無人コンビニを体験

 上海虹橋国際空港の第2ターミナルに無人コンビニエンスストアが開店していたのを発見し、早速興味本位で入店してきた。

 場所は虹橋国際空港のT2上海虹橋駅を結ぶ連絡通路上の、地下鉄駅(虹橋2号航站楼駅)の真上に当たる3階レベルの一角。

無人コンビニ外観

 外観は普通のコンビニと同じような雰囲気で、入り口に自動改札のようなゲートがある。(現在はまだ案内係が立っており説明している。)

 また入り口の扉には、事前にスマートフォンにこのコンビニ専用のアプリを登録するか、WECHAT(微信)などで、公式アカウントをフォローすることにより、入場が可能になる旨の説明が書いてあった。

 そして、支払い方法を事前に設定する必要があり、この際に微信支付(WECHAT PAY)などを選択する。

 私は慌てて微信支付を選択してしまったので他にどのような選択肢があったか、はっきりは確認しなかったし、再設定もできる仕組みは見つからなかったが、恐らく支付宝なら設定は可能だろう。

 (APPもインストールしたところ、支付宝を登録できることを確認した。)

支払い方式選択画面

 で、実際の使い方だが、

①入店用のQRコードをゲートのスキャナにかざすとゲートが開くので入店。

②陳列棚から、商品を手に取り、そのまま手でも持ってもよいしカバンに入れても良い。

③商品を取り終わったら、そのままゲートを通過して退店する。

④すると、自動精算された通知がスマートフォンに届く。

商品別の金額内訳などもスマホの公式アカウントから確認することが可能で、金額があってない場合は問い合わせることができるようだが今回は正確な数字が記載されていた。

購入明細画面

どうやら天井に設置されている多数のカメラなどで画像認識され、手に取った商品などの動きをつぶさに自動解析し、退店時に精算できるようにしているようだ。

今回棚から一回手に取って再び棚に戻したような行動も取ったが、その分が間違って加算されるようなこともなかった。

これらは恐らくあの物流のアマゾンが研究していた方式で、それを中国側の資本が採用したのではないかと思われる。

ただ一応利用上の注意事項もあるようで、スマホと人物を1対1で認識している都合上、商品を店内で他人に手渡しすることは禁止されているようだ。

また、スマホを持たない人を連れて複数人で入場することも難しそうで、子連れの親子などは入場が難しい可能性がある。

更に、購入金額に対して電子マネー残高が不足するような場合に、どういうことが起きるのかは説明が無いので、ややおっかないとも言える。

まさかいきなり金額不足で警察に捕まるということは無いと思うが、そのまま電子マネー上の信用度にマイナス記録が残るということは十分ありうるので、注意するべきかもしれない。

 また一見の外国人旅行者などは決済手段を持ってないので利用は出来ない状況の様である。

 いずれにしても、上記のような運用上の問題点がありそうにもかかわらず、とりあえずこんな店が稼働してしまうのが中国式突っ走り方のような気がする。


上海(中国)のタクシーに対する誤解

先日、ある上海に来たばかり方のブログで上海のタクシーでぼったくられたようだというようなことが書いてあった。
そのブログによると、途中からメーターの上がり方が速くなったとのこと。

まあ実際にぼったくられたかどうかは、当時の事実関係を細かく調査しないとわからないが、こういった被害情報の一部は上海や中国のタクシーの運賃体系を知らない点からくる誤解も多々あるような気がする。

以前にも、「遠くに行くほど割高になる中国のタクシー」で書いたが、上海のタクシーは実は乗車距離が15キロを超えると運賃単価が50%アップするような仕組みになっているのであり、途中から料金の上がり方が速くなったという現象は、この状況と合致するからである。

つまり遠くへ行けば行くほど運賃が割高になるような運賃体系なのである。

上海のタクシーに限らず、中国のタクシーの運賃体系は概ねこのような体系で、運賃単価が上がる距離ポイントはそれぞれ異なれど、ほとんどが遠くに行くほど割高になる仕組みになっている。

何故こんな体系になっているかというと、タクシー運転手に対する回送補償が含まれているからで、つまりあまり遠くに行ってしまうと戻る経路では営業ができずガソリンを無駄に消費するので、その分を補償するために運賃に上乗せしている。

いずれにしても上海(中国)のタクシーは、市内の一定距離を超えると運賃が高くなる仕組みとなり、それを勘違いしてボラレたと思ってしまうケースはあるのかと察する。
中国に対する先入観も大きく影響しているだろう。

