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「健康で文化的な最低限度の生活」というマンガ

 最近、「健康で文化的な最低限度の生活」というマンガを読んでいる。

 いわゆる自治体窓口のケースワーカー、つまり生活保護の窓口担当の女の子の奮闘を描く話となっていて、この主人公を通して社会の底辺の側面が描かれている。

 何故この漫画を読み始めたのかというと、日本国憲法の条文をそのまま引用した刺激的なタイトルに惹かれたというのと、この作者の柏木ハルコさんが実は母校の先輩ということもあり妙な親近感を覚えていたというのもある。

 柏木ハルコさんは学年的には近いので、在学時に学校内で顔を見ていた可能性もあるが、残念ながら面識はないし、ネット検索で出てくる本人らしき写真を見ても記憶には残ってはいない。
 ただ彼女の作品を読んでいると、他の漫画にはない私の母校独特の話法リズムというか、かつての雰囲気がなんとなく漂っているから親しみがわくのである。

 この「健康で文化的な最低限度の生活」以外にも柏木ハルコさんの作品は読んでいるが、彼女の作品は赤裸々な性描写が多く、一歩間違うと単なるエロ漫画家の誹りを受けてしまいかねない作風となっている。

 しかし個人的には柏木ハルコさんの作品は性を通して社会のタブーに切り込んでいるというか、一人の人間が抱えている様々な内面を切り出して、漫画として分かり易く伝えているのだと評価している。

 この「健康で文化的な最低限度の生活」という作品も、生活保護受給者というやはり社会から誹りを受けがちな底辺の人々の生活や人生を、主人公を通して一つ一つ丁寧に掘り出して描かれており、いろいろな学びを与えてくれる。

 自分も生活保護こそ受けたことは無いが、お金には常に苦労している口なので、描かれている人々の不安や苦労はよくわかり、あまり他人事ではない。
 まあ作品自体は漫画なので、恐らくそれなりに演出的バイアスがかかっていると思うが、社会の現実を知る上では良い教材と言える作品だとは思う。

 社会では生活保護の風当たりが強くなっており、受給者を批判をする人々の心理も良くわかるが、切り捨てることでは解決しない問題であり、そこをこの作品は教えてくれるので、是非皆様にも手に取ってもらいたいという気がする。


中国の電子マネー社会の脆い欠点

 以前から何度か書いているように、上海は社会に電子マネー化が浸透しつつあり、現金がなくても生活に不自由がない状態になっている。
 それこそ、コンビニや駅中の自動販売機まで、ありとあらゆることがスマホを電子決済が可能になっている。
 しかしこの電子マネー社会生活というのは、意外と危うい欠点というものがあることに最近気が付いた。

 欠点というのは中国の電子決済手段がスマートフォンに頼り過ぎているということである。

 日本の電子決済というのはICチップを埋め込んだカード型決済が中心であるが、中国はほぼスマホ決済である。

 言うまでもなく中国のスマートフォン決済では、瞬時の通信によって決済が可能になっているものであり、市街地全体をカバーする4G通信電波があってこそ成り立つ。

 4Gでなくてもデータ通信が可能なエリアであれば、決済は可能だが、逆に言うとデータ通信が不可能な環境では、電子決済が行えない。
まあコンビニなどは、自店のWIFI環境などを用意しているから、その都度接続すれば問題はないのだが、あまりにもその手続きが面倒なので結局は公衆回線を通してデータ通信をするのが常である。

 故に、この電子決済社会は快適な通信環境があって初めて成り立っているものであり、逆に僻地などこの環境が不安定な場所では買い物ができないことになる。
 さらに通信環境が安定していても、従量制の通信料金が基本の中国の携帯事情においては、その月の通信量が上限に達してしまった場合などは通信が止まる場合があり、この場合も電子決済が不可能になる。

 ただこの点に関しては、現地の地元の方は日本の携帯電話料金同様に後払いシステムを利用しているので、通信量の上限を気にする心配は少なく、私のようにプリチャージ式で利用している場合に限った懸念である。

 そして、誰にでも訪れるであろうスマホ決済の危機というのが、スマホの紛失や電池切れである。

 まあ紛失してしまえば、決済云々の問題ではないので、困るのは当然のこととして、電池切れというのはうっかり訪れやすい危機であるだけにかなり厄介である。

 ここが電源を必要としないカード型電子決済との大きな違いである。

 最近のスマートフォンというのは沢山の便利な機能を持つが故に、電池の消耗がかなり激しくなっている。

 特に休日にちょっと足を伸ばして遠出するときなどは、地図情報や現地情報の探索などで通常より電池の消耗が早いのが常で、スマホを活用して行動していて、外出先で電池切れなどというのは普段より起こりやすい。

