クリスマスに考える「冬至が元日ではないのは何故か」

何故、冬至元日(1月1日)ではないのか?

実はこれは結構難解な命題である。

我々は当たり前のように元旦と冬至が一致しないカレンダーで日常を過ごしているので気が付かないが、冬至が何故「元日」つまり1月1日ではないのかを考えると不思議なのである。

 本来は1年の暦を区切るのに冬至ほどはっきりした天文学上の基準のあるタイミングはないはずである。
 それに比べて、今の1月1日が今のタイミングになったのかについては、天文学的配置の基準というかとても根拠に乏しい。

冬至のイメージ

冬至のイメージ

 例えば古代中国においては1年の区切りは、冬至だとされていた時期もあり。暦の定め方はいろいろあれど、1年の区切りは冬至だったようである。

 その後、暦の定義の変遷があって太陰太陽暦を採用する際にもやはり基準となったのは冬至であり、冬至が1年を区切るのに大事な要素だったことには変わらなかった。

 ただ基準ではあるものの、中国の太陰太陽暦上では冬至は毎年11月に置くとされ、「正月」となった春節は冬至の翌々月の二十四節気の「雨水」を含む月とされた。

 冬至は黄経(天体上の太陽の経路)が270度、雨水は330度であるから、太陰太陽暦上の暦月は、黄道(天空上の太陽の通り道)季節が冬至から黄経基準で60度進んだ地点を含む朔望月(月の満ち欠けの新月→満月→新月の1サイクル)を第1月(正月)とし、その月の初日が春節と定められたのである。

 何故冬至が1年の区切りとして定められなかったかを考えると、以前も書いたようにまずは汐の満ち引きが生活に与える要素として大きいことから太陰太陽暦が採用された経緯から見て、農業のサイクルのスタートして春が1年の区切りという認識になったのだろう。

 その太陰太陽暦1月の基準となる二十四節気の雨水というのは、空から降るものが雪から雨に変わり、雪が溶け始めるころとされ、農業が動き始める時期と認識される頃なのである。
(実際には雨水は大雪が多い時期であるが季節の転機にはなっている)
 よって暦上の区切り方としては使われていないように見えるが、基準は結局冬至なのである。

 これに対して、今のグレゴリオ暦における1月1日は、冬至に依らない。
 依らないというか、毎年冬至の日付は変わってしまう。
 今年2020年は12月21日だったが昨年2019年は22日だった。
 つまり冬至は1月1日に対して一定の関係性を持ってない事がわかる。

 では何の根拠を持ってグレゴリオ暦上では黄道上のある1日が1月1日として固定されることになったのだろう?
 
 この 1月1日の根拠には諸説あって、キリストが誕生(クリスマス)から生誕8日目の割礼を受けた日、つまり名前を付けられてようやく世に出た日が今の1月1日の位置という説がある。

 しかし実際には現在行われているクリスマスは単なる生誕祭でイエス・キリストの実際の誕生日ではないとされることから話はややこしい。
 そもそも何故、今のクリスマス(生誕祭)が12月25日に決まったのかと言えば、西暦325年の第1ニカイア公会議の時点で冬至だったから決まったと言われている。

 但し、この12月25日が冬至という設定は、ユリウス暦上で固定された日付だったようで、この時期の実際の天文学上の冬至は既に12月21日頃であり、キリスト教上の復活祭を決める基準となる春分の日のずれから言えば、冬至も同様にずれていたようだ。

となるとその時点での暦では現在のグレゴリオ暦上の日付と当時の天文学上の冬至がずれていたことになる。

ユリウス暦がスタートしたのが紀元前45年であるから、その当時は12月25日が天文学上の冬至であったと推測され、クリスマス(誕生祭)が決定されるまでの370年くらいの間に3~4日ずれてしまったのだろう。
 ユリウス暦は太陽周期に対して、128年で約1日の狂いが生じることからおおよそ辻褄が合う。

  そしてユリウス暦の不正確さから16世紀末には、10日もずれたことから改暦の必要が生まれより正確なグレゴリ暦が1582年採用された。
 ここで、恐らくクリスマスは12月25日に固定されたまま現在に至っているのだろうと推測される。
 しかし、天文学的冬至とクリスマス、或いは1月1日との関係まではリセットされなかったようだ。

 グレゴリオ暦採用に際して10日の暦のカットはあったが、1月1日はユリウス暦当初の位置までしか補正されなかったようである。

 ただまあ、こうするとクリスマスと冬至の関係は説明がつく。

 しかしやはり残るのは1月1日とユリウス暦開始当時の冬至とのズレの7日間ほどである。
 上記の理屈から言えば、ユリウス暦当初の冬至は12月25日頃であり、結局1月1日を決めた基準は分からないことになる。 
 恐らくそれ以前の暦は1年が355日だったりとかなり精度の低いものだったようだから。冬至を基準に一年を回していたものの、不正確さからずれが生じ、そのずれが生じた状態をユリウス暦が暦を引きついでしまったというのが実態ではないかと推測する。

 結局答えがでなかったこの命題だが、2000年以上前に生まれてしまったズレが今も解消されず引き継がれているのが現状なのである。





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