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上海地下鉄4号線内周りは朝のラッシュ時に外回りの2倍も運行されている

 最近、上海の地下鉄サイトを何気なくチェックしていたら、ちょっとびっくりするような事実を見つけた。

 それは上海地下鉄4号線の運転間隔である。

 上海の地下鉄の場合、各列車の細かい運行時刻は公表されておらず、それぞれの区間について運転間隔のみが公表されており、4号線についても環状運転をしているということもあり、一周分の区間の運転間隔が時間帯ごとに示されている。

 で、何が驚いたのかというと、朝のラッシュ時(07:30~09:00)の運転間隔が内回りと外回りで大幅に運転間隔が違うのである。
 具体的に言うと、時計周りとなる内回り(内圏)は宜山路→上海火車站→世紀大道→宜山路方向の運行は、朝のラッシュ時に2分30秒~5分となっている。
 これに対して、反時計周りとなる外回り(外圏)は宜山路→世紀大道→上海火車站→宜山路方向の運行は、朝のラッシュ時に5分~7分30秒となっている。

 つまり最短間隔では外回りより内回りは2倍多いのである。

 何故こんな内と外で偏った輸送量の運転を行っているのだろうか?

 確かに日本でも郊外からの通勤路線では都心への上りに輸送力を集中させることはあるのだが、上述のように4号線は環状路線であり、普通に考えてある一方向へだけの輸送力需要の偏りがあるとは考えにくい。

 しかも、このような、内外の運転間隔の偏りは平日の朝だけであり、他の時間帯には見られないので、朝のラッシュ時だけ一方向への輸送需要が発生するというのはどうにも不思議な現象である。

 このあたり山手線の情報をウイキペディアで確認したところ、1日の総トータル運転本数で内回りより外回りの方が若干多いようだが、運転間隔に差異はなくほぼ同じと考えてよく、上海の4号線の例がかなり特異のようだ。

 で、このような偏った運行が行われる原因を色々考えてみたところ、一つの答えを見つけた。

 以前「上海地下鉄4号線は環状運転を諦めるべし」というところでも書いたが、4号線は3号線と虹橋路駅と宝山路駅の間で線路を共有しており、これが列車増発のネックになっていのが3号線と4号線の状況だった。

 で、朝のラッシュ時間帯において、3号線と4号線の2路線のうち一番優先されるべき輸送というか輸送需要が多いのが、3号線の宝山路駅以北の江楊南路駅方面からの南行きの列車なのであり、これと路線を共有するのが4号線の外回りとなる。

 つまり4号線の外回りは3号線の輸送需要を優先して運転間隔を疎にしてあるということになる。

 逆に4号線の内回りは3号線の北行きと路線を共有するが、3号線の北行きは通勤需要の少ない方向のため、運行間隔を減らさないで済むので、可能な限り運行本数を増やせる状態となっているのだろうと推測する。
 
 要するに4号線の輸送需要に関係なく3号線の輸送需要の都合で、内回りと外回りで運転本数に差が出ていることになる。
 
 以上がまあ私の推測であるが、内回り(時計まわり)と外回り(反時計まわり)の輸送需要に関係なく本数が違うとなると、恐らく運転本数の多い方向のほうが、空いている可能性が高いという予測も成り立つ。

 実際に乗ってみて確かめたわけではないが、朝の4号線は時計回りの内回りで行動した方が空いている可能性が高いとなれば、通勤・通学先と居住地選びにとっては無視できない要素なのではないかという気がする。

残念ながら今のところ私個人は4号線沿線に引っ越す予定はないが、もし引っ越される予定のある方はちょっと頭に入れておいて損はない情報だと思っている。

上海地下鉄の1日券・3日券は意外とお得

上海で仕事をしていると1日のうちに3か所も4か所も回らなければならない日も出てくる。
もちろん、ハイヤーやタクシーを乗り回せる贅沢な身分であれば、それに乗って回ればいいのだが、残念ながらそんな贅沢な身分ではない場合は、公共交通を利用することになる。

