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茨城の客寄せパンダのアドバルーン

 先月、茨城県の大井川知事が日立市の神峰動物園にパンダを誘致する構想を発表したことがニュースになっていた。

 就任以来ほとんどニュースにならない大井川知事から出た、突然の政策発表のニュースのため、どうも突拍子もない印象だった。

 「客寄せパンダ・・・」という言葉が真っ先に頭に浮かんだ

 魅力度ランキング連続全国最下位の茨城県ではあるが、パンダを飼育しただけで何か改善が期待できるのだろうか?
 そもそもその手段として、パンダの誘致というのは安易すぎるのではないだろうか?
 
 確かにパンダを呼べれば、それなりの集客は期待できるだろうが、それは単なるパンダ人気であって、茨城の魅力とは何の関係もない。
 それでも経済効果を狙って誘致するという判断もなくはないだろう。

 果たして実際どのくらいの本気度で、実現性というか交渉はどの程度進んでいるのか?
 その辺の状況について先日ちょっと機会があったので。茨城県の人に聞いてみた。

 するとどうやら、まだほとんど知事の頭の中の構想の域を出ておらず、先日の発表についても、の関係機関などに真意の説明を始めたような段階であり、全く根回しなどがされていないような状況らしい。
 県の予算も、本当の初歩の初歩レベルらしく交渉すら出来るかどうか怪しいレベルのようだ。

 肝心の知事自身も就任後に一度も中国を訪れたことが無いらしく、当然まともなパイプすらなさそうである。

 本気でパンダ誘致を目指したいなら、まず知事自身が、視察名目でもなんでも良いので四川の飼育センターなどを訪れるべきであっただろう。

 そして現地の政治的有力者などを表敬訪問するなどして、雑談の中で「当県にもパンダを貸していいただくことは出来ませんか」などと話してみれば、先方も無下には出来ず、とりあえず現地の状況くらいは知ることが出来、話の端緒くらいには付くことが出来るだろう。

 まあ運が良くてもなかなかとんとん拍子で話が進む可能性は低いだろうが、実現への道筋くらいは見えてくるかもしれないのである。

 もちろん、そこでは国家間の交渉を必ず通さなければならないが、希望する主体者がまず足を運ぶというのは、熱意を伝える一番の武器であり、交渉成功の近道なのである。
 それなのに、茨城から動かず部下などに交渉をやらせようというようなやり方では、中国相手に本気度が伝わるとはとても思えない。

 こうやって考えると、今回のパンダ誘致構想というのは実は知事自身のアドバルーンなのではないかと思えてくる。

 つまり自分自身に注目を集めるための客寄せパンダ的なアドバルーンである。

上海野生動物園のパンダ

上海野生動物園のパンダ

 聞くところによると、大井川知事は地元のメディアとの関係性が良くなく、知事の発言や行動があまり記事に取り上げられない状態とのこと。
 ならば東京のメディアでもとりあえず飛びついてくれるだろう話題としてパンダ誘致構想を掲げたのではないか?そんな視点も出てくる。
 
 いずれにしても、今回のパンダ誘致構想は実現までは遥かに遠そうで、とても現知事の現在の任期中には実現しなそうなレベルの話のようである。

インバウンド対応を謳うのにUSB電源供給口がない日本の私鉄車両

 何やら最近、日本の大手私鉄で新たな有料特急座席指定列車が増設されるニュースが相次いでいる。

 もちろん、従来の日本人通勤客への便宜という意味もあるが、どうやらここ数年急激に増えた外国人観光客向けのアピールなど、インバウンド需要などを狙ったと謡っている会社も少なくない。

 通勤者向けというのは、これから日本の人口が少しずつ減少することによって、通勤客も目減りするという事情もあって、通勤客の囲い込みと増収策の意味で有料座席列車が増えているという状況のようだ。

 一方で、外国人向け対応として、新たに製造した新車両にWIFIAC電源の設備を設けたと得意気に謡う私鉄も少なくない。

車両説明資料より(引用元


 しかし、そもそもこれらはノートパソコンの普及した20年くらい前に対応しておかなければならない事項で、今ようやく「つけました」というのは今更感がすごくある。

 さらに、私が気になったのは、AC電源として2つ穴の日本仕様のコンセントは用意されるようになったようだが、USB電源に対して全く考慮されていないということ。

 今時、世界中のどこの空港に行っても、その国の電源供給コンセントに加えて、USB電源口を備えているところが多い。
 何故なら、世界中で電源コンセント規格がバラバラであるが、USBは基本的に世界統一規格であるからである。

