日本で使えなかった中国工商銀行の銀聯ICキャッシュカード

 先日、日本に一時帰国した際にちょっと困ったことが起きた。

中国で使っている工商銀行のキャッシュカードが日本で使えなかったのである。

茨城空港に下り立った際に、空港内のセブン銀行のATMで日本円を引き出そうとしたのだが、このカードは使えませんとエラーになった。
あれ、おかしいなとおもいつつもう一度試したが結果は一緒だった。

やっぱりそうなのか?

今年の春に工商銀行のカードが破損したので交換したのだが、その際、従来の磁気帯型のキャッシュカードからICチップの埋め込まれたカードに交換となったのだが、どうやらこれがまずかったらしい。

中国工商銀行のICキャッシュカード

中国工商銀行のICキャッシュカードの裏

実は中国のICキャッシュカードは日本で使えないという噂は耳にしていた。
ただ、セブン銀行がICカード対応になったというニュースも目にしたので安心してそのままの状態で日本へ戻ったのだが、やはり使えずこういう事態に遭遇してしまったのである。

もしや対応可のATMと非対応のATMがあるのかなとその場での引き出しは諦め、まずは自宅に向かうことにした。
幸いながら自宅に戻れるだけの日本円は手元にあったので、そのまま真っすぐ自宅に戻ったが、現金が無ければ危うく立ち往生する状況であった。

で、自宅のそばのセブンイレブン内のセブン銀行ATMで再度引き出しに挑戦するものの結果は一緒だった。

困った事態である。

仕方なく、残高のほとんど残ってない日本円の銀行口座から当面必要な現金を引き出した。

日本円での収入がほとんどない自分にとっては、日本円にはなるべく手をつけたくないのであって、人民元から引き出せないのはちょっと痛手である。

で、翌日免許の更新を終えて、中国の知り合いから頼まれていた品物を買い出しに行った。

ATMは無理でもショッピングなら可能かもしれないと考えやはり銀聯カードで支払おうとしたが、やはり磁気帯がないカードは使えないとのことだった。

どうしようと悩んだところ、財布の中には中国交通銀行のキャッシュカードも入ってることを思い出した。

交通銀行のカードは下記写真のように、ICチップと磁気カードの両方がついているため、恐らく従来通り現金の引き出しやショッピングが可能だろうと推測した。

交通銀行のIC付キャッシュカード

交通銀行のIC付キャッシュカードの裏

ただ、その銀行口座は私のWECHATアカウントと紐付いていないため、普段は口座にお金を残しておらず休眠状態であり、カードが使えても残高がない状態だったのである。

そこで仕方なく、中国の同僚に協力を頼むことにした。

まず、WECHTATで中国にいる同僚に連絡を取り、WECHATの口座に残っている残高から同僚にお金を支払い、さらにその同僚に私のその交通銀行の口座に振り込んでもらったのである。

 この作業におよそ30分かかったが、無事その交通銀行の口座にお金が届き、交通銀行の銀聯カードを使い無事買い物は完了した。

 まぁ手間はかかったが、「WECHAT PAY(微信支付)」様様であり、中国の電子決済システムの力に助けられた出来事となった。

 それにしてもこれだけ海外旅行者が増えているのに汎用性のない中国工商銀行のICカードには困ったものである。
 皆様もお気をつけあれ。


上海の建物同士の間隔が狭い理由

上海の街を歩いてみるとすぐわかることだが、マンション同士の間隔というか距離感がもの凄く近く、狭い間隔で建てられていることに気が付く。

日本だと建築基準法か何かで、建物の高さに比例して、建物の同士の距離が定められているので、こういった極端に近接した建物はまず住居用では見られない。

しかし上海では結構密集して建物が建てられている。

上海の住宅密集地域

もちろん狭い敷地に沢山建物を詰め込めば、敷地面積に対して多く部屋を設置できるので開発業者が儲かるということはあるが、日本の場合は建築基準法がそれを許さないように定められているため、こういった密集した建設にはなりえない。

