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いまだに中国を甘く見ている日本人

 最近時々、以前に中国にいた日本人が中国に舞い戻ってこようとしているような情報を耳にする。
 それぞれどうして日本に帰国したのかは知らないし、何故再び中国に足を踏み入れようと考えたのかはわからない。
 ひょっとすると中国式に生活習慣が染まってしまったため、日本に戻っても馴染めなかったり息苦しかったりして中国に戻ろうと考えたのかもしれない。

 「ああ、あの頃は楽しかったなあ、中国ならまだ今でも何とかなるかもしれない」と。

 こんな感じで、中国に戻ってこようとしているような印象を受ける。

 しかしながら、中国、特に上海は経済の伸びが緩やかになりつつあるとはいえ、今もって変化を続けている街であり今や数年前の上海の姿とは違うものになりつつある。

上海の街並み

 もちろん人間はそう急には変われないし、まだまだたくさん粗(あら)を残す部分はあるのだが、上海は本質的には日本とあまり変わらない状況になりつつあり、外国人に対しても以前のような制度の緩さというか甘さは無くなりつつある。

 特に2年前に始まった新ビザ制度の影響は小さくない。

以前は、通常は取りにくい高卒の方でも地獄の沙汰も金次第でコネクションを通せば、労働ビザが比較的容易に取れたのだが、今はそういったコネクションルートというのはほとんどなくなり、基本的にルールに則った正規の方法でしかビザが取れなくなった。

確かに今でも高卒であってもビザが取れないということはないようだが、ハードルは結構は上がったようである。
またこれに関して税金の面でも制度対応が厳格になり、ビザ制度と連動してきっちり税金を納めないと、ビザが延長できないというルールになったようだ。

またこういった外国人に対する制度のほかに、中国人たちがかなり真面目に社会のビジネスルールを守りつつあるようになった。
まあ日本を訪れる訪日観光客のようにマナーの面ではまだまだ問題がある点は多いが、上海では行政側で身分証明書に紐づいた評価ポイントというかブラックリスト制度がつくられたことから、人々のお行儀がよくなった印象がある。

少なくとも違法行為に対する意識が変わった印象で、今までは「バレなきゃいいし、ばれたら罰金を払えば済む」程度だったのが、今では「バレたらヤバイ」になっており、かなり生活態度に影響を及ぼすようになったような印象である。

このように中国人の日常認識にかなり変化が起きているだが、日本人はいまだに訪日観光客のマナー的な部分を指して中国人たちを「ルールを守れない人々」というレッテル付けをして評価している面がある。

更に、先日あるメーカーの方とお話をした際に伺った話だが、中国の工業技術は本当の最先端の部分ではまだ日本に分はあるものの、一般的な工業技術の面ではとっくに中国に追い抜かれ、追いつけなくなっているとのこと。
技術が良い上に価格が安いことから今や太刀打ちできない状態のようだ。

その理由として、熾烈な中国国内の競争があるため技術の進歩が速いのだそうだ。
それに対して、日本国内はまだ認識が甘いというか中国から見るとスピードが遅く見えるらしい。

つまり以前のように中国へ日本人が来て大手を振って闊歩してビジネスを行っていた時代は既に終わっており、中国へ来れば何とかなる時代ではなくなってきている。

少なくとも日本でノウハウの面できちんとしたアドバンテージを持った人材や企業でなければ、中国ビジネスに取り組むのは難しい時代になってきているのである。

しかし、冒頭に書いたように日本人の中にはいまだに5年前10年前の印象で中国を見ている人もおり、現実に直面してあたふたする人が少なくないようである。

WECHATの仕事利用には問題が多い。

 中国では日本のLINE同様のWECHAT(微信)というSNSが浸透していることは多くの方に知られていると思うし、中国に来ている日本人の方もほとんどが利用されていることかと思われる。

 このWECHATはプライヴェートでの連絡に使う分にはまあ好きに使えば良いが、ビジネス連絡に使うには問題があるというか、必ずしも使い勝手が良いとは言えない気がしている。

写真はイメージ

 その第一の理由として、フォルダ分類が不可能なため、広告用の通知もビジネス通知も、プライヴェートな通知も全部いっしょくたに表示されるからである。

 特にイベント情報などのサービスの公式アカウントをフォローしてしまうと、あっという間に未読件数がたまってしまい、その中に大事な連絡が混じっていてもフォローしきれず見逃してしまうことがある。

 現時点で確認したところ私自身157サービスもの公式アカウントのフォローをしてしまっており、少なくとも毎日数十件の通知が届くので、すぐに個人からの通知も埋もれてしまう。

