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腰に優しくない上海の交通と道

 実は先週の土曜日の明け方、突然ぎっくり腰とヘルニアの併合のような症状に身動きができなくなった。

 おそらく前日の階段一段踏み外しの際に踵から落ちて、衝撃で全身に走った出来事があり、その場は大丈夫だったが、恐らくあれが原因である。
 痛みでベッドから起き上がれず、目の前に見えている薬にも手が届かない状態で、一人暮らしの私にとっては死の危機を感じるほどだった。
それでもなんとか痛みをこらえ脂汗をかきながら薬を手繰り寄せ服用した結果、今日までにパソコンにまともに向き合えるような状態になった。
 この間、まったく外出しなかったわけではないのだが、長時間座る姿勢を続けるのが辛いので、基本は立ち姿勢か家で横になっていた。

 この間の外出で改めて感じたのは、上海の道や交通機関は人の腰に優しくないということ。

 以前に何度も書いたが、上海の道路は幹線道路といえどもかなり凸凹であり、バスに乗っていると腰が浮き上がるほどの上下振動がある。
 特にスピードを出しているときなどはバスが壊れるんじゃないかと思うほどの激しい振動であり、当然のことながらずんずん腰に響き、区間によってはとても座っていられなくなる。
 しかもバスの座席はプラスチックシートで、優先席も色が違うだけで硬さに違いがなく、座り心地が特に良いわけではないのが上海のバスである。

上海のバス

上海のバス

 じゃあ地下鉄なら問題ないかというと、さすがにバスほどの振動はないが、やはり日本の地下鉄に比べれば振動は大きく、シートも同様にプラスチックなので腰に響く。
また駅の階段やホームの施工も微妙に粗いので、結構蹴躓きやすく、普段なら何でもないこの小さな躓きでも、腰痛状態に結構響くので歩くだけで結構恐怖を感じる。

これがまあタクシーだと、シートが柔らかい分だけ幾分救われるのだが、道悪自体は同じであり振動も多く、逆に立ち上がれないので必ずしも快適ということでもない。

歩道を歩いても凸凹は非常に歩きにくいのである。
結局のところ上海の道も交通もどうも腰には優しくないことに気が付いた。

そういえば上海の街は高齢化の影響で高齢者はたくさん歩いているのだが、不思議なことに腰の悪そうな人はあまり見かけない。
 腰が悪い人はあまり出かけたくなくなるのではないか、そんなことを感じた私の今回の腰痛劇である。

タクシーより早く着く?上海の公共バス専用レーンは意外と強力

 上海で公共バスと言えば、遅い交通機関の代名詞のような存在だったが昨年あたりから異変が起きている。
 朝晩のラッシュ時はタクシーよりバスで移動したほうが早く到着するケースが増えてきているのだ。

 どういうことかというと、上海市内の主要幹線道路において公共バス専用レーンの設置が増えているからである。
 報道によると上海市では2015年末までにこういった公共バス専用レーンを市街地の主要幹線道路に32区間総延長300キロ設置したとのことで、既に市街地は概ね網羅したとのこと。

 実際上海市内を移動してみても片側三車線以上ある道路には概ね専用レーンが設置されたという印象になっている。

上海の公共バス専用レーンの標識

上海の公共バス専用レーンの標識

 この公共バス専用レーン、午前は7時から10時まで、午後は16時から19時までのそれぞれ3時間ずつ設定されており、沿道を出入りする車両と右折車両(中国は右側通行)以外は通行が禁止されており、誤って侵入した場合は罰則を受けるようだ。

 しかも実は渋滞の激しい平日だけではなく、週末を含め1年365日このルールが適用されるとのこと。

 この結果、朝晩のラッシュ時には渋滞を横目にすいすいと走り抜ける公共バスの姿がよくみられるようになったのである。
 タクシーも一般車両同様にこの公共バスレーンを走れないため、かつて公共バスより早く移動できるはずだったタクシーが追い抜かれる現象が起きている。

専用レーンを走る公共バス

専用レーンを走る公共バス

 もちろん朝晩ラッシュ時のバス内は相当混んではいる。

 しかし、タクシーより早く目的地に着く可能性が高いため、私も時間を急ぐ場合はバスを選択するケースが増えてきた。
 (まあ右折車両や沿道を出入りする車も少なくないため、度々走行が阻害されるケースもあるが、それでも渋滞に並ぶよりは速い印象)

 ただ、この状況には一般ドライバーから不満の声も出ており、不平等であるような意見のほかに、あまりバスが走らない区間にも専用レーンが設置され渋滞に拍車をかけているとされる。
 しかも迂闊に専用レーンに入ってしまうと、元のレーンに戻るのも容易ではない上に、罰則のプレッシャーもあるため、朝晩は常に緊張感のある運転が求められるようだ。

 しかしまあ上海のドライバー達には申し訳ないが、個人的な立場から言えば、上海で運転しない私にとっては公共バスの定時性は大変ありがたい話であり、車上の混雑さえ我慢出来ればタクシー費用も節約できて一石二鳥なのである。