その代表格が地下鉄とバスで、このうち地下鉄はネットワークが充実しつつあることにより、場合によってはタクシーなどより時間に正確かつ確実に目的地にたどり着ける。

そんな地下鉄ヘビーユーザーにお得なのが上海地下鉄1日券と3日券(中国語表示では一日票と三日票)で、上海で広く利用されている公共交通カードよりお得になるケースが多いのである。

上海地下鉄1日券(一日票)

デザインはいろいろある。

上海公共交通カードは、チャージ式のICカードで地下鉄・バス・タクシー・フェリー・駐車場など幅広く使えるが、割引率という点ではやや弱く、バスと地下鉄の乗継や、バス同士の乗り継ぎで1元割引されたり、地下鉄の利用が1か月70元を超えると、10%割引きとなったりするが、割引としてはその程度である。

ところが1日券は24時間乗り放題で18元、3日券なら72時間乗り放題で45元定額制になり、利用頻度によってはかなりお得となる。

18元という価格が、例えばどの程度で元が取れるかというと、初乗りの3元区間の3回の往復利用で18元、恐らく地下鉄の平均利用料金は4~5元であろうから、5元区間なら2回の往復で元が取れる計算となるのである。

つまり例えば朝通勤する時点で、午前と午後に外出のアポが入っていることが分かっているような場合は当日1日券を買って乗車すればその日の交通費の節約できることになる。

或いは1日券の24時間カウントは最初の改札入場時から起算されるという仕組みを利用して、予め数枚のストックを購入しておき、地下鉄利用が多いと予想される日はそっちを使うようにしてもよい。

ただまあ、この1日券の欠点というか、使いにくいところの一つとして、使い始めの時間がカードの表面上に記録されないため、何時から起算され、何時まで利用できるかは自分で把握しなければならないという点にある。

恐らく窓口に出せば教えてくれると思うが、やや格好悪い。

さらに同様にカードが使用済みかどうかもわからないため、使用済みのカードで入場しようとして拒否されるようなこともあり得てしまう。

またバスは利用できないため、当然バスとの乗継割引も無く、移動にバスが含まれる方はそこは注意したほうがいい。

こういった意味で、まだ完成度が高いとは言えない1日券・3日券だが、うまく使いこなせば大変お得になるとも言えるので、是非ご活用いただきたい。

(参考:上海ガイドブック手帳:上海地下鉄の一日票・三日票(1日券・3日券)上海公共交通カード

上海地下鉄4号線は環状運転を諦めるべし

 先月、地下鉄3号線の混雑を理由とする3号線の分断問題について一度文章を書いたが、それから3号線に乗るたびにいろいろ思考を凝らして見た。
9月16日「本当に上海地下鉄3号線は分断されるのか?」)

 で、私が思うに3号線を分断するより4号線の環状運転を諦めた方がいいのではないかという考えにいたった。

 上海の地下鉄4号線というのは、山手線や大阪環状線のごとく上海の都心部をぐるっと囲んで環状運転を行なっている路線で、上海市としても大都市の一つの理想要件として考えてこの路線を建設したのだと思われる。(日本の発展の真似?)

 しかしながら、都市の設計理想とは裏腹に道路の環状道路と違って、都市の環状鉄道は環状であることにそれほど重要な意味を持たない気がする。

 自動車交通の場合は、環状道路というのは都心部に流入する交通車両を減らし、混雑回避や環境改善に役立っていると言われる。
 それに対して鉄道の乗客は環状線の利用により、ショートカットされ時間を短縮できる可能性もあるが、放射状の路線がそれぞれぞれ都心部を貫いていれば各所で連絡する可能性が高く、乗換の面倒くささを考えれば都心で一回で済ますほうが楽であり、わざわざ乗換回数を増やして環状線に乗り換えるメリットはほとんどない。
 実際、上海の地下鉄網はそういう都心での乗換えのほうが楽な状況になっている。

