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日本の携帯電話は海外で歓迎されない

 日本の携帯電話が4G対応になって、そのまま中国で使えるようになって久しいが、実は日本から日本の携帯電話がそのまま持ち込まれて、通話することは現地に住むものとしてやや歓迎しがたいと感じている。

 別に日本の携帯電話機種を毛嫌いするわけではない。

 日本の携帯電話番号をそのまま持ち込んで、連絡先とされることを戸惑うのである。

 もちろん、それを持ち込んでくる日本の方は現地の通話料金などを種々の条件を納得した上で、それを利用されるので構わないのだろうが、現地の人間はそのことに納得して受け入れているわけではない。
 何が言いたいのかといえば、こちらの現地の人間がその日本の携帯電話に掛けることになった場合、国際通話料が必要になることを理解してほしいということである。

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 相手が中国国内にいるのにも関わらず、相手の使用する電話番号が日本の携帯電話番号ならば、かける時に国際通話となってしまい国際通話料金がかかってしまうのは、本意ではないのである。

 さらに本人にとっても、日本からの転送の扱いとなってしまうので、本人が直接相手先に電話をした場合の通話料に比べ、割高になる着信料金が設定されている。

 つまり、海外で日本の携帯電話番号を使って着信することは、かける側にとっても受ける側にとっても割高になってしまうのである。

 よって、そういった日本の携帯電話の方からの連絡は受けることには抵抗がなくとも、その番号にかけることには抵抗があるのである。
ちなみに一切の割引なしにかける国際電話は、聯通の場合6秒で0.8元になるので、2分話すと16元(240円)程度が必要になる。

 金額にしてしまえば、一回程度ならそれほど莫大な請求になるわけではないのだが、複数回の連絡が積み重ねられれば小さい金額ではなくなるし、私のように普段は国内のみの通話で定額セットの中に収まっている者にとっては、イレギュラーにかける国際電話は、ちょっと抵抗があるのである。

 出来ればWECHATなどのSNSの通話機能を利用した連絡手段を事前提供してくれると、こちらとしても抵抗なく連絡することができるのであり、せめて現地のSIMカードをレンタルして、現地の番号を持ってくれるとこちらの余分な負担がなくなるのである。

 ただまあ、日本から来る方は私にとってはお客様であることが多いため、実はなかなかそのことを直接面と向かっては指摘しづらい。
よって電話そのものが遠慮がちになり、メールで済む連絡はなるべくメールを優先することで対処したりしている。

 もちろん短期の旅行で緊急時の連絡手段程度として持つだけで、電話をかける予定のない方の場合は日本の携帯番号を持ち込んでも構わないとは思う。

 しかし現地で他者と連絡を取り合う可能性がある場合は、例え短期でもSIMカードを借りて現地の番号で現地の連絡先としていただくか、事前にSNSのIDを交換していただき、WIFIルーターを借りて、国際電話に頼らない連絡手段を確保していただくのが、海外に住むものとして国外の方を迎える時の要望である。

駐在員の悩ましい年金等級問題、出向すると受給額が下がる?

 日本では老後2000万問題の報道がなされた後に、やれ年金制度が大丈夫なのかとか、政治家の発言は無責任なのかなど、様々な声が飛び交っている。

 また来月9月1日から日中間において社会保障協定が発効し、駐在員などが日中両国で社会保険料の二重支払いを避けられる仕組みが制定されるなど、ここのところ社会保険料に対する世間の関心が高まっている。

 そんな中、ある出向駐在の方が、日本と中国における給料の支払い割合の関係で、社内で問題が生じていると話を伺った。

 その方によると、そもそも中国出向後もほとんどの部分を日本で賃金を受け取っていたのだが、日本の税務署からの指摘で、日本国内での業務実績のない従業員に高額の賃金を払っているのはおかしいとされたとのこと。
 つまり幽霊社員的な扱いになるので、特に海外が絡むと所得隠しやマネーロンダリングなどの犯罪の温床となるので、業務実態に合わせた支給を行うよう指導されたようだ。

 そこで日本の会社側は、本人への支給を現地支給の比重を高くしようと計画したのだとか。
 もちろん本人に不利のない金額で設定し、日本国内での賃金支給額を下げようとしたようである。

 ところがである。

 その出向者本人にしてみれば、日本国内での賃金が減ってしまうと社会保険料の等級が下がってしまうので、将来貰える年金の受給額に影響が出るので、日本国内給与の引き下げには応じられないという主張をしているようだ。