まあこの点で中国の建築基準法が未整備だと言ってしまえばそれまでだが、どうも社会そのものにそれを求める要求がないということが法律にも反映されないというのも理由にあるような気がする。

そもそも建築基準法が建物の間隔や高さを定める理由というのは、日照権の問題にある。

日照権とは言わずもがな「陽の当たる権利」で、1日の内に最低3時間程度は陽が当たるように周囲の建物に配慮しなければならないといった基準になっているものである。

つまり日本では陽の当たることに価値があるのであって、それが住宅所有者には確保されるべき最低限の権利だという価値観が根底に有る。

その点、実は中国というか、まあとりあえず上海ではそこが違うのでは無いかという気がする。
(他のエリアはそこまでチェックしてないのでとりあえず上海限定で)

例えば、上海は東京に比べ緯度で5度南にあり、真夏の太陽の位置は東京より高い位置に来るため、日差しはより真上に近い角度から下りて来る。

更に、夏の気温が高いため、日が当たることとは望まず逆に涼むために寧ろ日よけを望んでいる部分があり、日照権などという権利発想には思いもよらないのではないかという気もする。

冬も、上海の場合は関東のようにきれいに晴れが続くということが少ないため、日照によって暖を取るという発想がなく、以前「上海人はあまり脱がない」で書いた通り、服を着込むことと、熱い食を摂ることで暖を取っている。

故に住宅において太陽光を受けて熱を取り入れることはそれほど熱心になっていない。

つまり太陽光の存在にあまり価値をおかず、建物の間隔が狭くても気にならないので、建物を密に建てているのでは無いかという気がするのである。

実は以前に台湾に行った際にも、やはりマンションが詰められて建てられている光景を目の当たりにした。

台北の密集したマンション群

台湾は上海よりさらに緯度が南に位置するためほぼ真上の位置から太陽光が差し込む。
台湾島のちょうど中央部を北回帰線が通るため、台南・台中付近は夏至の時期は完全に真上になる。
それ故か台北の建物の間隔は上海以上に狭かったのである。

台湾くらいの緯度になると、冬でもさほど寒くないので、もはや冬場の暖を太陽光に求める需要すらないと考えられる。

さらに緯度的に南となる香港も同様に建築間隔が密であった記憶があり、日照権は住宅にとって必須ではないのだろうと思う。

香港のマンション群

故に、これらの地域では、日照権は基本的に求められず、かなり建物が密に建てられていると考えられるのである。

こういう点から考えていくと、緯度が北寄りで冬場の暖を太陽光から取る必要性のある日本、特に関東や関西程度の緯度の地域では日照権の問題が発生するが、緯度が南の暖かい地域では日照権はほとんど問題にならない整理になる。

実際、日本でも沖縄では日照権はほとんど問題になっていないが、逆に札幌など寒い地域ほど、日照権は深刻な社会問題になっているのが実態のようだ。

よって、最初の命題に戻るが、上海で建物の間隔が狭いのは日照権をほとんど必要としていないからだと考えられるのである。

ただ、一つ補足すると、上海ではこのように日照権の問題は発生しないが、眺望の問題は不動産の価値に大きく影響するようで、低所得者のマンションほど密で、高所得者向けの新しいマンションは眺望を意識して疎に建てられており、日照権以外の問題で建物の間隔が離れつつあるのが、トレンドのようである。

茨城空港へ向かう2日目の春秋航空のサービス

前回
2日目の臨時便は目的地の台風の影響が去るであろう11時出発に設定されていた。

前日同様にチェックインカウンターでチェックインすると、前日と同じ席が割り振られていた。
どうやら前日のデータがそのまま移築されて使われているようである。

そして再び、イミグレを通って中国を出国した。

この時点でまだ昨日来のお腹の調子は回復していなかったので、薬を買うことにした。

前日の出発時には薬局を見つけられなかったのだが、今回は事前調査をしたので存在を確認済みである。
この免税エリアの薬局は、セキュリティチェックを出た正面の裏側にあり、前日ももっとよく探せばすぐそばにあったのだが、体力的に余裕が無さ過ぎたので探し切れなかった。