 しかも、上海の地下鉄4号線は環状運転を行なうメリットがそれほどない場所ばかりを走っている。
 山手線や大阪環状線が環状運転を行なうのは、郊外へ向かう列車のターミナル駅を結ぶから意味があるのであり、実際山手線は東京、品川、渋谷、新宿、池袋、上野、秋葉原など外へ向かう路線のターミナル駅を結ぶ役割を担っている。

山手線には新宿・代々木・原宿に駅がある。

東京の山手線

 これに対して上海地下鉄4号線のルートは、上海火車站駅こそ郊外へのターミナル連絡駅だが、あとは地下鉄同士の連絡駅ばかりである。

 まあ3号線との共用問題が無ければ4号線の環状運転を否定する意味はないが、運転密度の関係でどちらかを分断する必要があるなら、諦めるならのはやはり4号線の環状運転だという気がするのである。

 3号線の乗客が平均何駅区間乗るかは分からないが、起点から終点までの乗り通す人も皆無ではないだろう。
 それに対して4号線の乗客は、常識的に考えて最大でも全線の50%しか乗らない
 当たり前の話だが環状線で50%以上乗るのは、乗車方向を間違えた客でしかなく、一周全線乗るのは暇な鉄道フアンか、寝たままの人くらいなものである。

 しかも放射状の路線と各駅でクロスするので、都心部を貫くショートカットが可能で、環状線の1乗客あたりの利用区間はますます短くなるだろう。

4号線の路線図

4号線の路線図、左上の黄色い部分が共用部

 そう考えると、4号線について環状運転にこだわる理由はますます低くなり、環状運転を諦めて3号線に接続する宝山路(或いは上海火車站)駅から虹橋路駅までのC型運転で線路容量いっぱいまで本数を増やすだけで、利便性の向上は十分だという気がする。
 もちろん3号線も共用部が無くなれば、線路容量いっぱいまで本数を増やせる。
 つまり利用客の立場を考えれば、環状線を諦める方がはるかに効率的と言う気がするでのである。

上海地下鉄3号線と4号線の合流点

上海地下鉄3号線と4号線の合流点

 ただ現在の状態から移行するなら、既存利用客のためにこの分断の起点駅となる宝山路駅と虹橋路駅での乗換えの利便性を確保することは必要で、東京の御茶ノ水駅のような形で行先方向別のホーム設置するなどの改造の配慮は必要だろう。

 いずれにしても将来の需要予測を考えずに路線の共用などという安易な手を考えてしまった影響で、どちらかの路線が分断の危機に立たされているとうことになる。

本当に上海地下鉄3号線は分断されるのか?

地下鉄と言いながら一切地下を走らない地下鉄3号線だが、混雑解消のための路線再編により、分断され運行されると2年前に報道された。

上海軌道交通3号線の車両

分断が発表されている上海軌道交通3号線

当初の再編予定では来年2015年にも分断実行となる予定だったようだが、未だにその気配は見えない状況である。
2年前に計画された報道では、3・4号線が軌道を供用運用している宝山路~虹橋路間を4号線専用にして、3号線は宝山路~上海火車站に複線を増設するものの南北に分断し、江楊北路~上海火車站と宜山路~上海南站の区間運転に分断するという計画で決定したように聞いていた。

宝山路駅で3号線に合流する4号線

宝山路駅で3号線に合流する4号線

確かにこの方式であれば、軌道共用の弊害を受けることなくそれぞれの区間に目いっぱい列車を詰め込むことが出来る。
しかしこの方式では3号線の南部区間はほとんど無駄になるし、逆に北部区間から上海火車站駅に流れてきた客流をどう裁こうというのだろうか?
恐らく接続する1号線で市内へ流そうといことなのだろうが、ご存知の方も多い思うが1号線と3・4号線の上海火車站駅は、鉄道駅を挟んで南北に数百メートルも離れており、同一駅を名乗っているものの、とても乗換至便の駅とは言い難いのである。