 確かに日本の年金制度は、加入期間に支払い続けた納付額(等級)によって、受給開始後の年金支給額に影響が出る仕組みである。
 さらに、その将来の受給額に影響がある標準報酬月額等級は、日本国内において支給される賃金を対象にして決められるので、海外で幾ら補填されていても合算して標準報酬を上げることが出来ないのである。

 つまり支給通貨比率を変えられてしまうと、賃金としての総支給額は変わらなくとも、将来的な年金支給額が下がってしまい、従業員にとって不利な変更となってしまうようだ。

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 こういった問題については、上述の日中社会保障協定では、加入・非加入の話が整理されて二重払いを防ぐことが決められているだけで、徴収される社会保険等級までは配慮されたものではないので、実は役に立たない。

 このように日本の税制と社会保険制度の制度は、あまり海外出向という処理を想定して制度が組み立てられていないようで、こういった狭間の労働者を救済するような制度は調べた限りでは用意されていないようである。

 今のところの各企業の現実的な処理としては、厚生年金基金や確定拠出年金などの上乗せ部分を会社で負担して、等級が下がった部分を補填するのがせいいっぱいのようである。
 しかし、そこの本来本人負担であった費用負担分を税法上どう処理するのか?など細かい問題が残り、本人の所得になり課税されないのかなど色々問題があり、なかなか正しい正解などはないという気がする。

 このあたり、日本の外交官なども同様の問題が発生する環境はあるはずだが、税務署的には問題ないのか、日本の賃金を下げられる扱いがないのか特に話題に上がることはない。
 ひょっとすると特別のウルトラCがあるのか、ぜひ今度駐在の方に会った時にお伺いしたいものである。

 

中国人の転職率が高い原因の一端は日本人にも責任が

 先日中国人が転勤を受け入れない旨の内容を書いたが、実はそのほかにも人材会社の関係者に伺った話で興味深いものがあった。

 それは日系企業の中国人の転職率の高さに関連するものであるが、実は中国人の転職率の高さには、日系企業の日本人にもその責任の一端があるというのだ。
 一般的に中国の転職者の転職率は日本人のそれより回転が速いといわれるが、その原因として中国人の帰属意識のなさと、給与の問題が大きいといわれている。
 もちろん、その原因は小さくはないのだが、実はそれだけではない。

 一般的に中国人たちの退職理由や転職理由などをアンケートなどで尋ねると、給料やキャリアアップの点を掲げる人は多い。
 しかし、この理由については実はあくまでも新たな就職先や人材会社に向けた表向きの理由であることが多く、本音は別のところにある。

 この点、日本でも同様の状況となっていて、表向きは待遇へ不満などとなっているが、その本音としては、人間関係に起因するものが一番大きいということが調査結果に出ている。

 そして中国人の離職理由の本音も日本同様に人間関係にあるようなのだが実は中国の場合は若干事情が異なっている。
 
 まあこれはあくまで日系企業など外資企業に限った話かも知れないが、中国の場合は同じ人間関係でも、自分のボスの異動に伴う転職が非常に多いようだ。
 どういうことかといえば、例えば3年なら3年の単位で日本から駐在員がやってくると、そのアシスタントとして1名の中国人が雇われることになるが、その駐在員本人の任期が切れて帰国すると自動的にアシスタントも交代することになる。

 駐在員が交代してもアシスタントをそのまま雇用し、次のボスのアシスタントとして雇用を継続すればいいじゃないかという気もするが、どうも話はそう単純ではないらしい。
 駐在員からすると、前任者のやり方が染みついたようなアシスタントは使いにくく、自社の業務に対してはサラの状態の新入社員を雇い入れて、自分流のやり方で染めて動いてもらいたいという要望があるようだ。
 また中国人アシスタントからすると、仕事の内容は変わらないのにボスが変わってやり方が変わるというのも面倒臭いらしい。
 で、多くの場合はアシスタントは通訳も兼ねているわけで、つまり原則は現地の言葉が出来ない駐在員のアシスタントが長年そのポジションに居座ると、言葉の壁の陰で取引先と癒着してしまうアシスタントもいないわけでもなく、会社としても駐在員の交代とともにできればアシスタントも交代させたい意図があるらしい。
 で、まあ建前上は解雇の措置ということにはならないが、少なくとも違う業務に異動させることにはなるわけで、必然的中国人側も居づらくなったり慣れない業務につくことになるわけで、そういった不満もあって必然的に退職・転職という道を歩むことになる。
 つまり、日本人の駐在員が3年程度で交代するたびにそのアシスタントポジションの人間も転職となる確率が高くなるわけで、日本人の駐在任期がアシスタント中国人の転職理由となっている面があるのである。

