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中国人の世界遺産に対する勘違い

 まあこれは中国に限ったことではなく、日本でもその傾向があるのだが、世界の中でも特に中国では「世界遺産認定」を観光地価値のための単なるランク付けと認識している人がかなり多いという気がする。

 しかし、ユネスコによる世界遺産認定と言うのは、本来は建物などを人類の普遍価値の遺産として後世に残していきましょうという、その「遺産価値の保護」にこそ趣旨があるのだが、現在各地で申請が行われている動機を見ると、どう見ても観光開発のための世界的お墨付きが欲しくて申請している地域がほとんどのような気がする。

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 もちろん、世界遺産=観光地となるのが世の中の常なので、観光地としてお墨付きがつくのは必ずしも悪い事ではないのだが、中国の場合は特に経済的モノサシが最優先で世界遺産を求めているような印象である。

 このような中国人達にこの勘違いを起こさせている理由の一つが、中国の国家の定める旅遊景区認定いわゆるリゾートランク制度であると思われる。

 これは観光スポットごとにAAAAA級(5A級)などのランクを与えて評価する制度で、まあこの基準はどちらかと言うと最初から観光地の経済的価値の正当評価をランク付けするために作られた制度の様であり、そのランクを利用して観光PRをしたり経済的PRを行なうものとしては間違った制度ではない。

 さらにホテルの星級ランク同様に価値の無い物を価値があるかのように勝手に喧伝することを防ぐ目的もあるようで、つまり観光地の価値評価プラス施設整備程度などの評価点を勘案してランク付けを行ない評価するものであるから、観光地の評価のための制度としてはおよそ目的に適った制度となっており、つまりどちらかと言えば観光開発を奨励するような制度となっている。

 故にこういった制度のある中国において、ご当地の中国人たちが「世界遺産認定」という制度に対して、この旅遊景区認定と同様に観光開発のための国際的プレミアムバリューを与えてくれるものと考えてしまうのは無理もないことではある。

 しかし、それはやはり彼らの大いなる勘違いである。

 世界遺産認定制度はあくまでもその保護を目的としているものであるから、観光化を否定している訳ではないが特に奨励をしているわけでもなく、保護すべき対象として認定しているだけである。

 保護すべきとされているからには、本来過剰な観光開発などは避けるべきなのだが、中国では世界遺産のお墨付きをいいことに観光開発をガンガン行っていると聞き、世界遺産認定を受けた時の雰囲気をすっかり失くし世界遺産としての価値を失ってしまったような場所さえあるという。

 こうなってしまうと本末転倒で、遺産としての価値も失ってしまうように感じられる。

 まあこういった場合はユネスコの方で遠慮なく認定取り消しなど厳しい措置を取ってもいいというような気がしており、実際ドイツなどでは渓谷に橋が出来たため取消しされた例もあるという。

 これらの点、日本でも世界遺産を観光客誘致のきっかけとしたいとの動機で申請する動きも確かにあるのだが、日本の世界遺産候補地の場合は、既に日本の国立公園・国定公園に指定されている場合がほとんどで、日本の国立公園・国定公園の法律は中国の旅遊景区認定と違って、自然保護を目的とした厳しい法律になっており、地熱発電所のような公共的施設の類でさえ開発が容易ではない状況になっている。

 故に、そういった場所が仮に世界遺産に認定されても、観光乱開発が突如として起こることはまずあり得ない状況になっており、観光誘致が目的だとしてもそれほど憂慮することではないという気がしている。

 しかし中国は世界遺産の数だけはやたら多いが、どうも日本のように国の下で保護が行われている印象がなく、開発だけが優先している印象が強い。

 つまり世界遺産の保護というは、各国家の責任に依るところが大きいとも言え、そのあたりの中国の自然保護の法律制度がどうなっているか知らないが、本気で世界遺産の観光価値を高め観光収入を得たいと思っているのなら、観光開発より原状保護を強める方がはるかに大事で経済的価値を生むものだという気がしている。



南翔古猗園のランタン祭り

ランタン祭りが南翔で行われるという情報を拾ったので、早速行ってみた。

 南翔駅は地下鉄11号線上にあり、よく嘉定方面へ行くのに利用していたのだが、この駅で降りたのは過去一回だけで今回の古猗園は初めてだった。

地下鉄11号線の南翔駅

地下鉄11号線の南翔駅

 まあ南翔と言えば小籠包が有名で、豫園にもその支店があり、豫園の店では小籠包を食べたことがあったが一度くらいは発祥の地で食べて見たかったこともあり、今回ようやくその希望も叶うことになった。

 今回まず南翔の駅前に降り立った時に、大きなショッピングセンターが出来かけて居るのをみつけて驚いた。
 一部レストランなどがオープンしていて、以前来たときに比べ随分な変わりようだった。

