上海の冬は寒い。
気温的な数字評価で言えば、一桁前半程度なのであるが、底冷えするというかかなり冷える。
さらに建物自体が防温構造になっていないので建物の中でもあまり温まらないし、暖房器具も最近でこそエアコンはかなり普及していると思うが、以前も「上海人はあまり脱がない」で書いた通り、上海にはストーブという文化がなく、温めるという習慣がない。
その影響だろうか、上海市内の飲料の自動販売機には、日本では当たり前の「温かい」という表示がない。
中国のほかの都市の状況はわからないが、上海ではほとんど見かけた記憶がない。
夏場になると「冷めたい」は見かけるようになるが、やはり常温が多く、冬になっても「温かい」の表示はないのである。
まあそもそもの飲料市場の状況もあり、日本のように缶コーヒー市場がほとんど発達しておらず、ネッスルで缶コーヒーを販売しているほかはほとんどがペットボトル販売となっている。
お茶に関してもサントリー社のウーロン茶のペットボトル飲料が主役であり温めを必要とする缶飲料の市場がほとんどないのである。
とはいえ、冬場になれば各自個人の保温水筒を持ち歩く習慣があるので、温かい飲料の市場がないわけではない。
ただこの保温水筒文化は、医食同源の考え方から各自の体調や好みに合わせて茶葉などを工夫して中身を調整する面があるので、単に温かい飲み物であれば良いわけでもない。
しかしながら冬に街中を歩くと寒さを感じて温かい飲み物が欲しくなることには変わりない。
そんな時はコンビニに飛び込むか、カフェに入るしかない。
まあコンビニには日本と同じようにレモン系の温かいペットボトルの飲み物が用意されているので、飲み物で暖をとることはできる。
ただコンビニはともかく、カフェでの購入はそれなりに時間がとられるのでやはり、自動販売機でも温かい飲料が買えるといいのになぁと感じる上海の冬の寒さである。