 もとより、環境対策としてもマイカー通勤を止めてバスや地下鉄に切り替えることは大きな効果があるとされているわけで、PM2.5などの大気汚染に悩む上海市にとってはこの専用レーンの設置は一つ重要な施策であろうに察せられる。

 私としてもこの専用レーンの設置を含め、上海の交通網の更なる公共集約化によって上海の大気環境が1日も早く改善されることを是非期待したいのである。

上海の道路の中央分離柵

中央分離柵で渋滞が緩和しつつある上海

 最近、上海市内で中央分離帯や分離柵を設置している幹線道路が増えてきている。
 まあ、日本人にとってはごく当たり前の風景といえば当たり前の風景だが、ちょっと以前までは、上海でも当たり前の風景ではなかったのが、この中央の分離柵である。
  何故この分離柵が最近設置されたのかといえば、朝晩のラッシュ時にセンターラインを越えて、対向車線を走る車やバス(!)が絶えなかったからであり、非常に危ない状態だった。
 或いは対向車線をすり抜けた車両が再び交差点手前で合流するために、混雑に拍車がかかるような状況が上海市内の各地にみられたのである。
 そして恐らくその状況を改善しようと設置されたのが、この中央分離柵となっている。

上海の道路の中央分離柵

上海の道路の中央分離柵

 この中央分離柵設置後は当たり前の話だが、対向車線にはみ出す車もなくなり、車の通行が比較的安全になった。
 と同時に、流れが整流されたおかげで車の渋滞状況も幾分か緩和された印象となっている。
 具体的な計測データなどはないのだが、分離柵が設置された箇所の朝の通過時間は以前より短縮された印象で、それほどイライラすることなくスムーズに通過できるようになった。
 割り込みや無理な車線変更によるタイムロスがだいぶ減って、全体の通過台数が増えたのであろう。
 要するに、これまでの上海の混雑というのは車両の多さにも問題があったというより、運転マナーの低さに起因するものが多かったということになるのではないか?
 朝晩の通勤車両が多くなるのは仕方ないにしろ、運転マナーがよくなり流れが整えられれば渋滞も減るといういい見本のようなこの状況である。
 実は同じことは道路だけでなく、地下鉄の乗り降りや階段の上り下りにも言えるわけであり、車両には降りる人を待ってから乗るとか、ホームの階段も反対側の人の流れとぶつからないように上り下りすれば、スムーズに人が流れるのである。
 こういったことにようやく上海の行政当局や交通管理者が気付き始めたのか、少しずつ流れを整理しようとしている兆しはあちこちに見える。
 しかしながら、まだ不徹底なところもたくさんあり、人民広場駅の朝の人の流れなどはもう少し制限してもよいのではないかという気もしており、そういった変化を観察しつつ日々上海の街の中を動く毎日である。
 

外灘の事故と中国人の群集心理

 年明け直前の12月31日に、上海の観光地外灘で36人もの人が将棋倒しで圧死するという痛ましい事故が起きた。

 外灘で行われるカウントダウンイベント目当てに大勢の人が押しかけていたようで、私は今回は行かなかったがその混雑ぶりは数年前に同じ場所・同じ時間にいたことがあるのでなんとなく想像は出来る。

 ただその年は非常に寒かったので、今回よりは人出が少なかったんじゃないかと思うが、それでも結構な人数が出ていた。

 日本人からすると、今回の事故についてもう少し警備によって人数制限とかできなかったのかという感想も出るが、今回現場付近でお金がばらまかれたとか何とかの噂があり、必ずしも人数制限だけでどうにかなるものでもなかった気がする。

 日本もかつて2001年に明石の歩道橋で花火帰りの見物客が将棋倒しで死者が出た事故もあったが、あれは警備計画に無理があって事故が発生してしまったが、群集心理が働いた今回の事故とはどうも違うという気がする。

 どうも中国人というのは群衆になればなるほど群集心理が働くというか、元々周囲への配慮が得意な人々ではないので、周りが見えずにわれ先へと行動する分だけパニックがより深刻化する傾向があるようである。

 かつて私もこの中国の群衆状況に巻き込まれ、怖い思いをしたことが2度ほどある。

 1度目は、某欧米系家電量販店が上海に開店した際に、開店日に店へ行ってみた時のことである。
 私が行った時は既に長い行列が出来ていて、横に5~6人で縦に100m以上の行列となっていた。
 最初は大人しく行列に並んでいた周りの市民たちだったが、前が進まないのに段々と後ろからのプレッシャーが激しさを増してくるので、徐々に前に押し出されるようになった。
 警備員たちは、ガードレールのような車止めで人の流れを押しとどめ、前方のグループとの間隔を保っていたが、ある瞬間後ろからの流れにそのガードレールが決壊し、途端に人々が前へ前へと走り出すことになったのである。
 こちらも突き飛ばされそうになりながら、もみくちゃになりながら周りの流れに流され前に進むしかなかった。
 とどまっている方が危険を感じたからであり、中国人達の群衆の中に身を置くことの怖さをこの時初めて知ったのである。