地下鉄11号線の南翔駅前

地下鉄11号線の南翔駅前

 そして古猗園に向かうが、道はまっすぐだが駅から徒歩15分ほどかかる。

 入り口の前に大きな今回のイベント用ゲートができていたが、着いた時はまだ明るく、当然のことながら点灯されていなかった。

南翔古猗園のゲート

南翔古猗園のゲート

 早速入場料12元を払って入場する。

 当然のことながらまだ明るいので内部も点灯されていないので、先に小籠包を食べて時間を待つことにした。

南翔古猗園の小龍包

南翔古猗園の小龍包

 ここの小籠包は一籠が20個入りで30元。

 特別安くないなという印象だが、本場ということでお試しの意味もあって早速いただく。

 で味はというと、まあ不味くもないが特別に美味しいと褒めるほどのものではなく、名物として一回体験したことで満足する範囲の印象。

 いつかどこかで食べた生姜入り小籠包は美味かったなというのを思い出したが、今回は残念ながらそれには及ばずといった感想である。

 そうこうするちに陽も暮れてきて空の具合がいい頃合いになった。

 すると今日が初日ということだからなのか、花火も上がった。

 さて、出発である。

 ところが早速写真を撮ろうと園内に出ると、どういうわけか点灯しているランタンとそうでないランタンがある。

 「あれ、これはどういうわけなんだろう?」

と、思っている傍から新たに一つのランタンの点灯が始まった。

 「ん?」

 ふと、その新たに点灯の始まったランタンの背後をよく見ると、警備のおじさんが配電盤の蓋を閉じている姿が目に入った。

 どうやらそのおじさんが園内のランタン各一つ一つについて、電源のスイッチを入れて回っているようなのだ。

 つまり一個ずつのアナログな点灯となっているらしい。
 それ故に一斉点灯とならず、一個ずつ順番の点灯開始となっているようだ。

アリとキリギリスのランタン

アリとキリギリスのランタン


 
 こんな大きなイベントなのに、スイッチがバラバラだなんて、、、、

 そんな手作り的な運営にちょっとおかしくなって笑ってしまった。

南翔古猗園の鯉のランタン

南翔古猗園の鯉のランタン

 流石に夜に見るランタンはとても美しい。

 ただ、古猗園の庭園そのものが無茶苦茶でかいというほどではないため、このランタン祭りを、ゆっくり一周して写真を撮って回っても1時間とかからないであろう。

南翔古猗園のランタン

南翔古猗園のランタン

 まあ豫園なんかに比べれば人が少ないため、落ち着いて見られるのはここの利点である。

 こちらは豫園に比べて非常に短い7日間しか実施されないが、時間のある方は中国の一つの風物詩として一回くらいは訪れてみるのも良いと思われる。

カップル向けの撮影スポット

カップル向けの撮影スポット

今年はハッピーマンデーが9回らしい

今年は聞くところによると日本は3連休が9回もあるらしい。

 しかも5月後半の連休を除いてだ。

 つまり1月、2月、4月、7月、9月2回、10月、11月、12月に3連休がある。
 
 その第一弾が昨日の成人の日だったようで、私の成人式の頃は1月15日と相場が決まっていたのだが今は第2月曜日と状況が変えられてしまった。

 ハッピーマンデーは観光業界を活気づかせるための某党の提案らしいが、私は昔からこの愚策に反対している。

 休みが増えたところで一般市民の収入や生産性が変わらなければ、結局個人の可処分所得や休みが増えるわけではないから旅行に行ける回数が増えるわけではないからだ。

 むしろ平日であるはずの月曜日に休みが集中すると学校のカリキュラムなどに支障が生じるなど弊害の方が大きい気がする。

 1勤1休のタクシーの運転手なども土曜と月曜の休みが連続して入ってしまうと商売に影響が出るとの話も聞いたことがある。

 で、実際観光業に好結果が出たとかの話も聞いたことがない。

海ほたる

海ほたる

 まあ、そんな文句を垂れているうちに私は上海へ来てしまったのだが、中国でもやはり同様の理由で3連休を一生懸命作るようになった。

 休み全体が増えてくれるなら歓迎だが、休みの総計は増えず、3連休になった分だけ土日出勤となり連続8日出勤となるようなカレンダーさえ生まれている。

 結局休んだ分でお釣りがくるくらい余計に疲れるようになったというのが私の周囲の声だ。

 これはどう考えてもおかしく、休みの概念を取り違えている。

 労働者保護の精神から言えば、週休1日とか2日というのはカレンダーのどの部分を切り取ってもそうあるべきで、一部の繁忙期のために変形労働時間制度が認められるにしても、国の制度として最初っから連休を作るために別の週を犠牲にしていいというのは間違っている。

 観光業やレジャー休日のために労働者の休みを動かすのは日中両国とも止めてもらいたいと切に願う。

原文