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戦場のメリークリスマス

映画監督の大島渚さん訃報を受け、恥ずかしながらこの「戦場のメリークリスマス」をこの歳になって初めて見た。(中国語字幕だが)

大島渚監督

大島渚監督(引用元

 坂本龍一さんが担当した音楽は何度となく耳にしていたが映像そのものは初めてだった。

 この映画の公開が1983年だというから私はまだ小学生くらいの時で、内容からすればまあ当時見ても理解できなかっただろうと思うので、この歳で初めて見るのは正解だったかも知れない。

 この映画には色んな愛の形が描かれている。

 ストーリーの中心となっているのは戦地における兵隊さんたち同士の同性愛を巡る嫉妬や葛藤ではあるが、そんなにどろどろした内容とはなっておらず、寧ろみなそれぞれが純粋でさっぱりしている。

 そしてそれを見つめるタケシ演じる原軍曹の存在感が秀逸であった。

 一見かなりいい加減そうでふざけた人間に見える彼の役柄は、きとんと人間の生と死を見つめ、人の人としての尊厳を大事にし誰もを平等に扱っており、武士道の根幹とも言うべき人生観を内に秘め、達観した悟りのような状態で任務を遂行していた。

 人間の姿をした菩薩如来そのもである。

 それを演じたタケシ、本人は演技はまるで駄目だったと言っているようだが、人間としての経験の深さが滲み出た彼そのものの人間性が見せた業であろう。

 そんな彼が生き残った友人にかけるラストの

メリークリスマス、ミスターローレンス

 のセリフはとても意味が深く、この映画を名画たらしめるいいラストシーンであるように思える。

 その後北野武さんはご存じのように映画監督の道を歩んでいくのだが、大島渚監督のこの作品に出演したことの影響が大きかったというのは、やはり言わずもがなである。

 大島渚監督のご冥福をお祈りします。素晴らしい映画をありがとう。

マッチ売りの少女

 格差社会の大きな中国では、今も地下鉄の車内や街中に物乞いが良くうろついている。
 物乞いについては、悲壮さを装って物乞いをする組織もあると聴き、「商売なんだ」と感じるとまず施しを与える気にはなれない。
 そうではなくても公的な募金は行っても、街中にいる物乞いにお金を上げることはまずない。

 
 そんな時思い出すのはマッチ売りの少女の話である。

 子供の時は可愛そうな話だ、どうして誰も助けてやらないんだと主人公の少女を憐れんだが、実際大人になってみると似たような境遇の少女を見ても、そこまで憐れみを感じない自分がいる。

 時々なんだか矛盾する自分がいることにも気が付くが、やはり施しを与えることはほとんどないように思う。

 もちろん1角1元なら与えられないこともないが、自分自身だってそんなに施しを与えるほど余裕がないというか、逆に自分自身から施しを与えるということが偉そうな態度をとっているような気がして、嫌な気分になりそうだからである。

 もちろん困っている人は助けてあげたいが、どうもただ物を請う人に対しては心にブレーキがかかる。

写真はイメージ

写真はイメージ

 歌を歌ったり、何らかのパフォーマンスで稼ごうとしている人に対しては多少出してもいいかなと思うが、そうでない場合はやはり基本的に出せない。

 やはり物乞いは社会や行政がきちんとすべきで、街に出てくる個人に施しを与えるのはやはり何か違うかなと思っている。

 じゃあ、実際にマッチを売っている少女に出会ったらどうするか?

 きっと買わないとは思うが、、、ちょっと悩む。

 間もなくクリスマス。。。

都市化が生む中国の長寿

 クリスマスというのは言うまでもなくキリストの誕生日ということになっているが、まあ現代ではそんな宗教的な意味合いを忘れて単に季節イベントになっている場合が多いような気がする。

 誕生日と言えば、先々月だったか中国の長寿都市ランキングという記事を目にした記憶がある。

 それによれば長寿都市はたしか1位香港、2位北京、3位上海、4位青島、5位大連のようだった気がしており、大都市が軒並み上位を占め、しかも外国人が多い都市が並んでいる。
 具体的には香港が80歳以上と頭抜けており、それ以外は70歳前後、TOP10より下は60歳台前半まで落ちてしまい、かなり差があったと記憶している。

写真はイメージ

写真はイメージ

 これらを見て各上位都市に特有の長寿法があるんだと述べる者もいるが、この上位都市の共通点を考えればそれは明らかに根拠を得ていない間違いであることが分かる。

 これらの都市の共通点は、大都市であり外国人が多く外国人のための高度な西洋医学の医療設備、医療体制が整っていて、その派生で高度な医療環境が集まっている場所と言える。

 まあ具体的な数字データなどは持ち合わせていないため、あくまでも推測の範囲でしかないが、病院の衛生水準や医薬品基準などが駐在する外国人の要求によって引き上げられれば、自ずと市中の一般病院にもその影響が波及していくのも明らかであろう。

 また市民レベルの医療知識も同様に普及が行われれば、レストランなどの衛生改善が行われ、健康を阻害する要因が取り除かれるであろうことは想像に難くなく、外国の影響を受ない地方都市より衛生状況が遥かに良くなるのは当然のことなのである。
 こういった点が長寿上位都市とそうでない都市を分ける要因となっていると推測できる。

 また都市化は高齢者が自立した生活を送れるという社会的生活環境要因も作りだし、それが長寿化をもたらしているとも言える。

 例えば都市化による核家族化というのは、若者世代だけではなく高齢者世帯にも同様のことが言えるわけで、子供世代が独立した後の高齢者は子供に依存することなく生活をする必要があり、その自立した生活が高齢者の生活意識を保ち長寿をもたらしていると推測できるのである。

