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上海は東京より気圧が低いようだ

 天気予報を見ると、どうやらまた台風が上海に向かってきている。

 ここ一か月ほどで3~4個の台風がやってきており、ほぼ毎週のように台風の進路に気を配る状況が続いている。
 また台風の接近により、気圧も下がってきているようで、私の体調も何となく下降気味でテンションが上がらない。

 気になって中国の気象サイトをチェックすると、既に1000hPaを切っており、900hPa台になっているようだった。
 予想通りの低気圧状態である。

 ところで、これらの気象情報をみていて気付いたのだが、上海の過去1週間の気圧はずっと1000hPa前後を推移しており、最も高い時でも1005hPa程度で、1010hPaには届かない状況となっている。

 はて、これは低いなと思い東京の状態を調べてみると、時折1010hPaを切るときもあるが、概ね1010hPaを超える状況だった。

 ただこれは台風の影響などを含んだ短期のデータの比較なので、これを持って何かを判断することはできないと思い、さらにデータを調べてみた。
 そうすると、東京の気圧は夏場こそ月の平均気圧が1010hPaを割り込むが、総じて1010hPaを超えており、過去30年の海抜換算の年間平均気圧は1013hPaとなっていた。
 これに対して上海は、、、実は中国は、気圧のデータ自体が得にくく、気温や湿度が精いっぱいで、気圧データは探すのに苦労した。
 それでも、何とか見つけたデータによると、海抜気圧ではなく地上気圧のデータだが上海の平均気圧が1005hPa程度であることが分かった。
(上海の高度は海抜4.2mなので影響は少ないと判断する)

 つまり、東京より年間平均7~8hPaほど低いようなのである。

 たかが7~8hPaではあるが、されど気圧が低いのは事実であり気圧が低いと体調に影響する人にとっては見逃せない差である。
 まぁ医学的には低気圧による頭痛の発症などは証明されていないようだが、影響を感じている人は世の中に少なからずおり、一応頭に入れておいてもよい情報だと思われる。

 ちなみに中国の都市は、内陸部に行くほど海抜高度の高い都市が多く、例えば有名な西安などは海抜約400mで、地上平均気圧が959hPaとデータにはあったので、中くらいの台風並みの気圧の低さということになる。
 気圧の低さは高度によるものなので気圧が台風並みだからといって、暴風に悩まされることはないが、低気圧に弱い方が旅行に行かれる場合は一応注意されたほうが良いであろう。
 健康を左右する隠れた因子の気圧にはちょっと気を付けたい。


中国は天気図を使わない?

 中国で暮らしていると、当然のごとく日々の天気が気になるわけで、毎日天気予報の最高気温や最低気温を気にしながらその日の服装を決めたりしている。
 この点は、日本と何ら変わらない。

 ただ、日本とちょっと違うのは中国の天気予報は天気図というものをほとんど使わないようなのである。

 日本のテレビなどの天気予報だと、たいていは各地の天気予報を案内する前に、必ず天気概況的な説明が入り、天気図を使って説明がある。

 気圧の状況を等圧線で記した風紋のようなあれである。

 この天気図は、正式には地上天気図と言われ、このほか温度だけが書き込まれた温度図とかも広義には天気図に含まれるが、一般的には天気図といえば日本で使われるような地上天気図を指す。

 しかし、中国の天気予報ではほとんど日本のような天気図は使わない。
その代わりに、中国全体の風向きと雨雲レーダーのような地図は多用される。

 要するに、中国では気温と天気(雨や晴れ)、それと風向きが分かればそれでいいということらしい。

中国の天気通アプリの画面

 確かによく考えてみれば気圧というのは、平地など地上で生活している分にはあまり必要のない情報かもしれない。

 日本の天気予報で天気図が多用されるのは、海洋に面する地理的特性から漁業など海洋関係者の需要が非常に大きく、気圧の配置によって生死にかかわるほど影響を受けてしまう人が多いということかもしれない。

 そのため日本ではNHKのラジオ第2で毎日定時(16時)に気象通報が流され、これをもとに漁業関係者や登山家は天気図を作成したりするのであり、私も昔やったことがある。
 ただまあ最近ではインターネットでなどでより詳しい情報が得られるので、気象通報の需要は減っていて、1日の放送回数も昔よりは減っているようだ。

 とはいえ、等圧線の書かれた天気図はやはり日本付近の気象状況を把握するには必須であり、特に海洋上を仕事にする人たちにとってはなくてはならないものとなっている。

 これに対して、中国で天気図がほとんど使われないというのは、陸地が大半を占める生活領域・行動領域において、地形の影響のほうが大きいので気圧の変化というものはほとんど意味を持たないのであろう。
 広い海洋では気圧図は意味を持つが、内陸では地形の影響がかなり大きく等圧線で全体を見るということに意味が少ないのだと思われる。

