Category Archives: クラシック音楽

上海でエンタメチケット情報は意外と探しにくい

最近、上海でコンサートに行くようになって、上海は意外と情報が探しにくいというか、見えないところに埋もれていることが多いなということに気が付いた。

どういうことかというと、いわゆるチケットエージェントが乱立しているため、一か所ではチケット情報が網羅できないのである。
故に希望のコンサートを探すためには、多くのチケットサイトを開いて探す必要がある。

もし初めから見たいイベントが分かっていれば探すだけなので、それほど苦労はしないのだが、「何かいいのないかな」的にチェックするには、ちょっと不便な状況が存在する。

例えば、上海交響楽団音楽庁というホールがあるがここは主に同ホール主催の演奏会が開催され、チケット販売も同ホールのサイトで購入できる。
ただし、このホールのサイトで購入できるのは、このホールの主催公演のみである。

しかし、このホールは、時折貸しホールとして機能することがあり、この貸しホール状況の場合は、ホールのサイトにこの情報が一切表示されない。
実はこの8月14日に、日中友好40周年記念コンサートとして東京交響楽団の演奏会があったが、ホールのサイトには一切記載がなく、貸しホール稼働であることも一切表示がなかった。
結局、ほかのチケットエージェントを覗いていた際に偶然見つけたのだが、ホールサイトだけ覗いていたのでは見つけられなかった情報である。

このようなことは他のホールでも存在し、東方芸術中心などで日本人のアマチュアの合唱コンサートが行われるのに、ホールにサイトのイベントカレンダーには一切記載がなかった。

このあたり、日本のサントリーホールなどであれば貸し切り公演であっても、公演カレンダーにはその旨は記載されており、丁寧に主催者の連絡先まで記載されているが、中国の場合はそういった配慮は一切ないようである。

故にホール側のイベントカレンダーを除いただけでは、そのホールの全公演情報を把握できないのが現状である。

ではどうするか?

残念ながら今のところこれを完全に解決する決定的な手段は存在しない。
そもそもチケットエージェント自体が薄利多売な稼業なので、利益にならない他のエージェント扱いでのチケット情報などを扱う余裕がないのである。

さらに次から次へと新しい情報が出てきて、情報としての賞味期間が短いのでこの手の情報はマメに情報をチェックする利用者側のエンタメ欲求があって初めて成り立つ。

つまり情報を積極的に探したいという欲求を持たなければ、なかなか価値のある情報にはたどり着けないのが本質で、イベントを探すには一生懸命探すしかないのが現実のようである。

ちなみに私がいつもチェックするのはこのあたりのサイト
◇ホールサイト
上海交響楽団音楽庁
上海東方芸術中心
上海大劇院
◇プレイガイド
・票牛
http://www.piaoniu.com/
・摩天輪
https://www.moretickets.com/

◇日本語情報
・WheneverOnline(フリーペーパーが発信する情報)
http://new.whenever-online.com/category/sh_ticket

・City Calendar(カレンダー形式のイベント情報)
http://city-calendar.net/

参考にしていただければ幸いです。


チェリビダッケのブルックナー7番のライブ映像

最近YOUTUBEを覗いていると、時々懐かしい映像に出くわす。
 その一つが、チェリビダッケが1990年に手兵のミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団を率いて、東京赤坂のサントリーホールで行った演奏会の映像で、非常に懐かしさを覚えた。

 忘れもしない1990年10月18日の夜で曲目はブルックナー作曲の交響曲の第7番である。

 何故懐かしいかというと、実は当日会場に足を運んでおり、この演奏を会場にて生で聴いていたからである。

 ただ、今でこそブルックナー好きを自認していて、この組み合わせと曲目であれば垂涎の内容であり、金がなくても借金しても行くかもしれないほど惹かれるのだが、実は当時はブルックナーの音楽というものを私は丸で知らなかった。

 もちろん知識としてブルックナーという作曲家がいることは知っていたが、作品を聴くことはほぼ初体験だった。

 そんなブルックナー初心者の私が、ファンからすれば超プラチナのチェリビダッケの演奏会に何故行ったかといえば、母親の知り合い経由で幸運にもチケットが回ってきたからである。

 協賛企業向けのチケットのようで、当然S席であり、前から15列目くらい超良い席だった!

