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中国連休・円高連動説が継続中

 日本のカレンダーはGWが一応一段落したので、今日を休まないで久しぶりに出勤されている方もそれなりにいると察せられる。
(今日も休んで大型連休の方も大勢いるだろうが、、、)

 そして中国でも5月1日の労働節(メーデー)に合わせた連休がささやかながら組まれており、土日プラス5月2日の三連休となり、この休みに合わせて日本を含め海外に出かける人も大勢いた。

 さて、以前から最近の円高について何度か書いてきたが、2月に書いたブログで中国の連休の度に円高が進むのではないかという予測を書いたのだが、今回の連休でも見事に円高が進み再び105~106円台に達する結果となった。

 人民元レート

 まあ円高の真の原因については別のところにあると言われており、自分自身はそれを覆すだけの材料も根拠も持ち合わせていないので、抗うつもりもないが、少なくともタイミングだけは今回も一致してしまった状況になっている。

 しかも今回の連休は今までに比べ、関税政策の変更もあってか訪日観光の爆買いの規模も小さいと言われ、それ故か円高の進行幅も連休スタート時こそ2~3円のレンジで一気に動いたがそれ以外は小幅な値動きとなっており、やはり奇妙な一致が見られる。

 繰り返すが、円高=爆買い原因説をそれほど強烈に押しているわけでもないのだが、こうもタイミングが一致してしまうとひょっとするとという意識が頭をもたげないわけでもない。

浦東空港の荷物検査

浦東空港の荷物検査

 さあ、この傾向が続くとすると次の契機は6月9日の端午節休暇となると思われるが、果たしていかがであろうか?


中国がまだ旧暦を併用する理由

 日本ではとっくの昔の明治5年に捨ててしまった太陰太陽暦(旧暦)だが、中国ではまだこの太陰太陽暦が生き続けている。
 そのため1年の始まりを示す正月は、春節と呼ばれて未だに太陰太陽暦に基づいて行われる。
 もちろん、これだけ世界との交流が激しくなっている現代では中国でも太陽暦(グレゴリオ暦)を公式暦として使用して、世界との共通軸を持つようになったのではあるが、一方で太陰太陽暦も捨てないでいる。

 それは何故か?

 その第一の理由として考えられるのは、太陰太陽暦の基礎となっている月の動きが実際の生活に大きな影響を与えているからと考えられる。
 月の動きが生活に影響を与える代表と言えるのが潮の干満による水の動きである。

 中国の沿海部は大陸棚の影響か浅い海底が多く、渤海湾などは干満の差の大きい場所として知られており、そこに繋がる黄河なども干満の影響を受け、満潮時の黄河周辺では洪水などのリスクが高まる時期となる。

 同様に東西に長く伸びる長江でも、影響は小さくなく河口から1000キロ上流の武漢まで影響があると言われている。
 さらに逆流で有名な杭州湾奥の銭塘江なども潮の干満に影響を受けるため、月の状態によって洪水のリスクが左右される。
 このように中国では、各地に潮の干満によって影響を受ける地域が多く、そのためその基になる月の状態を暦によって知る必要がある状況となっている。

 中国に限らず、太陰太陽暦を採用している地域は軒並み潮の干満差の激しいところであり、ペルシャ湾に面するメソポタミア文明でもやはり太陰太陽暦が採用されている。

 逆に地中海のように地形上の理由で潮の干満の影響をほとんど受けないエリアでは、太陰太陽暦はほとんど採用されず、エジプト文明やローマ帝国などでは太陽の動きだけを基にした太陽暦が用いられているのである。

 つまり潮の干満を知る必要がある中国では太陰太陽暦を捨てきれないのだと考える。

中秋の名月

中秋の名月(2013年9月の満月)

 第二の理由として、植物や動物の生きるリズムが、月の動きに影響を受けていることが知られており、農業や漁業などなどに影響を与えているからだと考えられる。
 例えばウミガメの産卵周期は海の干満と一致するし、海で育つ牡蠣なども干満の周期が大きく影響を与えているとされ、農業の上でも、太陽暦ではなく、太陰太陽暦を基に種まきなどを行うと成育が良いとされる。

 それ故に、太陰太陽暦で月の動きを把握して行動する必要があり、太陽の位置だけを基にした太陽暦だけでは農業も漁業も都合が悪いのであろうと考えられるのである。
 つまりそのために中国では現代でも新旧暦併用の状態となっているのだと思われる。

 このことから考えると、日本の暦が明治の初めまで太陰太陽暦で、明治のタイミングで太陽暦に切り替えられたというのもなかなか興味深い変遷とみることができる。

 古代飛鳥時代に他の文化同様に太陰太陽暦の暦を中国から輸入したというのは、単に中国から文明を学んだというだけではなく、海に四方を囲まれた日本にとっては、潮の満ち引きの大きさがわかる太陰太陽暦は都合が良かったから定着したとも推測でき、農業を行う上でも都合が良かったのだろうと考えられるのである。

