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北海道知事選が面白そう

もうすぐ日本では統一地方選挙が始まるが、私自身は住民票がないのでどこの地方選挙にも投票できず、全選挙区とも高みの見物となっている。
(国政選挙は在外投票で投票できる)

この統一地方選の中で、面白そうな選挙の一つとして北海道の知事選挙がある。

 面白そうと言っては地元の方には大変失礼なのだが、久々にまともな政策論争の選挙戦が見られそうだからである。
 通常の首長選挙は現職がいて、現職対新人の構図になりそれまでの現職の実績と、新人による問題点の突きつけが争点になるのだが、今回は現職の高橋はるみ知事が退くので、有力候補者とされる二人の候補はいずれも新人となっている。

 もちろんそれぞれの候補にはバックに国政政党の応援があるのだが、それほど国政色は濃くない印象で、むしろ争点は国政の是非ではなく、北海道現状や将来に対する地元政策や行政手腕に注目が集まっている。

写真はイメージ

例えば与党側の候補とされる鈴木直道氏は、埼玉県出身で37歳と若いながらも再建団体に陥っていた夕張市長を務め、夕張市の再建に寄与したことからその実績を買われて、自公両党に推薦された。
 一方で、野党の統一候補とされる石川知裕氏は45歳とこれまた若く、かつてあの小沢一郎氏の秘書を務め、かの政治資金規正法違反事件で、有罪を受けた方ではあるが、北海道の足寄出身で衆議院議員経歴があり、経験としてはそん色がない内容で候補者となった。
 まあ行政実績があるという点では鈴木氏がリードするが、北海道出身で国政経験もある石川氏も知事候補としてひけはとらないだろう。

 よって少なくとも現状の人物評でいえば、どちらがどうと言うほどの差は無い。

 故に、2人を並べて道知事として相応しいかを考えるにあたって、いわゆる国政的なレッテルのイメージより、本人たちがどれだけ北海道のために尽くし、アイデアをもって行動する人間なのかが大事になってくる。
 JR北海道過疎化地震からの復興など北海道にとっては生活の基盤自体が揺るぎかけている現状に、新知事がどれだけ有効な手が打てるかに期待が寄せられている。

 そんな中で2人の候補者とも40歳前後と若く、行動力に対する期待値も高いので、あとはどんな政策を持っているが、そこが選挙上の争点となるはずである。
今回の北海道知事選は、デザインコンペ作品の提出を待つがごとく、非常に純粋に政策を見比べられそうな状態で、とても楽しみな選挙だという気がするのである。

少数野党の意外な活躍

ここのところ、日本の野党勢力が思ったより活躍している。

 昨年の衆議院銀選挙で、小池都知事の失言などもあって前回の選挙に引き続き自民党と公明党の大勝に終わったときは、また変わらない政治がつづくのかと思った。
 3分の1にも満たない野党勢力で何ができるのだと思ったからである。

 過半数はおろか、3分の一以下の少数野党では委員会でも過半数が握れず、与党が強行に多数決を通せば何もできないのが現実だからである。

 ところがである。

 現在の野党たちは思いのほか活躍を見せている。

モリカケ問題にはじまり、働き方改革法案など、野党が与党側や首相の不備を証拠を持って指摘することによって、法案を修正させたり、重要参考人を証人喚問へ呼ぶような動きが可能になっている。

 もちろんこのことは政権側がかなりいい加減で脇の甘い動きを見せていることが要因ではあるのだが、少数側の政党が数の力に諦めず。それをきちんと指摘できているところにちょっとした感動を覚える。

 従来の野党は反対のための反対と揶揄される面があり、結局は与党の思うがままに政治が行われ、野党側はただ抵抗するだけの動きしかできなかった。

しかし現在の野党は、かつてのそれとは違い、ちゃんとおかしな根拠を発見して指摘し結果に影響を与えることができているのである。

 まさしく野党が野党としての機能をはたしており、面目躍如といった状態になっている。

 まあ野党の対応が全て正しいとまでいう気はないが、現在の政権与党や霞が関の官僚の状況にはあきれ返っているところであり、とりあえず国政の膿が出切るように頑張ってほしいと思う。

海外生活者にとって二重国籍問題は他人事ではない

数年前から騒がれていた蓮舫氏の二重国籍問題だが、実際海外の最前線にいる身としては政治的影響云々以前に、かなり身近な問題であり他人事ではない。

 私自身は未婚であるため現時点では子供の国籍で悩むということに直面してはいないが、外国に住む身としては、将来国際結婚をする確率は日本国内にいるときより遙かに高く、子供が出来ればやはりその問題に直面するのである。
 
しかも上海など中華圏にいる限りにおいては、蓮舫氏の両親と同じように台湾人や中国人などが配偶者となる可能性は非常に高く、やはり日本と中国・台湾間の国籍関連の法律手続きは気になるところである。
実際、私の周囲には日本人夫婦として中国に来た場合を除き、独身状態で来た場合は国際結婚に至っている場合が非常に多く、当然の如くその子供について皆さん国籍の選択や手続きについて悩んでいる。