上海虹橋空港の電源とUSB給電口

 しかも、たいていの観光客はノートパソコンを持ち歩いていなくとも、スマートフォンは持ち歩いており、その電源としては通常電源よりUSB給電口が便利なのである。
 もちろん観光客に変換プラグを買わせれば、AC電源からも充電は可能なのだが、短期間しか滞在しない外国人観光客にわざわざ変換プラグを買わせるような対応はかなり不親切であろうに思う。

 まさか電源設置費用を変換プラグ販売の利益で回収しようなどという魂胆でもあるまい。
 つまりこれらの私鉄の車両はインバウンド向けの対応と言いながら、車両開発者は世界の現状に目が行き届いておらず、日本の常識だけで設計してしまったようである。

 いや、外国人だけでなく、日本にだってとっくにスマートフォンが浸透していることを考えればUSB電源対応は視野に入ってしかるべきで、結局は日本人が使用する視点(持参のACプラグを使用する)でしか準備されておらず、外国人の視点に立てず井の中の蛙状態の発想で設計されたものと言われても仕方ないだろう。

 古くから存在する施設が改良されないのは仕方がないことではあるが、わざわざインバンド対応を謳って新たに準備したのに、視野が狭いおかげで中途半端になってしまったのはとても残念に思う。


 

不適切SNS投稿事件はアルバイト頼みビジネスの必然

 日本でアルバイト店員の不適切な画像などのSNSへの投稿によって、企業幹部が謝罪を迫られるという事態が相次いでいる。
 企業側では民事訴訟など、法的措置を辞さない姿勢を示しているが、それはそれでどうなのだろうかという気がしている。

もちろん再発抑止という意味では、損害賠償の請求は意味があるのかもしれないが、これらの不適切投稿は、企業側の教育不足によるところの責任も大きいのではないかと思われるからである。

 そもそも、例えば旧来の寿司店であれば、職人に育て上げるまで10年程度かかると言われ、その間には寿司の握り方などの技術のほかに、社会人としての振る舞い方や世の中の仕組みなど、人間性の教育も親方から指導を受け、それらを経て一人前の寿司職人としてデビューするのである。

それに対して大手すしチェーンなどでは安価なアルバイトに頼るというビジネススタイルを選択している。

調理など大方の作業を機械化して、接客やネタ乗せなどごく簡単な部分な作業だけを人間が担うだけで料理を提供できるシステムとなっている。
これらのなかで、人間が任される作業はほんのわずかだけで、そこに客の目を感じる瞬間もなければ、自分がお客の満足度の重要な部分を担っているという意識も得難い。
 そんな役割しか担わされず、賃金も安い人間に、企業全体のイメージの一部を担っているという意識を持たせるのはとても無理なのである。

 そんな責任感の希薄なアルバイトたちが、お客に提供しない食材を使って遊んでSNSに投稿したところで、企業全体のイメージダウンまで発想が及ばないのは無理もないという気がする。

 またコンビニとて、販売員はマニュアル上の業務をこなしているだけで、社員教育と言えば、販売や品出しの研修を数日間実施しただけで、業務がスタートしてしまう。
 その短期間の間では、社会人としての自覚など教育されようもない。

 これが普通の大手企業の社員であれば、大よそ1年くらいは指導員がついて、きっちりと業務及び社員としての振る舞い方などを教わる時間が与えられるし、一人前の社会人として成長するまで育ててくれるのが普通である。

 このような状況を考えると、一連の不正投稿事件は、流動性の高くて責任意識の低いアルバイト頼みのビジネス戦略の悪い面が出たとも言え、企業としてはある意味自業自得な面もあると言える。
 在野の教育が行き届いていない人材を性善説でアルバイトとして使い、コストを抑えてきた長年の日本のビジネススタイルが、どうやら綻びてきたのが一連の騒動だという気がするのである。

写真はイメージ