 まあ、日本ほど転職に抵抗感の無い中国人たちではあるが、それでもその転職の理由に日本人の駐在員の任期の問題が絡んでくるとなると、何とも複雑な気分となるこの現状である。

中国人がほとんど転勤を受け入れない理由と日本人社会の中の家族

 最近人材関連の方に話を伺ってちょっと気が付いたことであるが、中国では転勤という概念がほとんど無いような印象に映っている。
 つまり、例えば上海から広州や北京へ会社の都合で異動させられることがほとんど無いというか、そういう文化があまり無いようなのである。

 もちろん全くないという訳ではないのだが、会社の中の本当のトップクラスが現地の総責任者として赴任する以外はほとんど転勤という概念がないのが中国の国内事情らしく、転勤は非常に珍しいケースとなっている。

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 そんなこと言っても、上海には地方出身者がたくさんいるではないかと言われるかもしれないが、それは彼らが自主的に仕事を求めて上海にやって来ているだけで、会社が転勤させてそこにいるわけではないのである

 逆に企業側から言うと、地方に新しい拠点を新たに設ける場合は一時的には別の地域からの応援派遣で現地の立ち上げなどは行うが、実際に現地で働く人間は現地で集めるのが基本であって、他の地方から大量異動させて集めることはほとんど無いようなのである。

 もし他の地域から無理に転勤させようともすれば彼らは地元から離れるのを嫌って、会社を辞めるという選択肢を取るのがほとんどであり、会社にくっついてどこまでもついて行くと言った会社への帰属意識はほとんどない。

 ところがこういった中国の状況に気づいてみると、実は中国以外でも世界のどの国においても、あまり転勤という概念は無い印象であり、転勤させられるくらいなら自ら退職、転職・転地するというのが世界のほとんどの国の主流のようである。
 逆に日本のように、会社が平気で社員をどんどんと転勤させる国が果たしてどれだけあるのかを考えると、知る限りまず見あたらないという結果になる。

 日本では昔から企業の大小にかかわらず当たり前のごとく転勤や派遣、駐在をさせる文化があり、古くは江戸時代の領地替えだったりするわけだが、長い間ずっとそれが当たり前のように?受け入れられてきた。

 それ故に、例えば現在の上海には日本人の大量駐在があり、大きな日本人社会を形成している実態がある。
 逆に日本人に転勤文化がこのように浸透していなければ上海にこれらの日本人コミュニティなどは生まれなかったとも言え、上海の日本人コミュニティは、転勤が当たり前の日本文化の産物とも言えるのである。

 まあ私は日本人なので今まで周囲の人間が当たり前のように大量に駐在として派遣されたり転勤させられたりしている姿を何の違和感もなく見てきたが、周囲の中国人たちの動向と比較してみると、上海の日本人のこの状態はやはりちょっと異様なものがある。

 しかも家族帯同の転勤ならいざ知らず、単身赴任というのは非常におかしな命令で、家庭や家族をないがしろにした制度であるという印象はぬぐえず、大げさに言えば人権をさえ侵害しているのではないかという印象を私は持っている。
 人が配偶者や家族と支えあって暮らすのは人として自然の姿かつ当然の権利であり、わずかばかりの家族手当や単身赴任手当を渡せばよいと言うものではないという気がする。
 
 何故なら軍隊の戦地派遣ではないが、生身の男性を家族から長期間引き離すということは、必ず性関係のトラブルが付きまとう話であり、男性側本人の自制心だけに依拠して問題が片付くものではないからである。
 つまり上海で現地の繁華街の女性と日本人男性が数多く交際する状況に見られるように、企業の都合で単身赴任させるということは、その結果社員の家族生活を分断させたり崩壊させたりすることに繋がる可能性が当然予見できるのであって、それにもかかわらず会社はそれを自己責任だと押し付けて業務を優先させているのが実態なのである。