写真はイメージ

まあ国籍選択そのものについては正式な統計を見たわけじゃないが、伝わっている話を総合すると大半は早期に日本国籍を選択している。

これは日本の国籍を選択した方が、国際的に入国できる国が多いのと、日本人学校の入学条件として。日本国籍かつ親が労働ビザを持っていてその家族の資格であることが条件になっていることが影響していると推測する。

いずれにしても手続きが煩雑であり、皆さんいろいろ苦労されている。

それでも生まれた場所が日本国内であれば日本国籍を選択することに関しては、手続きは比較的簡便だと聞く。

ただ問題なのは中国で生まれてしまった場合である。

中国では二重国籍を認めていなので、外国人同士の夫婦間で生まれた場合を除いて、取り敢えず中国に出生届を出さなくてはならず、自動的に中国の国籍を持つ子として登録されてしまう。

そして合わせて日本の大使館・領事館に出生届を出せば、両方に国籍がある状態が成立してしまうのである。

この二重国籍状態は二十二歳になるまで許されており、二十二歳になるまで国籍選択届を出すとされている。
で、これが蓮舫氏に実際発生した状況とも共通するのだが、日本で日本国籍選択届を出したとしても、自動的にもう一方の国の国籍離脱とはならないのである。

つまりもう一方の中国や台湾の国籍の離脱手続きをしなければ、その国においては籍が残ってしまうことになる。
ただ、そのような籍が残っている状態でも、日本国籍を選択したならば日本国内で生活を続ける限りにおいては基本的には何ら支障がない。
 蓮舫氏の例にみられるように、選挙に立候補して公職に就くことも出来る。

 問題があるとすれば、籍を取り消していないもう一方の国へ入国するための居留ビザなどを取る場合である。
 この件、台湾の状況は詳しくないが、中国の場合は、日本人学校への入学などの目的で外国人として居留証を取ろうとすると、中国籍の離脱を求められてしまうのである。

 ただこういったビザを必要としなければ、両方の国のパスポートを持ち続ける場合もあるようである。
つまり、それぞれの国へ戻る時にそれぞれの国のパスポートを使って入国するようなケースであり、その便利さ故に意図的に国籍を離脱しないという人もいないとは言えないようである。

しかしながら大抵の場合は、国籍国へ生活の拠点を固定するので、取り消さなければならならない国家に戻って鉄続きをすることは非常に面倒ということもあって、怠る場合が多いと推測される。

 今回の蓮舫氏の件においても、この取消手続きが終わっていると本人は思い込んでいたが、結局は手続きが行われていなかったところに問題があったとされる。
まぁ彼女は国会議員や野党党首という目立つ立場に立ったため、より強く批判にさらされるわけになったのだが、実際の法手続きの現状や面倒臭さを考えると彼女の手続きミスを責めるのは少々気の毒に思える。

ところで、この件に関して、蓮舫氏はスパイだのなんだのと必要以上に酷い言われようをしている。

個人的に蓮舫氏を政治的な意味で肩を持つということではないが、スパイ呼ばわりまでされている状態は、国際結婚夫婦やその子供に対する酷い偏見と差別に他ならない気がする。

もちろん、実際に彼女が他国のスパイでないという証明は非常に難しいことではあるが、本物のスパイなら、一般的に考えて二重国籍(相手国の国籍取消忘れ)など分かり易いミスを残さないであろうに思う。

 もし他国がスパイとして送り込むなら、彼女のように手続きに問題が残る人物より、完全に帰化した人物や二重国籍を解消したよう人物の方が疑われる点が少なく使いやすいように思うのである。

更に言えば最初から日本国籍である人物を利用した方が遙かに怪しまれにくく、恐らくそういう人物を利用するのであり、手続き漏れをしているような人物はスパイとしては使えないだろうに思う。

いずれにしてもあのような彼女への差別的な言葉は、海外で暮らしたり国際結婚をした者にとっては他人事では無いのであり、我々の帰国後や自分が国際結婚をした際の子供が日本社会でどう扱われるかの切実な問題なのである。

統計によれば日本人と外国人との国際結婚は、現在は以前より減ったもののここ20年を均せば3~6%程度が国際結婚であった。
つまりその夫婦が日本人夫婦と同じだけ子供を生んだと仮定すると、学校のクラスに必ず1人や2人がハーフの子がいる状態が日本の現状であり、レアケースでは無くなってきているのである。

しかしながら国家間の関係の問題もあって、手続き上の煩雑さは相変わらずであり、社会の理解も一向に進まないどころか、蓮舫氏への批判に見られるようにその存在への反発の方が強くなっている印象さえあるのである。

 こういった現状や、手続き上の複雑さ、さらには差別的な言葉を見るにつけ、本来は一人の人間として何の価値も変わらないはずなのに、何故に後からつけられた国籍などという記号に悩まされなければならないのか、非常に疑問を感じるのである。