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上海地下鉄の1日券・3日券は意外とお得

上海で仕事をしていると1日のうちに3か所も4か所も回らなければならない日も出てくる。
もちろん、ハイヤーやタクシーを乗り回せる贅沢な身分であれば、それに乗って回ればいいのだが、残念ながらそんな贅沢な身分ではない場合は、公共交通を利用することになる。

その代表格が地下鉄とバスで、このうち地下鉄はネットワークが充実しつつあることにより、場合によってはタクシーなどより時間に正確かつ確実に目的地にたどり着ける。

そんな地下鉄ヘビーユーザーにお得なのが上海地下鉄1日券と3日券(中国語表示では一日票と三日票)で、上海で広く利用されている公共交通カードよりお得になるケースが多いのである。

上海地下鉄1日券(一日票)

デザインはいろいろある。

上海公共交通カードは、チャージ式のICカードで地下鉄・バス・タクシー・フェリー・駐車場など幅広く使えるが、割引率という点ではやや弱く、バスと地下鉄の乗継や、バス同士の乗り継ぎで1元割引されたり、地下鉄の利用が1か月70元を超えると、10%割引きとなったりするが、割引としてはその程度である。

ところが1日券は24時間乗り放題で18元、3日券なら72時間乗り放題で45元定額制になり、利用頻度によってはかなりお得となる。

18元という価格が、例えばどの程度で元が取れるかというと、初乗りの3元区間の3回の往復利用で18元、恐らく地下鉄の平均利用料金は4~5元であろうから、5元区間なら2回の往復で元が取れる計算となるのである。

つまり例えば朝通勤する時点で、午前と午後に外出のアポが入っていることが分かっているような場合は当日1日券を買って乗車すればその日の交通費の節約できることになる。

或いは1日券の24時間カウントは最初の改札入場時から起算されるという仕組みを利用して、予め数枚のストックを購入しておき、地下鉄利用が多いと予想される日はそっちを使うようにしてもよい。

ただまあ、この1日券の欠点というか、使いにくいところの一つとして、使い始めの時間がカードの表面上に記録されないため、何時から起算され、何時まで利用できるかは自分で把握しなければならないという点にある。

恐らく窓口に出せば教えてくれると思うが、やや格好悪い。

さらに同様にカードが使用済みかどうかもわからないため、使用済みのカードで入場しようとして拒否されるようなこともあり得てしまう。

またバスは利用できないため、当然バスとの乗継割引も無く、移動にバスが含まれる方はそこは注意したほうがいい。

こういった意味で、まだ完成度が高いとは言えない1日券・3日券だが、うまく使いこなせば大変お得になるとも言えるので、是非ご活用いただきたい。

(参考:上海ガイドブック手帳:上海地下鉄の一日票・三日票(1日券・3日券)上海公共交通カード

上海の地下鉄世界一は過大評価

先日上海市の地下鉄が年内にも営業キロで東京を抜き、来年にもロンドンを抜き世界一になるということがニュースに出ていたが、これはある部分では確かに事実かもしれないが交通事情の評価としてはちょっと誤解を招く表現といわざるを得ない気がしている。

 少々鉄道オタク的な説明になってしまうが、まず地下鉄の定義に問題がある。

 上海の地下鉄として計算されるものは上海市が運営している軌道交通の全ての営業キロ数を合算しているが、厳密に言えば3号線はほとんど地下を走らないので地下鉄ではないし、外高橋を走る6号線や松江方面の9号線も半分は地下を走っていない

地上を走る9号線

地上を走る9号線

 従ってまずこれらを地下鉄と呼ぶかという問題がある。

 これに対して東京の地下鉄の定義は東京メトロと都営地下鉄の合算を地下鉄としている。東西線の東陽町以東は地上を走っているがそれ以外は末端駅で地上に出る程度でほとんど地下を走っている。
 こういう状況を無視して「地下鉄の営業距離」という比較をするのはいささか難がある。

 さらに上海の地下鉄の営業距離がロンドンや東京を抜くことが、世界一軌道交通網の発達した都市になるといった表現の印象にも非常に抵抗を感じる、というか完全に誤解を招く表現である。

 上記に示したとおり上海の地下鉄は地上鉄道を含めた営業キロ数になっているのだが、実は都市内鉄道に関しては上海はそれがほぼ全てである。

 ところが、東京に関して言えば地下鉄以外に非常に多くの地上軌道交通が存在している。

 まず山手線に代表されるJR各線、さらに各私鉄路線が八方へ延びている。

 これらを含めると営業キロベースで都内だけで800キロを超えるらしく、首都圏全体を東京圏と見なすと営業距離は1500キロ以上にも達するという。

 しかもその幹線の多くは一部が複々線化されておりその分を計算すると東京の鉄道網はさらに膨大なものとなる。
 この計算で言えば大阪でさえ上海をはるかに凌ぐ。

 これらを考慮せず、単純に「地下鉄の営業距離」の比較によって上海の交通事情の進捗ぶりが、東京やロンドンを抜いて世界一となったような評価することにはまさしく過大評価であろう。

さらに「地下路線」という定義だけを見ても東京メトロと都営地下鉄だけでなく小田急や東急・京王、つくばエクスプレス、JR総武横須賀線などの一部地下化が行われている区間を含めば、詳しくは計算していないが恐らくやはり上海の地下鉄に抜かれるレベルでは無いように思える。

 上海の地下鉄が成長していることは確かに事実だが、世界一の都市はやはり10年や20年のレベルでは出来上がらないのである。

原文