崩れてしまう。

 一応2号線側がリニアに配慮したのか、広蘭路という駅で市内側の8両編成から4両編成への乗り換えが必要という障壁は残ったのだが、空港への足としての経済性という意味では圧倒的に不利になった。

 具体的には、上海リニアは7~8分で済むところを、地下鉄2号線は45分ほどかかってしまうが、運賃はリニアが50元(航空券持参などで40元)なのに対して地下鉄はたった6元で済むのである。
 また経済的に余裕のある場合なら、タクシーを使えば200元程度で、一人で乗車すると割高かもしれないが、複数人で乗ればリニアとの差はほとんど感じなくなる。
 リニア駅から目的地までの移動を考えれば、複数人ならタクシーが圧倒的に有利である。
 また 空港と市内間の所要時間も高速道路の整備でさほどかからなくなった。

 そして、上海側の地元民は上海浦東国際空港へマイカーで直接乗り入れて利用される方もとても多くなった。
 上海浦東国際空港では懸命に駐車場の増設を試みているが、なかなか整備が追い付かない勢いで増えている。
 結局このように、地下鉄、マイカーなどへの乗客シフトにより、上海リニアモータカーは空港への足としての地位は低下しており、観光アトラクション化している印象は否めない。

 実際、龍陽路駅での上海リニアモーターカーの利用状況を見ていても、観光客と思しき方以外はほとんど利用している様子がないのである。

 そして昨年発表され、来年にも開通すると言われている(恐らく無理なのできっと数年後)、上海浦東国際空港と上海虹橋国際空港を結ぶ空港連絡線が実現すれば、上海リニアモーターカーの利用客はさらに減るだろう。

 加えて、日本では2014年に東海リニア新幹線が着工され、2027年にも東京―名古屋間(286キロ)が開業する予定となっているため、リニアモーターカーという種別の交通機関の先進性も地位を譲る時が近づいている。
 東海リニア新幹線が開通すれば、どうしても上海リニアモータカーが比較に引き出されるはずであり、プライドの高い中国にとっては面白くない状況ということになる。

 日本に対抗して、新たな延伸計画とかの策を打てれば良いのだが、現状ではそういった機運にはなっておらず、専ら従来型の新幹線の軌道距離を伸ばすことに精力を注いでいる。
 高速鉄道の世界一の営業距離というのが現在の中国の鉄道のプライドになっており、リニア方式は眼中から外れているだろう。
 さすれば、上記の空港連絡線の開通のタイミングで、役割終了を理由に早めに運行を止めて、東海リニア新幹線との比較を避ける状況に動くのではないか?そんな気がする。

 上海の空港連絡線が開通するであろう2022年の冬季北京オリンピックの頃に何らかの節目がやってきそうであり、上海リニアモーターカーが営業休止となる日もそう遠くないと私は感じている。

地下鉄2号線が正式に上海浦東国際空港と市内を直通運行に

今年2月の春節明けに「上海地下鉄2号線が上海市内から上海浦東国際空港へ時々直通している」と書いたが、どうやら先週金曜日より、正式に上海市内と上海浦東国際空港との8両編成列車による直通運行が始まった。

上海地下鉄の公式サイトに正式に発表されており、詳しい直通列車の割合までは示されていないが、新ダイヤの運行間隔発表から推測すると、平日の朝ラッシュ時はおよそ3本に1本が市内から8両編成で浦東空港へ直通となる計画のようだ。

淞虹路駅に停車する上海浦東国際機場(空港)行き列車

また広蘭路~浦東空港間で従来の4両編成の列車が折り返し運行される見通しで、こちらは広蘭路駅で乗り継ぎとなる模様。

それ以外の時間帯はおよそ2本に1本が上海浦東国際空港と上海市内を直通し、4両編成の区間運転運行は無くなるようだ。

この理由について地下鉄サイトの説明によると、現状はまだ車両数に限りがあるため、平日の朝の時間帯は市内のラッシュ時輸送に輸送資源を集中させ、郊外区間である広蘭路より東の区間は従来の4両編成の車両でカバーするということらしい。
しかし、それ以外の時間帯については原則全線8両編成で運行し、今後新造編成が投入され次第、全ての列車を8両化していくようである。