そしてようやくこの日にそのお腹の薬を買い求めたところ、なんと日本の正露丸を勧められた。

正露丸は、まあ色々言われてはいるがいまだ健在の薬であり、中国でも食あたりの薬として重宝されているようである。

今回の搭乗口は前日同様にD229ゲートで沖合駐機場からの出発だったので、上記の薬局のそばからエスカレータを一階まで下りた。

出発時間まですることもないというか、今更買い物の予定もなかったので早めについて出発時間をロビーのベンチで待っていた。
すると、春秋航空のスタッフが搭乗者向けに中国製のカップラーメンと飲料水を配り始めた。
どうやら今回の飛び直しのお詫びとして朝食だか昼食だかの代わりという意味らしい。

私自身は中国メーカーのカップ麺はあまりおいしくないのを知っていたので、取り立てて欲しいという欲求は湧かなかったが、貰えるものは貰っておこうということで私も受け取った。

カップ麺が食事代わりというのは対応として決して満足ではないのだが、春秋航空がLCCであることを考えると、質はともかく誠意はそれなりに感じる。

さて搭乗時間が来て、空港の端の端までバスで運ばれ、再び航空機に乗り込んでみると、どうやら必ずしも全員が前日の席に座っているわけではないようであった。

顔を覚えた日本人は大体前日と同じ席に座っていたが、中国人客はかなり入れ替わっていた。

この辺りは、何とも統一性のない中国的サービスである

機体は滑走路の北の端にある駐機場から、滑走路の南端までダラダラと移動した後、ようやく飛び立った。
この日の上海の空もまずまずで、今度こそ無事に到着できそうである。

ところで、この日は朝食をホテルで食べたが、昼食は特に何も準備していなかった。
もちろん事前注文もしていなかったし、もらったカップ麺は機内で食べるのは難しそうであったので、昼食についてはどうするか考えあぐねていた。
まあ機内販売で済ますしかないかなと考え、一応現金を準備していたところ、CAの方が来て「注文はジャージャー麺でしたが、売り切れているのでご飯もので良いですか?」とたずねて来た。

「まじか?ラッキー!」

どうやら、昼食の注文まで前日のデータがスライド移行され、食事も含めて予約されているようだ。

もちろん、追加料金はなく、これで払おうと思っていた40元が浮いた。

ただ、その日は麺が品切れということなので、代わりにカレー牛肉飯を頼んだ。
前日便で香しいカレーの香りが漂っていたので気になっていたのである。

で、期待を持って食べてみたこのカレーだったが、カレーはまぁまぁなのだが、正直ライスの期待はずれ感が半端なかった。

非常に水っぽくてうまくないのである。

それでも残すのが嫌なのと、所詮無料でもらったものだからと諦め、一応は完食したが、今後自ら頼むことはまずないというレベルであった。

次回以降春秋航空に搭乗する際は、食事は一つのネックになったという印象であり、お金を出せばよくなるような状況では無さそうだ。

まぁなんというか、LCCだからなのか、中国の航空会社だからなのか全体的にクォリティは高くないのがこの春秋航空のサービス内容なのである。

ただ、春秋航空の名誉のために言っておくと、前年にピーチ航空で同様に欠航になった際は、ホテル、食事、臨時便といった対応は一切なく、払い戻しを受けただけだったので、今回無いよりマシという意味での比較をすれば、遙かに春秋航空の方が誠意を見せて対応してくれている面はある。

ドライに割り切るか、質は低くても最低限の対応があった方が良いか、どちらが好みかは人によって意見の分かれるところだが、LCCの割りには顧客対応意識があるのは春秋航空だという気がした。

そんなことを感じながら無事、飛行機は茨城空港に到着した。
現地は恐らく台風一過の状態であったはずなのだが、そんなことを微塵も感じさせない綺麗な青空が広がっていた。