 その際、現金を持たず電子決済に頼ってばかりいると、肝心な時にスマホが電池切れで移動の為の費用が払えなくなるばかりか、飲み物すら買えないということが起こりうる。
 そういった電池切れ防止対策のために、多くの皆さんは電池パックを持ち歩いたりマメに駅や喫茶店などで充電を繰り返しているのだが、電子決済に頼る割合が大きければ大きいほど、電池の量が増えたりして日々電池残量とにらめっこが必要になる。
 故にこのように中国の電子決済社会においては、スマホの電池残量が無くなるということは財布を失くすのと同義語に等しいことになる。
 たかが電池なのだが、されどもその影響は生活や行動に絶望的な意味をもたらすのである。、

 電波と電池が重要なことは誰でもわかっているようで、直面すると想像以上にピンチに陥る場合があり、便利になった中国の電子決済システムの意外と脆い欠点であり、やはり現金を完全に手放すのはまだまだ難しいようである。
 

日本で使えなかった中国工商銀行の銀聯ICキャッシュカード

 先日、日本に一時帰国した際にちょっと困ったことが起きた。

中国で使っている工商銀行のキャッシュカードが日本で使えなかったのである。

茨城空港に下り立った際に、空港内のセブン銀行のATMで日本円を引き出そうとしたのだが、このカードは使えませんとエラーになった。
あれ、おかしいなとおもいつつもう一度試したが結果は一緒だった。

やっぱりそうなのか?

今年の春に工商銀行のカードが破損したので交換したのだが、その際、従来の磁気帯型のキャッシュカードからICチップの埋め込まれたカードに交換となったのだが、どうやらこれがまずかったらしい。

中国工商銀行のICキャッシュカード

中国工商銀行のICキャッシュカードの裏

実は中国のICキャッシュカードは日本で使えないという噂は耳にしていた。
ただ、セブン銀行がICカード対応になったというニュースも目にしたので安心してそのままの状態で日本へ戻ったのだが、やはり使えずこういう事態に遭遇してしまったのである。

もしや対応可のATMと非対応のATMがあるのかなとその場での引き出しは諦め、まずは自宅に向かうことにした。
幸いながら自宅に戻れるだけの日本円は手元にあったので、そのまま真っすぐ自宅に戻ったが、現金が無ければ危うく立ち往生する状況であった。

で、自宅のそばのセブンイレブン内のセブン銀行ATMで再度引き出しに挑戦するものの結果は一緒だった。

困った事態である。

仕方なく、残高のほとんど残ってない日本円の銀行口座から当面必要な現金を引き出した。

日本円での収入がほとんどない自分にとっては、日本円にはなるべく手をつけたくないのであって、人民元から引き出せないのはちょっと痛手である。

で、翌日免許の更新を終えて、中国の知り合いから頼まれていた品物を買い出しに行った。

ATMは無理でもショッピングなら可能かもしれないと考えやはり銀聯カードで支払おうとしたが、やはり磁気帯がないカードは使えないとのことだった。

どうしようと悩んだところ、財布の中には中国交通銀行のキャッシュカードも入ってることを思い出した。

交通銀行のカードは下記写真のように、ICチップと磁気カードの両方がついているため、恐らく従来通り現金の引き出しやショッピングが可能だろうと推測した。

交通銀行のIC付キャッシュカード

交通銀行のIC付キャッシュカードの裏

ただ、その銀行口座は私のWECHATアカウントと紐付いていないため、普段は口座にお金を残しておらず休眠状態であり、カードが使えても残高がない状態だったのである。

そこで仕方なく、中国の同僚に協力を頼むことにした。

まず、WECHTATで中国にいる同僚に連絡を取り、WECHATの口座に残っている残高から同僚にお金を支払い、さらにその同僚に私のその交通銀行の口座に振り込んでもらったのである。

 この作業におよそ30分かかったが、無事その交通銀行の口座にお金が届き、交通銀行の銀聯カードを使い無事買い物は完了した。

 まぁ手間はかかったが、「WECHAT PAY(微信支付)」様様であり、中国の電子決済システムの力に助けられた出来事となった。

 それにしてもこれだけ海外旅行者が増えているのに汎用性のない中国工商銀行のICカードには困ったものである。
 皆様もお気をつけあれ。