 もちろん、それを支える都市的環境、例えば定期的な健康診断体制だったり、地下鉄やバスなどの便利な公共交通網、さらには日用品のデリバリサービスなどが高齢者でも自立した生活ができる環境があって初めての自立であり、やはりこれらは都市化が生んだ賜物でしかなく地方都市ではなかなか全てが成立することは難しく、高齢者の自立は容易でない。

 無論、高齢者世帯の自立は長寿化と同時に孤独死などの表裏一体の社会問題ももたらす可能性があるわけで、長寿ばかりを喜んではいられない面はある。

 いずれにしろ、同じ国の中で上記のようにTOP5の都市とそれ以外の都市の平均寿命の差が10歳近くもあることは、長寿と都市環境の関係を考える上で非常に分かりやすい状況にあり、是非詳しい研究分析が待たれるところである。
 

クリスマスBGMアルバムを作ってみた

人からクリスマスイベント用のBGMが欲しいと言われ、パソコンの中にあるそれっぽい曲をかき集めてクリスマスアルバムを作ってみた。

 最初は伝統的なスタンダード曲のオケ演奏版を集めてみたが、ある意味ちょっと単調になりすぎてしまった。

 そこで洋楽の有名な曲、例えばジョンレノンとかワムとかを混ぜた。

 さらにクリスマスとは関係ないが、セリーヌディオンホイットニーとか歌声が綺麗な歌手の曲をいれてみると、かなり雰囲気は出る。

写真はイメージ

写真はイメージ

 まあこれだけでもずいぶんクリスマスっぽくなったのだが、BGMとしてリピートするには少し尺が足りず、渋さも欲しいなと、シナトラのホワイトクリスマス、さらにプレスリーダニエルクラールと、「ホワイトクリスマス」を連発してみた。

 不思議なことに同じ、「ホワイトクリスマス」の曲なのに歌手が違うと全く違う曲に聞こえ、連続で聴いても苦にならない。さすが力量のある歌手は違う。

 そして透明感のあるケルト系の音楽としてエンヤケルティックウーマン、挙句の果てに「冬のソナタ」や「北の国から」なんかも混ぜ込んでみた。
 結局トータル2時間分にもなった。

 まあ節操のないクリスマスソング集になってしまった感はあるものの、BGMというのはじっくり音楽を聴くために流すわけではないので、雰囲気を作れて単調にならないという面ではある意味成功した感がある。

 実は今回このBGMを使ったイベントは自分も参加したので、自分も一緒になって昨日このBGMの中で食事をした。まあ案の定、みんな大して聴いていないがトイレとか静かなところではよく聞こえる。

 まあBGMとはこんなもんだろうと思っていった。

 ところが、なんと途中でお店のシェフがこのCDを欲しいと言ってきた。
 選曲がいいといってくれたのである。

 おおっ!

 寄せ集めに過ぎないCDだが、評価されてしまうとこちらも気分がいい。

 そんな好評価に気をよくした私はほろ酔い気分も手伝って、なんとそのCDを気前よくプレゼントしてしまった。

 まあ音楽のデータはあるので複製は幾らでもできるし、出費はディスク代くらいなものなので大したプレゼントじゃないのだが、喜んでもらえたことが嬉しいのである。

 昔取った杵柄もどこかで役に立つものである。

 でもそのCD、次のクリスマスまで使えませんからね(笑)

『もろびとこぞりて』っていまどき凄いネーミングだ

『もろびとこぞりて』はお馴染みのクリスマスソングでほぼ誰の耳にも馴染んでいると思うが、振り返ってこのタイトルを考えると凄く古めかしいネーミングであることに気が付く。

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 いまどき「諸人(もろびと)」なんて誰も口語調では使わないし、漢字で書かなければ意味だって理解しない場合がある。

 また「こぞりて(挙ぞりて)」だってほぼ同レベルで、まあ古文を少し勉強している人なら理解できるかもしれないが、やはりこんな言葉は日常には使わない。

 二つ合わせて「みんな揃って」って意味になるのだがこのタイトルの意味を理解してこのメロディや歌詞を口ずさんでいる人はどれほどいるのだろうか。

 そんな今や化石と化してしまったような日本語で構成されているタイトルだが、今でも堂々と「もろびとこぞりて」のタイトルが市民権を得て、クリスマスの定番ソングとして通用しているのは非常に不思議である。

 ウィキペディアによればこのタイトルは1923年に讃美歌を翻訳したときにつけられたタイトルのようだが、当時ならともかく現在は言葉としてはまず意味が通じず、もはや言葉の意味を離れた固有名詞として化してしまっている。

 歌詞もちょっと古めかしく、意味を理解するのに辞書が必要なほど古びている気がする。

 まあ今のところ全く通じないわけではないので、このタイトルを替えようとか歌詞を替えようという話は出てきていないようだが、同じ日本語の歌詞なのにこれほど時代の隔たりを感じる歌も珍しい。

 ただそれは逆にこの曲がそれだけ長く愛され続けている証拠でもあり、そんな何世代にも渡るような長い年月の季節の定番となっている曲が他にあるだろうかと考えてしまう。

 ちょっと考えてみたが今のところそんな曲が思い浮かばないのである。

 そんな『もろびとこぞりて』であるが中国ではこんな季節を演出するBGMを耳にする機会が日本に比べ少ないのがちょっと寂しい。