 もちろん、おそらく軍事的領域や気象台のような観測機関の内部では天気図は作成されている可能性は高いと思うが、それが一般市民に伝えられることはほとんどなく、日常生活では天気と気温と湿度、風の情報くらいで事足りてしまうといった印象である。

 ゆえに、中国でテレビやインターネットを見ていても等圧線の記された天気予報の場面は少なく、天気と気温予報だけが示されることがほとんどとなっている。
 それゆえなのか、以前も書いた通り中国の天気予報は日本のそれに比べ、まだ確度が低く微妙な予報に振り回される時も少なくないのである。

上海の建物同士の間隔が狭い理由

上海の街を歩いてみるとすぐわかることだが、マンション同士の間隔というか距離感がもの凄く近く、狭い間隔で建てられていることに気が付く。

日本だと建築基準法か何かで、建物の高さに比例して、建物の同士の距離が定められているので、こういった極端に近接した建物はまず住居用では見られない。

しかし上海では結構密集して建物が建てられている。

上海の住宅密集地域

もちろん狭い敷地に沢山建物を詰め込めば、敷地面積に対して多く部屋を設置できるので開発業者が儲かるということはあるが、日本の場合は建築基準法がそれを許さないように定められているため、こういった密集した建設にはなりえない。

まあこの点で中国の建築基準法が未整備だと言ってしまえばそれまでだが、どうも社会そのものにそれを求める要求がないということが法律にも反映されないというのも理由にあるような気がする。

そもそも建築基準法が建物の間隔や高さを定める理由というのは、日照権の問題にある。

日照権とは言わずもがな「陽の当たる権利」で、1日の内に最低3時間程度は陽が当たるように周囲の建物に配慮しなければならないといった基準になっているものである。

つまり日本では陽の当たることに価値があるのであって、それが住宅所有者には確保されるべき最低限の権利だという価値観が根底に有る。

その点、実は中国というか、まあとりあえず上海ではそこが違うのでは無いかという気がする。
(他のエリアはそこまでチェックしてないのでとりあえず上海限定で)

例えば、上海は東京に比べ緯度で5度南にあり、真夏の太陽の位置は東京より高い位置に来るため、日差しはより真上に近い角度から下りて来る。

更に、夏の気温が高いため、日が当たることとは望まず逆に涼むために寧ろ日よけを望んでいる部分があり、日照権などという権利発想には思いもよらないのではないかという気もする。

冬も、上海の場合は関東のようにきれいに晴れが続くということが少ないため、日照によって暖を取るという発想がなく、以前「上海人はあまり脱がない」で書いた通り、服を着込むことと、熱い食を摂ることで暖を取っている。

故に住宅において太陽光を受けて熱を取り入れることはそれほど熱心になっていない。

つまり太陽光の存在にあまり価値をおかず、建物の間隔が狭くても気にならないので、建物を密に建てているのでは無いかという気がするのである。

実は以前に台湾に行った際にも、やはりマンションが詰められて建てられている光景を目の当たりにした。

台北の密集したマンション群

台湾は上海よりさらに緯度が南に位置するためほぼ真上の位置から太陽光が差し込む。
台湾島のちょうど中央部を北回帰線が通るため、台南・台中付近は夏至の時期は完全に真上になる。
それ故か台北の建物の間隔は上海以上に狭かったのである。

台湾くらいの緯度になると、冬でもさほど寒くないので、もはや冬場の暖を太陽光に求める需要すらないと考えられる。

さらに緯度的に南となる香港も同様に建築間隔が密であった記憶があり、日照権は住宅にとって必須ではないのだろうと思う。

香港のマンション群

故に、これらの地域では、日照権は基本的に求められず、かなり建物が密に建てられていると考えられるのである。

こういう点から考えていくと、緯度が北寄りで冬場の暖を太陽光から取る必要性のある日本、特に関東や関西程度の緯度の地域では日照権の問題が発生するが、緯度が南の暖かい地域では日照権はほとんど問題にならない整理になる。

実際、日本でも沖縄では日照権はほとんど問題になっていないが、逆に札幌など寒い地域ほど、日照権は深刻な社会問題になっているのが実態のようだ。

よって、最初の命題に戻るが、上海で建物の間隔が狭いのは日照権をほとんど必要としていないからだと考えられるのである。

ただ、一つ補足すると、上海ではこのように日照権の問題は発生しないが、眺望の問題は不動産の価値に大きく影響するようで、低所得者のマンションほど密で、高所得者向けの新しいマンションは眺望を意識して疎に建てられており、日照権以外の問題で建物の間隔が離れつつあるのが、トレンドのようである。