結果、日本社会というのは家族関係の崩壊のリスクより会社の業務維持を優先しているのがその根本の姿勢ということになってしまっているのである。

 このように会社の都合で転勤させられたり、単身赴任させられたりすることが日常化してしまっている状態は、実は世界から見れば家族に対しての価値観が異常に低下してしまっている社会の状態であり、かなり特異な存在かもしれないということができる。

 その特異な文化の反映の表れが、例えば日本で異常に発達したと言われるコンビニチェーンが一人暮らしの生活を支える姿であり、家庭の中の食卓の崩壊の現象だという気がする。

 更にこういった転勤や単身赴任が日常化している日本の社会制度では、本来家族間で行われるはずの相互扶助関係が、どんどん公的システムに依存されることになり、それ故実は大幅な社会コスト増につながっている実態もある。

 簡単に言えば、最近頻繁に報道され社会問題になって保育園の待機児童や老人福祉などがそれであり、いずれも費用不足がネックになっているのではあるが、根本要因を考えればこれらはいずれも核家族化がかなり大きな原因となっていると考えることができるのである。(もちろん全てではないが)

この点、例えば私の周囲の上海の状況を見ると子育て世代の方は、おじいちゃんおばあちゃん世代の全面的な協力を得て子育てをしながら共働きをしている実態があり、世代間の相互扶助が行われている。
 この上海の状態がどれだけ社会コストの削減に役立っているかは具体的にはわからないが、核家族で離ればなれに暮らす家族が多い社会よりは遥かに社会コストが低いような気がするのである。
 
 彼ら自身がそういった社会コストのことまで考えているとは思わないが、実際公的システムが追い付かない状況では家族内扶助が大事だと心得ているのだろう。

 つまり企業の都合で転勤させられ会社に残ることを選ぶより家族が一緒に行動することが生活を守る上でより効率的であることを彼らは知っており、それ故に家族や友達と離れて居住地を変えなければならない程の遠くへの異動は望まないのであり、強制的な転地は受け入れられないようなのである。

 このような中国人や世界の人々が転勤をほとんどしない実態を見て、日本の社会がどれだけ会社優先で家族を分解させられているのかを改めて気づかされる世界の実態なのである。

逆単身赴任が増えている

 最近、上海で逆単身赴任が増えているような気がする。

 一般的に単身赴任と言えば、奥さんや子供を置いて旦那さんが一人で上海に駐在するようなケースだが、逆単身赴任というのは家族が上海にいて旦那さんだけが日本に戻ってしまうようなケース。

 何故そういうことが発生するのかというと、ほとんどの場合は子供の学校の問題が要因となっている。

 つまり旦那の都合で一緒に帯同して上海にやってきて、子供を日本人学校なりインターナショナルスクールに入れたが、子供の卒業のタイミングが来る前に旦那に帰任命令が出てしまったようなケースである。

 旦那は会社の業務の都合なので子供を理由に帰任を延期することなど当然出来ないが、子供は出来れば途中で転校させず、卒業・進学のタイミングまで同じ学校に通わせた方がいいという判断で、結果面倒をみる奥さんが子供に帯同することになるため旦那だけ先に帰国して逆単身赴任状態になるという形である。

 特に中学でも高校でも卒業間近の子供というのは、進学のための受験を控えている訳でその他の学年よりナーバスになり、そのタイミtングでの学習環境の変化というのはなるべく避けたいというのが保護者の本音だと思われる。

 私は転校経験はないが、受験学年での転校は環境に馴染むのが大変だということは想像するに余りある。

 結果、やはり奥さんが子供の卒業を待ってから帰国する結果となる。

 こういった逆単身赴任のケースが、最近私の周りでチラホラ見かけるようになった。

 夫婦ともに知っている知人の旦那の帰国の報を聞いて「ああ寂しくなるな」と思っているところに、奥さんにばったり出くわすケースが出てきているのである。

 こういった逆単身赴任が具体的にどのくらいの数が発生しているか知らないが、それなりの数があるのではないのかという気がしている、

 まあ旦那を日本に送り出す奥さんにしてみれば、「子供のことを考えて」は第一義として当然のことながらも、外国生活にストレスを感じず過ごせるならば駐在員の奥さんという立場の生活は、日本生活に比べきっとかなり楽ちんであり、少しでも長く謳歌したいというのも本音としてあるのではないだろうか?

 旦那に対しても、上海へ単身赴任で野に放つよりは日本の単身赴任はリスクが小さいと考えているのかもしれない。

 まあいずれにしても、最近逆単身赴任が増えているような気がするのである。