上海火車站の地下通路

上海火車站の地下通路は非常に長い

朝夕のラッシュ時にあの通路を通して人を流そうというのは、現場を知らないとても無謀な計画のように思えるのである。
そう考えると、3号線の列車本数を増やして最大限に旅客を運んできても、途中から捌け口が無い状況になるのがかの2年前の計画だった。
こういった瑕疵の計画に気づいたのか、他の事情が生じたのか分からないが、本来行われはずだった宝山路~上海火車站の複々線化工事は未だ行われている様子はなく、2015年には間に合いそうにない状況になっている。
さてさて3号線は本当に分断されてしまうのであろうか?

行き先表示の少ない上海の地下鉄車両

 地下鉄に乗っていていつも感じるのだが、列車の行先案内表示が非常に少ないという気がする。

 日本の地下鉄や車両の場合は、ほとんど全車両と言っていいほど、行先表示板が設置してあり、その列車がどこ行きなのかわかるように表示してあるが、中国の地下鉄にはこういった行き先表示をしている列車はあまり多くない。

10号線の車内表示

10号線の車内表示

 僅かに一部の車両と、列車の先頭車両の前頭部には行先が出ているが、最近はホームドアが発達して列車が見難い状況が生まれており、列車がホームに進入する時に注意深く見なければ気が付かないレベルとなっている。

 例えば3号線と4号線は同じホームと線路で交互運行しており、車両の色で見分けられる面があるとはいえ、それは乗り慣れていない人でなければ分からない事であり、各車両に行先表示が無いのはやはり利用者を惑わせている。

 まあ上海の地下鉄は元々、一つの路線に対して一つの運行パターンと言う単純運行の列車が多く、あったとしても途中折り返しが時々ある程度のシンプルなパターンなので列車ごとに行先が違うことも無く、そういった行先表示を列車ごとに明確にする必要がなかったかもしれない。

 つまり日本の場合は同じ駅からでも乗る列車によって行先や停車駅が全く異なる複雑な列車運行体系を取っている路線が多い為、こういった行先表示板が無ければとんでもない所へ連れて行かれるリスクがあるだが、中国の地下鉄にはそういったリスクがない為、行先表示板の必要性を感じていないのだと思われる。

日本の電車

日本の電車

 しかし、数年前から10号線や11号線と言った支線を持つ路線が登場してからも、その状況は変わってない。

 10号線は龍渓路から虹橋鉄道駅方面と航中路方面へと分岐し、それぞれへの列車がほぼ1対1の割合で交互に走っているので、間違った列車に乗ってしまうと目的地と違う駅に行ってしまう可能性がある。

 しかし車両の内部には僅かに行先表示が出ているが、車両外部にはその表示が見られないし、分岐する龍渓路駅も両方向への列車は行先方向別にホームが別れておらず、同一ホームで乗り分けとなっている。

 しかも龍渓路駅では僅かにホームの一部に何か所かに「この列車は○○行き、次列車はXX行き」などと電光表示されているだけで、各ドアの入り口に標示されてはいないので乗車時にいつも戸惑うのだ。

 一応駅のホームの到着列車情報などにはその行き先情報が出ており、それをじっくり見れば、次の列車の行き先はわかるようになっているのだが、文字が小さいので近寄ってみないと分からないし、そのモニターの数とて十分とは言えず、ホームに2~3個しかないのである。

 11号線もほぼ同様で分岐する嘉定新城はやはり同一ホームで乗り分ける形を取っており、車両には行き先が表示されていないので、やはりホームの情報モニターか、構内放送が頼りとなるのだが、人が多くてうるさい時間帯や中国語が聞き取れなかったらアウトである。

 まあこの地下鉄表示に始まったことではないが、中国の交通ターミナルは巨大なものや外面が綺麗なものは増えてきたが、案内表示などは初めて来た人ような慣れていない人の目線で案内をするという視点にいつも欠けており、見栄え優先で利用者の視点はいつも二の次になっている気がする。

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