中国人の転職率が高い原因の一端は日本人にも責任が

 先日中国人が転勤を受け入れない旨の内容を書いたが、実はそのほかにも人材会社の関係者に伺った話で興味深いものがあった。

 それは日系企業の中国人の転職率の高さに関連するものであるが、実は中国人の転職率の高さには、日系企業の日本人にもその責任の一端があるというのだ。
 一般的に中国の転職者の転職率は日本人のそれより回転が速いといわれるが、その原因として中国人の帰属意識のなさと、給与の問題が大きいといわれている。
 もちろん、その原因は小さくはないのだが、実はそれだけではない。

 一般的に中国人たちの退職理由や転職理由などをアンケートなどで尋ねると、給料やキャリアアップの点を掲げる人は多い。
 しかし、この理由については実はあくまでも新たな就職先や人材会社に向けた表向きの理由であることが多く、本音は別のところにある。

 この点、日本でも同様の状況となっていて、表向きは待遇へ不満などとなっているが、その本音としては、人間関係に起因するものが一番大きいということが調査結果に出ている。

 そして中国人の離職理由の本音も日本同様に人間関係にあるようなのだが実は中国の場合は若干事情が異なっている。
 
 まあこれはあくまで日系企業など外資企業に限った話かも知れないが、中国の場合は同じ人間関係でも、自分のボスの異動に伴う転職が非常に多いようだ。
 どういうことかといえば、例えば3年なら3年の単位で日本から駐在員がやってくると、そのアシスタントとして1名の中国人が雇われることになるが、その駐在員本人の任期が切れて帰国すると自動的にアシスタントも交代することになる。

 駐在員が交代してもアシスタントをそのまま雇用し、次のボスのアシスタントとして雇用を継続すればいいじゃないかという気もするが、どうも話はそう単純ではないらしい。
 駐在員からすると、前任者のやり方が染みついたようなアシスタントは使いにくく、自社の業務に対してはサラの状態の新入社員を雇い入れて、自分流のやり方で染めて動いてもらいたいという要望があるようだ。
 また中国人アシスタントからすると、仕事の内容は変わらないのにボスが変わってやり方が変わるというのも面倒臭いらしい。
 で、多くの場合はアシスタントは通訳も兼ねているわけで、つまり原則は現地の言葉が出来ない駐在員のアシスタントが長年そのポジションに居座ると、言葉の壁の陰で取引先と癒着してしまうアシスタントもいないわけでもなく、会社としても駐在員の交代とともにできればアシスタントも交代させたい意図があるらしい。
 で、まあ建前上は解雇の措置ということにはならないが、少なくとも違う業務に異動させることにはなるわけで、必然的中国人側も居づらくなったり慣れない業務につくことになるわけで、そういった不満もあって必然的に退職・転職という道を歩むことになる。
 つまり、日本人の駐在員が3年程度で交代するたびにそのアシスタントポジションの人間も転職となる確率が高くなるわけで、日本人の駐在任期がアシスタント中国人の転職理由となっている面があるのである。

 まあ、日本ほど転職に抵抗感の無い中国人たちではあるが、それでもその転職の理由に日本人の駐在員の任期の問題が絡んでくるとなると、何とも複雑な気分となるこの現状である。





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