 逆に明治になって暦を切り替えてあっさり旧暦を捨てることが出来たのは、技術の進歩などにより潮の満ち引きなどの生活への影響がかなり克服された状況にあったからではないかとも推測される。

 もちろん太陽暦の導入は明治政府の政治的意向(財政対策とか)があったにせよ、旧暦を捨てるにはそれなりの環境が整っていることが必要だったと私は思うのである。

 ここが現在も旧暦を併用する中国との大きな違いと考えられ、現代の日本は海の干満によって洪水などということはほとんどなくなったが、中国では陸地の規模が違うために現代でも干満が非常に大きな影響を与えるている状況であり、それ故の月の動きの把握が必須であり、太陰太陽暦を使っているのであろうに思われる。

 現在は旧暦と呼ばれてしまっている太陰太陽暦だが、その内容をつぶさに見ていくと、単なる精度(誤差の多少)だけでは片付けられない面白い要素が沢山あり、中国ではそれがまだ生き残っているということに物凄く興味深い意義が感じられるのである。
 
 

半月無視の日本の新暦七夕は間違っている。

昨日は7月7日の七夕ということだったが、七夕の由来を紐解いていくと日本の七夕は間違っているもので、意味のない行事に成り果てていることに気が付く。

 昨年に書いた「2014年07月21日 中国の七夕の絵は大間違い」というブログで書いた内容とほぼ同様の論理となるが、日本の七夕が明治の改暦以後、新暦つまり太陽暦の7月7日に実施することになった時点で意味が分からない行事となっているのである。

 
 何故ならば「七夕」というのはその文字が示す通り、7日の夕べ(夜)という意味を持つ行事であり、7月7日に実施することに意味がある行事なのであるが、太陰太陽暦上で初めて意味が成立するのであって、新暦上では意味が成立しないのである。

 では何故に太陰太陽暦の7月7日なのか?

 新暦で言えば7月7日は、1年をほぼ12等分した月で数えた7番目の月の7日目になり、つまりその年の190日目の日ということになるが、この基準だと毎年太陽の位置こそほぼ同じになるが、結局それだけの意味しかない日なのである。

 これに対して旧暦の太陰太陽暦で暦を数えると7月7日という日は特別な意味を持っていることがわかる。
 太陰太陽歴では1ケ月を月の満ち欠けを基準として定めているので、新月を起点として数えれば毎月15日は必ず満月であり、毎月7日や22日は必ず半月となるのであり、つまり7月7日は必ず半月なのである。
(有名な三日月がその名称で呼ばれるのは、旧暦の月の数え方に由来するものである。)

 故に、七夕の伝統行事というのは、必ず半円の半月の状態が空に浮かぶ夜だったということになり、日本でも明治の改暦以前は太陰太陽暦の7月7日の夜に行われていたものとなる。

 そしてこの時期、天体ではちょうど天の川の銀河が南中するころであり、天の川を挟んで、彦星のわし座アルタイルと、織姫星の名のこと座ベガが向き合う姿が見えるころであり、これに白鳥座のデネブを加えて夏の大三角形などとも言われる風景が見える時期なのである。
 この彦星と織姫が向き合うところに船に見立てられる半月が天の川を渡ることから七夕の伝説が成立しているのである。

 つまり、太陰太陽暦の7月7日の夜であるからこそ、彦星と織姫という役者が天体に揃うのであり、半月という脇役が揃っている時期なのである。
 これが新暦で数える7月7日では、半月になるとは限らず満月や新月など月の形は毎年一定ではないし、彦星と織姫も夜中に観察に適さない位置となる。

 ましてや関東などは梅雨真っ盛りであり、空の星を観察するのに全く適さないのである。

 つまり明治の改暦で新暦の7月7日に移動させられた七夕は、日付こそ7・7だが本来の伝説の元になった天体ショーとは全く切り離された明治政府による官制行事であり、伝統行事として意味を持たない間違ったニセ伝統行事になったのである。

 それ故に、私はこの新暦の七夕はいい加減に止めたほうが良いと思っており、太陰太陽暦に基づいた日付に移すべきだと考えている。

 まあ今の日本政府は太陰太陽暦による暦の数え方を公式には認めていないようだが、明治の改暦以後意味の分からなくなった節句の数々のことを考えると、季節に基づいたほかの節句もやはり元の太陰太陽暦に基づいた位置に戻すのが正しいであろうと考える。

 先日明治時代の産業発展の遺跡群がユネスコの世界遺産に認められた際に、強制労働という負の遺産に対して韓国から横やりが入ったが、私からすればかの明治の改暦もやはり影の部分を現代に残していると負の遺産だと感じ、明治が残した負の遺産は想像より遥かに多いのではないかというのが私の認識となっている。