 そして2度目は2年程前に元宵節に豫園に行った時である。
 たかだか幅20m程の道路の幅に、おびただしい人の流れが蠢いていてあたかも私の地元常磐線の朝のラッシュが横に3~4倍に広がっているいような状態で、ほとんど身動き取れないほどだったのである。
 まあ当時現場にはそれほど危険な要素はなかったので、その日は無事には済んだが、何かちょっと起きたら命が危ないなと思える程芳香性の無い押し合いへし合いの凄い状態だったのであり、上記の件で中国人の集団心理の怖さを知っているだけに、やはり怖さを感じちょっとビクビクしていたのである。

 実は上海ではこんなイベントの日だけでなく、普段からいつでもパニック的である。
 例えばバスへの乗車一つとっても、普通のバス停では誰1人もな並ぶ者はなくバラバラな位置で待っており、バスが近づくのが見えてくると、横並びであった人たちが少しずつ他人より優位な場所に立とうと徐々に肩を前に迫り出し足を迫り出し、車道側に競って近づくような行動をとるのである。

 そしてバスが到着した途端に入り口にわーっと列も作らず群がる。

 まるで餌に群がる池の鯉の如きの風景のパニック状態となる。

 まあバスの始発駅のような行列用通路が設置されている場所であれば、大半の人は諦めて並ぶようだが、そういう場所でさえ並ぶのを嫌って先頭付近でバスに乗ろうとする人も未だ少なくない。

 彼らは並ぶのが相当嫌いなようにしか思えず、行列は無駄なんじゃないかと思っている節があり、実はイベントなど特殊な環境でなくても日常からこのようなパニック的行動を毎日の様に繰り返しているのである。

 2010年の上海万博では、中国人の行列マナーの悪さがさんざん有名になったが、5年たった今でもマナーの面ではほとんど変わっていないのが現実である。

 こういった文化状況の国で、今回の外灘のような事故が起きても何ら不思議ではなく、私としてはあの場にいなくて本当に運が良かったなというのが正直な感想である。

 日本でも明治神宮や成田山の初詣など大勢の行列が毎年発生するが、日本人が行儀良いのと警備方法がツボをついているので、近年ではどんなに混んでいてもパニックになったことはないし、ここ数年元朝参りでその手の事故はなかったような気がする。

 もちろん警備の対応が甘ければ、明石のような事故や昨年末の東京駅100周年スイカ事件のようなことは起きる可能性があるのだが、やはり大きな事故が起きることは滅多になくなった。

 今回の外灘の事故を受けて、中国当局はどういった反省をし対応を取るか分からないが、現地外灘の警備云々を考えることも大事だが、普段のバス乗車マナーなど基本的な集団行動意識から見直さないと根本的な解決にはならないような気がするのである。
 

真ん中にマンホールは危ない

 上海市内の道を見ていると、幹線道路のど真ん中などにマンホールの蓋が沢山置かれているのが分かる。
 その蓋を良く見てみると、雨水などと書いてあり雨水排水用の施設であることが分かる。

上海の雨水のマンホール

上海の雨水のマンホール

 上海の道路では、雨水の排水は路側帯の部分ではなく、道路中央部に設けられ、真ん中で雨水を処理するようなスタイルとなっているようだ。
 日本の主な道路は恐らく中央部分を高くして路側側に水を流してそこで水を回収するスタイルを取っている道路がほとんどだと思うが、どうも上海はその発想ではない様である。
 まあ水の排水方法など、排水機能が働けば位置はどこでも良いような気もするが、こうも道路の真ん中にマンホールが沢山あると、自然と道路は凸凹となる。

点在する上海雨水用マンホール

点在する上海雨水用マンホール

 また排水機能だけでなく、通信設備用や電話線用など結構沢山のマンホールが道の真ん中にあり、道路を凸凹にする。

交差点の通信設備のマンホール

交差点の通信設備のマンホールは道を横断するように並ぶ

 そうでなくての上海の道路舗装技術は高いとは言えず、舗装後数年も経たないうちに道路が凸凹になるケースが多々あるのである。

上海での舗装工事の様子

道路を部分舗装をしてしまうケースも多い

 こういった道路を自動車やバスが走ると、凹みの度に振動が有りスピードを出している際は危なく感じることも少なくない。
 特にバスなどは非常に大きく揺れるし、凹みによる振動で運転が制御しきれず事故に結び付くケースも少なくないと思われる。
 また車体やタイヤの耐用年数にも大きく影響するであろう。

上海の道路上のマンホールと窪み

走行に影響するくぼみが沢山ある

 これは上海の例であるが、地方都市の状況もほぼ同様だろう。

 こういった道路行政というか道路管理のあり方が変わらない限り、上海の道路環境はいつまでも経っても良くならないという気がしており、事故も減らないのではないかという気がするる。

 まあここに暮らしている地元の人間は、あの道路の状態が当たり前なのかもしれないが、やはり車体の耐用年数や安全面からマンホールの配置を考慮した方がいいのではないかと思う外国人としての感想である。