ところでこの2号線の全線8両化開始により、気になるのは上海リニアモーターカーの行方。

まあ速度と時間という意味では、地下鉄に圧勝してはいるが、市内側の発着が龍陽路という中途半端な位置となっているため、乗り換えの不便さなど決して利用しやすい環境にあるとは言えないのがリニアである。
また、昨年に発表された上海浦東国際空港と上海虹橋国際空港を結ぶ「シャトル列車計画」も、来年2020年開業(本当に出来るのか??)ともいわれているため、ますます需要の低下が予測される。

さらに日本で本格的な長距離運行のJR東海の中央リニア線の建設が進んでいるため、上海リニアの先進性の位置付けも相対的低下は否めなく、開業後20年近く経って上海の発展の象徴としての役割は終わりそうな印象である。
まあ現行路線の延伸をして活用する選択肢も考えられなくはないが、沿線の電磁波の影響もあって反対運動がないわけではなく、またコストの面でも新幹線の比ではないことから実現性に乏しく、上海リニアは今のところ未来の展望は見えなくなっている。

こうして考えていくと、上海リニアモーターカーが廃止される日もそう遠くないのではという気もしてきている。
もし最先端のリニアが、比較的ローテクの地下鉄に淘汰されるとすれば、何とも皮肉な構図である。

上海地下鉄2号線が上海市内から上海浦東国際空港へ時々直通している

 春節前の1月末の頃だったろうか?
 上海の地下鉄2号線の威寧路駅にて、「浦東機場行き」と表示された列車が、中山公園駅方面へ出発するところを見かけた。

 「え、浦東機場(空港)行き?まさか?」

 そういった情報は把握していなかったので、市内から空港行きの直通列車があるとは俄かに信じ難かった。

 急いで、列車が走り去った後の列車接近情報のモニターを見てみたが、次の列車を含めて3本とも通常の広蘭路駅行きしか表示されていなかった。
 ひょっとすると先ほどの表示は誤表示だったかもしれないという可能性が頭をかすめた。

 ここ上海といえども列車の行先表示などは、時たま中国的な適当な表示も見られ、誤表示の可能性が捨てきれなかったのである。

 もともと2号線は広蘭路駅から市内側は8両編成空港側は4両編成という分断運転を行っていて、広蘭路駅で反対側のホームへと乗り換えている運営が行われている。

4両編成の2号線

 恐らく乗客需要の差異と、リニアモーターカーを守るため直通運転をさせないのだろうと言われており、直通列車の実現は難しいというのが多くの人の見解であり、私もそう思っていたため直通運転があるとは信じ難かったのである。

 たたやはり気になるので、早速ネットで情報を調べてみた。

 まず上海地下鉄の公式サイトをチェックしてみたが、公式情報としてそのような列車が走っているような情報は掲載されていなかった。
 この辺りは予想通りである。

 そして、百度(バイドゥ)でニュース情報を探してみたところ、一つだけ情報を見つけ、昨年末の12月28日より8両編成のままの直通列車が走るようになったとある。
 
 ただ、公式情報というより中国人記者の発見といったレベルの記事だったので、何分に1本が直通運転を行っているとか、何故直通を始めたのかとか5W1H的な情報は得ることが出来なかった。

 あまりにも信憑性を欠くような情報だったので、できれば自分で確認してみようという気になった。

 その後、2号線を利用するたびに上記の列車接近情報のモニターを見て毎回確認してみたが、なかなか浦東空港行きには巡り会えない。

 そんな日々がしばらく続いた後の、春節直前のある日、ようやく情報モニターに出現した「浦東機場」行きを発見した。

 「おお!」

浦東機場行きの表示

 その日は春節直前の週末で一応会社に行くことにしていたが、もう定時に出勤しないでも構わない状態だったので、そのまま浦東空港まで行ってしまうことにした。
 列車を見かけたのが中山公園駅だから空港まで1時間半ほどの行程である。

 ついでに証拠写真も残そうと思い、携帯電話のカメラ機能を起動し待ち構えていたが、残念ながらやってきたのは旧型の車両で、車両サイドに情報表示がないタイプのものだった。