 いまなら考えるだけでも気絶しそうなほど、すごい体験だったのである。

 しかし、上述のように当時の私は残念なほどのブルックナー初心者であった。

 というか生のオーケストラ演奏会でさえ、通算片手で足りる程度のビギナー聴衆であり、海外オーケストラも当然初体験だった。

 故に、これだけのプラチナ演奏会でありながら、当時の自分にはその価値を味わい切ることができなかったのである。

 居眠りこそしなかったが、ブルックナーの長くゆるやかな曲は非常に長く感じられ、自分の中でどう受け止めて良いかわからなかったのである。
 もちろん、音色は非常に美しく、音も非常に分厚く柔かったことは非常に印象に残っているが、いかんせんブルックナーやチェリビダッケ音楽性を理解するには当時の自分は未熟すぎたのである。

 今思えば非常に勿体無い体験だったのである。

 しかし、この時の縁というか体験が、その後の音楽鑑賞行動に大きな影響を与えてくれることになる。

 チェリビダッケの音楽の凄さの価値を認識してのめり込むようになったのは、NHKの特番か何かがきっかけだと思うが、禅を通じて音楽を語るチェリビダッケ氏の言葉に強く惹かれていくことになる。

 そしてブルックナーとチェリビダッケの偉大さを知った後、改めて当時の映像を確かめてみると、鳥肌が立つほど素晴らしい出来栄えだったということが分かった。

 改めて当時の自分がこの演奏を理解しきれなかったことを悔やむと同時に、結局はあの日があったからこそその後に感化された今の自分があったのかなと思うと、人生の出会いの不思議を感じるこの映像なのである。
 

クラシックな香り漂う上海音楽庁(上海コンサートホール)

 

上海音楽庁の外観

数か月前になるが上海に来て10年を超えてようやく初めて上海音楽庁(上海コンサートホール)を訪れることができた。
 上海音楽庁は、上海市の中心部の人民広場の南側、延安高架路と淮海路に挟まれた緑地帯に建っている。
 外観は西洋建築を思わせる石造りで、まさに20世紀初頭の上海を思わせる上海クラシック建築の一つとなっている。

 建物全体が盛り土的にかさ上げされ、北側の急な階段を上った階段を上って中に入る構造となっている。

 入り口を入ると、ホテルを思わすような吹き抜けロビーの正面に大きな階段が設置され、二階へと続いている。

その1階ロビーの端っこでは、現在X線検査機によるセキュリティチェックが行われており、爆発物の持ち込みなどがチェックされている。
 吹き抜けの天井の装飾は、比較的シンプルな装飾ではあるが、気品があるつくりとなっていて、ここが当時の上海の上流階級たちの空間であったことを彷彿されるような雰囲気である。

上海音楽庁のロビー天井

 一階の左側は単なる通路だが、右側にはクロークを兼ねたホワイエ(待合ロビー)があり、ガラス扉で外側と仕切られているのでとても明るい。

上海音楽庁のホワイエ

 この吹き抜けの2階に上がった吹き抜け周囲にはこのホール登場する(した?)アーティストたちと思われる録音の配信音源のリスニングスペースがあった。
 今時はこのように演奏会場でもチケット販売促進のためなのか演奏家のプレゼンが行われるようだ。

上海音楽庁のリスニングブース

  そして1階にホワイエスペースがあった部分の真上の同じ位置の2階にはカフェバーを兼ねたホワイエとなっていた。
 日本のサントリーホールでは、ここでワインが飲めるのだが。この時は午前中だったため、まだ営業していなかった様である。

上海音楽庁のバーカウンター


さて、今回の席は一階席を確保してあったが、二階席からさきにちょっと覗いてみた。

上海音楽庁の2階席

 このホールは舞台がプロセニアム方式、客席は二層式の、平面図的には楕円形に近い形をした大学の講堂のような形式のホール。
 二階席の傾斜はやや急な印象を受けたが、その割には必ずしもステージ上をに完全に見切れるほどうまく在籍が配置されているわけではないようである。

 今回のコンサートはラジオ放送用の演奏となるため、収録のために録音エンジニアのブースが設置され、調整が行われていたようである。

 で、今度は1階席に下りてみると、後部の方の座席は2階席の被りが深く、天井が低く、音響的な影響を完全に無視したというか、配慮されていない印象である。

上海音楽庁の一階席

空間全体としてもかなりデッドな印象で、残響がきれいに響く空間にはなっておらず、日本にかつて乱立した〇〇市民会館のレベルの音響空間である。

ただこのように音響的には不満は残るものの、客席の椅子は気品がある装飾でさらにこの会場を訪れる聴衆も気品のあるお年を召した方が多く、この空間が古くからの音楽ファンに支えられてれてきたことろうことを感じるものとなっている。

上海音楽庁の客席椅子

ところで、1階席の最後部の壁には、立ち席でも音楽が聴けるように簡易の腰掛的なベンチが設置してあった。

上海音楽庁の簡易ベンチ

恐らく本来は遅れて入場してきた聴衆が、演奏中に席へ移動するとほかの聴衆に迷惑になるため、楽章間になるまで一時待機する場所として設置されたものだと思うが、このホールではこのスペースまでお金をとって販売していた。

演劇でならばこの処置もわからないではないが、静寂を優先するクラッシックなどではこのスペースは販売するべきじゃないだろうと思うのだが、このスペースまで売り出すのは商魂たくましい中国的やり方ということになるだろうか?
このような、一見西洋的でありながら中国的な面も時々垣間見える上海音楽庁である。

 まぁ個人的には音の響きが好みではないので、優先的に訪れたい空間ではないという感想だが、音楽好きの一つの拠点として、今後も長く愛されることを祈っている。

上海音楽庁のステージ