 よって、基本的なビジネス連絡については、メール(電子メール)での連絡を基本にしているし、してもらっている。
 電子メールなら基本的にフォルダ分類が可能であり、SNSに比べ検索も容易なので重要な連絡でも見逃すケースはほとんどないのである。

 第二の理由として、wechatの場合は情報の保全性に不安があるといえる。
 電子メールの場合は、現在WEBメール管理をしているので、まあサーバーごと壊れなければ情報が無くなってしまうことはないが、SNSの場合はスマホのちょっとした操作ミスでデータが飛んでしまうことがある。
 特にWechatでは、最近は減ったが、ヴァージョンアップの過程で連絡先データやチャット履歴データが消えてしまうことが度々あったため、信用度がかなり低いと感じており、とてもそこに重要な情報を置きたくないのである。

 さらに、データの保存量に限度があるということもある。
 スマホ上で重いデータをやり取りしているとあっという間に内蔵メモリやSDカードがいっぱいになってしまい、データ整理が必要になる。

 もちろん、SNSはファイルの転送や写真の送信などが非常に容易なのがメリットではあるが、やはり程度問題で、受け止めるだけでスマホにキャパが無いと途端に使い勝手が悪くなる
 今はかなり大きな容量のメモリを積んだので当面は大丈夫かと思うが、やはりパソコンの比ではないので、スマホでの保存は避けたいのである。

 故にSNSのビジネス利用というのは、あまり良いとは思わず極力避けているのが現状である。

 ついでに言うと、電話での通信もあまり得意ではないというか、やはり避けている。
 電話では記録に残しにくいために、後で「言った・言わない」のトラブルが起こりやすく、それを避けるために極力重要な連絡事項は電話も避けている。

 もちろん待ち合わせ上の連絡など、記録の必要性が低く即時性が必要な場合は電話での連絡もやぶさかではないが、それ以外はやはり電話での連絡は避けるようにしているのである。
 まあ世の中には電話での連絡に頼りたがる顧客もいるのだが、そういったお客に限って一度伝えたことを何度も確認したがったりするのでなるべくメールに誘導するようにしている。
 
 そして相手のビジネスマナーの問題もある。

 電話だと遠慮するような距離感の関係の方でも、スマホのSNSでの連絡だと心理的敷居が下がるのか、時間帯問わず平気で連絡してくることがある。
 しかも突然知らない人から営業時間外にアカウント申請があり、友人から紹介されましたと言って来る。

 まあこういった申請も一応顧客候補なので100%無下には出来ないが、返信や承認はよほど緊急性が見られない限り営業時間の範囲に返信するようにしている。

 時間外のSNSでの申請にいちいち対応していると、こちらの気が休まらないしし、身が持たないからである。
 もちろんチャンネルが多ければ、それだけビジネスチャンスに繋がるのはわかっているが、精神的に参ってしまっては元も子ないので、WECHATをビジネスツールとして使うのはやはり得策ではないと考えている。

雨でぬれた靴を拭いた紙を道端に捨てる感覚

 上海の今朝は小雨が断続的に降るあいにくの天気だった。

 仕事で外出していて、大通りを渡るための信号待ちをしていた時のことである。

 ふと歩道の先に目をやると、カップルだか、姉弟だかの男女二人が目に入った。

 二人はどうやら傘を指しながら、片手でティッシュを持ち、雨でぬれただろう靴を拭っていた。

 ああ、上海の人も靴の濡れを気にするほどお洒落感覚を持つようになったんだなと、その瞬間は少し感心して見ていた。

 しかし、次の瞬間にこの2人ははその感心を裏切る行動に出た。

 拭っていたティッシュを、ゴミ箱を探すこともなくその場の歩道上に捨てたのである。

 「おいおい、自分の靴の表面が綺麗になれば、町は汚していいのかよ」

 そして男性の方もやはり歩道上にティッシュを捨ててそのまま歩き去った。

  一瞬でも感心しかかった自分がバカみたいである。

 最近の上海の街は、日本ほどではないけれど大通りの路上は結構綺麗に保たれていて、ゴミが落ちていることは少なくなった。

上海の歩道

 しかしこれらの街の景観の向上は、掃除のおじさんおばさんたちの努力の賜物であり、市民のマナー意識が高く向上して景観が守られているわけではないのである。

 もちろんマナーの平均水準も上がってはいるが、衛生感覚としてはまだ完全とはいいがたい。

 上海は成熟期を迎えているようなことも言われているが、足元に目を落とせば、こういったまだまだ発展途上の感覚が混在する町なのである。