 これでは写真を撮っても他の列車と差異がなく、意味が無いので撮るのを諦めた。

 そして、やってきた列車に乗車すると、そのまま列車は浦東空港まで何の特別なイベントも起こらず無事到着し、直通情報は本当であることを確認することができた。

 何だか張り合いのない道中ではあったが、敢えて特筆するべきことがあるとすれば、広蘭路駅では通常の折り返しホームではなく、朝夕しか使わないもう一方のホームに到着したことぐらいであろうか。
 このため、広蘭路駅で空港行きを待っていた乗客は乗れなかったのではないだろうかと察する。

 このような便利な直通列車であるにも関わらず、まだ試験運用なのか、今のところ運営サイドは一切特別なPRを行っていない。
 列車種別なども差をつけず、単に「浦東機場行き」としか案内されないのである。

 逆方向にも、浦東機場発淞虹路駅行きや徐涇東駅行きなどもあるようだが、やはり市内直通であっても特に特別なアナウンスはされず行先と車両数だけが表示される。
 直通の運行本数として、恐らく1時間に1本あるかないかの運用と察せられ、今のところ期待値が高まり過ぎるのを防ぐためなのか、積極的なアナウンスはする気が無いようである。

 ただ、このような直通が一部で始まったということは、今後時期が来れば直通の本数が正式に増えることも予想される。
 上海浦東国際空港と上海市内の間の道のりがより便利になる日が来ることが期待されるこの直通開始である。

上海浦東・虹橋国際空港間を結ぶ空港連絡線が年内着工へ

 先日発表されたニュース報道で、上海の二大空港を結ぶ空港連絡線が年内にも着工されることになったと報じられている記事を見つけた。

 上海の二大空港である上海浦東国際空港上海虹橋国際空港は直線距離にして50キロ以上離れていて、国内線中心の虹橋空港から国際線中心の浦東空港への移動はよく利用されるが、現在はバス路線で1時間ほどか2時間近くかかる地下鉄を利用しなければならないのが実情である。

 この連絡線の具体的なルートとしては現在建設中の上海東駅を基点として、南側を回って2019年供用開始が見込まれている上海浦東国際空港サテライトターミナル(T3)を経由し、現在の浦東機場駅に停車、その後ディズニー駅、張江駅、三林南駅のあと黄浦江を超え、華涇を過ぎた後北上し、七宝を経て虹橋枢紐へ至るルートとなっている。
 虹橋枢紐では空港だけでなく、上海虹橋駅にも隣接するので高速鉄道への乗り継ぎにも使われるだろう。

上海空港連絡線のルート図
引用元

 距離にして68キロ、車両は中国の国鉄タイプの車両つまりは新幹線の外観の車両が使われるようだ。

 以前のブログにも書いたが中国の鉄道は、機関車が客車を引くタイプの車両運用が主流であり、電車というといきなり新幹線タイプになってしまいその下のカテゴリがない。(中距離列車のない中国
 また地下鉄などの都市内の軌道交通は新交通システム的な位置づけで、都市間鉄道とは別のカテゴリと扱われているのが中国の鉄道区分となっている。

 故にたかが60キロそこそこの路線の列車でも新幹線タイプの車両を使うしか選択肢がないのがこの国の鉄道事情となっている。

 ただ想定されている所要時間などから推測すると最高速度200キロを超えるような高速車両ではなく、最高速度160㎞/h程度の車両のようだ。

 発表通りに建設されるとなると、全線の9割が地下を走るルート設定から考えても200キロを超えるような高速走行環境は現実的ではないのかもしれないし、トンネル口径も大きくなるからコスト的に高くつくため必要な範囲に抑えたのではないかと推測される。

 運行頻度は、当初の想定だと1日107往復とのことだから、朝6時から24時までの18時間稼働として大よそ1時間に6本、つまり10分間隔のようで、現状の上海地下鉄2号線の空港支線と同程度、日本の成田空港の京成とJRを合わせた数などと比べるとやや少ない印象である。

 なお開通予定は2020年と掲げられているが、大規模な地下工事になるため、専門家はとても2年弱の突貫工事では無理だと言っており、早くても5年後の2023年になるとみられているようだ。
 いずれにしても実際に着工されることが決まったからには、5年くらい後には上海の2台空港の乗り継ぎがより便利になっている時代が来そうである。