もちろん、遠回りなどをして多く料金を取ろうとする雲助タクシーも未だになくならないが、少なくとも上海においてはそういった被害の報告はかなり少なくなっている。

その理由として、GPS追尾装置の発達で、運転軌跡の調査が容易になり、タクシーセンターに訴えることで意図的な遠回りはすぐばれてしまうので、不正は行いにくくなっているといった技術の進歩がある。
よって、上海でタクシーを利用する際には、先日紹介した「百度マップ」の機能で料金相場観を把握しておけば、必要以上に疑心暗鬼になって被害を怖がらなくてもよいのである。

万が一酷いなと思った時だけレシート(ファーピャオ)をもとに、被害調査を依頼すればよいのだと思われる。

徴用工問題と入管法改正問題

いま日本の国会で、外国人労働者の受け入れ拡大を目指して、入管法の改正問題が審議されているが、あまりにも外国人労働者の人権を軽んじて現状を直視していない内容に野党などから批判の声が集まっている。

日本政府としては日本国内で労働人口の減少により、急激に日本の生産力が低下していたり市場が縮小していることに危惧していることから、産業界の要請もあっての労働者の受け入れ強化を目指しているのだと思われる。

しかし労働者の家族の呼び寄せを認めず5年間拘束しようとするなど、あまりにも良いとこ取りの都合の良い政策に計画の稚拙さを問う声は多い。
私の目から見てもあまりにもアジアの人々をバカにした政策のように映り、労働者を生活を抱える人として扱ってない姿勢に首をかしげざるを得ない。

一方で、日本の近隣では韓国国内の日本統治下における徴用工の問題で、日本企業による当時の強制労働に対する賠償請求に対する判決が出て、日韓の間で国際問題になっている。
この問題に関しては、1965年に締結した日韓請求権協定によって日本から賠償金代わりに無償の円借款3億ドル、有償2億ドル、民間借款3億ドルの融資が出ていることから、個人への個別の補償は韓国政府が行うこととなっているとして、日本政府は日本企業に請求に応じないよう求めている。
まあ私も日本語の資料しか読んでいないが、この問題については日本政府の立場に基本的に意を同じくしている。

ただまあ、現代において「誰が賠償すべきか」という問題はさておき、当時の日本企業が現地の人間を劣悪な条件で徴用して働かせていた歴史があったことも事実である。
当時の企業経営者がそういう発想で労働者を扱っていたのである。

韓国併合時代の朝鮮半島統治に関しては、日本政府は単なる併合であり植民地支配ではないと主張し、一方で韓国側は植民地支配だと主張しているが、こういった徴用工問題の実態を見ると、表向きは併合でも、中身は植民地的奴隷扱いもあったと思われても仕方ない実態だったことになる。

さて現代に振り返って現在の入管法改正問題に重ねてみると、日本の企業経営者や政府首脳の外国人労働者に対する視点というか発想は何も変わってないのではないかと思えるのである。

表向きは技能実習生などという名目で体面は整えていながら、実態は劣悪な環境と低賃金でアジアなど周辺国の労働者を利用している。
このような姿勢は、韓国併合時代の日本やり方そのものに重なるところがある。

少なくとも現時点までの技能実習生の実態からは、この制度が単なる低コスト労働力の供給にしか使われていないことは事実であり、これによって間接的に日本の労働者の賃金が低く抑えられている実態もある。
それによって日本人労働者の不満が在日外国人に向けられている状態も戦前と全く同じである。

故に現代において労働力不足を理由に外国人労働者を受け入れようとするならば、戦前の反省に立って、しっかりした受け入れ体制を整えることが大事であり、彼らは低コスト労働努力ではなく高コストで受け入れる助っ人外国人であるというくらいの認識が必要なのではないだろうか?

また日本人と対等な近隣な労働者である発想のものとに、日本人同様の義務と福利厚生の権利を付与すべきであろう。

逆に過去の徴用工問題や慰安婦問題についても日本が現代的立場で強く外国に日本の主張を訴えるならば、現代の労働者問題についてもきちんと過去の反省に基づいた外国人労働者の受け入れ態勢を整えなければ、幾ら口で過去の反省を言っても説得力を持たないのである。

偶然にも同時期に起きたこの二つの事象を並べると、日本政府や経営者が本当に反省すべき点が見えてくる気がするのである。