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どう見ても鳥より豚が危ないインフルエンザ

 死者が出てにわかに騒がれ始めた鳥インフルエンザだが、どう見ても感染源として鳥より豚の方が危ない気がしている。

 鳥インフルエンザという名前が先行しているため、鳥の伝染病のイメージが強すぎるのか、領事館などから回ってくる案内にも鳥や家畜に注意しろという案内になっていて豚については直接触れられていない。

 もちろん、あの病原菌の大元が鳥だというのは医学的にそうなのかもしれないが、現実に異常現象が現われているのは鳥ではなく豚である。

 先日の黄浦江の豚の大量死事件はどうみても悪い伝染病の仕業にしか見えず、今回の死者の1人が江蘇省からやってきて豚肉を販売していたというから、豚肉を通じた感染ということは十分考えられる話である。

 時期的にも豚の大量死事件とこのインフルエンザで人が亡くなった時期は重なっており、とても偶然とは思えない。
 それに鳥インフルエンザだというのに鳥の大量死事件などの話は今のところ全く出て来ないのである。

 むろん、この国の事だから情報を押さえて隠しているということは十分ありうるだろうが、人間に死者が出て豚の大量死の報道が出ているのに、鳥の大量感染が噂にもならないというのは不自然な話で、実際のところ鳥の感染はほとんど広がっていないというのが現実のような気がする。

 聞くところによると中国では豚と鳥を一緒に飼うらしく、鳥から豚への突然変異による感染というのは可能性がある話だとのことで、今回のインフルエンザの感染元は豚である可能性は否定できないようだ。

 まあ、その辺はおそらく当局も把握し調査していることであろうが、鳥インフルエンザが豚に広がっている可能性があるなどと発表すると市民がパニックを引き起こす可能性もあり、実際に事実は確認されるまでは情報は何も発表されないであろう。

 とにかく、状況を見る限りどう見ても現在警戒すべきは鳥より豚のような気がする。


空港を意識する帰巣本能

 このことは特に日本人だけとは限らないと思うが、我々が自分の故郷以外の街に住むときに、住居選びで必ず意識するのが故郷への帰り道だという気がする。

 つまり上海にいる日本人であれば、上海浦東国際空港への経路を常に意識して住む場所を決めているような気がするのである。

上海浦東国際空港の日本航空機

上海浦東国際空港の日本航空機

 まあ会社で住居をあてがわれている人はそれを自ら意識することは少ないかも知れないが、実際空港に通ずるルート上の便利なところが現地の住居として選択されるケースが少なくない。

 故に上海に住む日本人に地下鉄2号線沿線が人気なのは、空港に直接通じたりリニアに接続するからである。
 即ち日本へ帰るのに都合の良い場所であるからであり、単に沿線が発展しているから集中しているのではないと思われる。

 もちろん古北・虹橋地区に日本人に関連する施設や住居が集中しているのは、かつて上海虹橋国際空港が上海のメインの空の玄関であったことと大いに関係があるし、現在浦東に多くの日本人が住み始めているのも背後に浦東国際空港の存在の影響は非常に大きいであろう。

 古くは日本の旧租界地が、黄浦江沿いの埠頭の近くだったことも同様の意識があったと考えるに難くない。

 さらに日本人ばかりでなく、現在龍白地区に韓国系や朝鮮族が多く住みついているのも虹橋空港の存在なしには語れない気がする。

 そしてこの傾向は何も外国へ居住する場合に限らず、日本国内で故郷以外の土地に住む場合にも当てはまる気がする。

 例えば日本の東北出身の人は東京の北側に住む傾向があり、西側から来た人はやはり東京の西側、つまりそれぞれ故郷に近い位置を選択しているような印象がある。
 もちろん会社の都合で転勤している場合はこの限りではないが、自由に選択が出来る場合はそういう傾向があるように見える。

 逆に、そういった故郷への経路に近い場所への選択をしなくなったときは、故郷への未練を捨ててしまったような場合ということになる。
 つまり上海にいる日本人で言えば、2号線などの空港への導線から遥かに離れた場所に居を構える選択をするということは、帰郷の優先順位が低くなっていることを意味し、現地に当面住み着くことを決め込んだような人だという気がするのである。

 さて、こういった人間の帰郷意識が影響する住居選択の傾向を見つけてみて、現在の自分の部屋探しの基準を考えていくと、やはり空港へ出るのに不便な場所に住むのはできれば避けたいという意識がどこかにあることに気が付く。

 つまり地下鉄2号線沿線から遠く離れるのは心情的に相当勇気のいる決断という意識がどこかにあり、やはりなるべく帰国の際に便利な場所がいいという意識になっている。

 例えタクシーで一気に空港という選択を含めたとしても、やはり空港に出やすい場所を意識して部屋探しをしようとしている自分がいるのである。

 まあそういう自分にちょっと安心感もあり、上海生活に対する覚悟不足なのかなぁと感じる面もなくはないのである。



 

高く見えない上海環球金融中心

 金茂大厦と上海環球金融中心はどちらも上海を代表する高層ビルで並ぶように立つのだが、金茂大厦は高さ420m、上海環球中心は高さ492mと環球中心のほうが72m程高く、実際環球中心の最上階の展望台からは金茂大厦が見下ろせる。

 しかしながら陸家嘴駅付近からこの二つのビルを眺めると重なるように見え、しかも遠近法の関係で奥にある上海環球中心のほうが若干低いかのように見えてしまう。

 

陸家嘴駅からみた金茂大厦と上海環球金融中心

陸家嘴駅からみた金茂大厦と上海環球金融中心

 もちろん十分な距離をもった位置から見れば確かに、環球金融中心のほうが高いのは明確なのだが、このビルとビルの間隔がせいぜい200mそこそこなため、至近距離から見ると金茂大厦のほうが高く見えてしまう。

 しかもこの角度は、東方明珠塔など観光客の多い場所からの方向なので、多くの観光客は勘違いしやすいだろう。

 まあこんな世界ランキングに並ぶような2つのビルをこんな至近距離に建ててしまうことに問題の根源があるのだが、これにも懲りずまた道路一本挟んだすぐ隣に上海中心大厦という高さ600mのものが建設されている。(写真右)

 高さを争いたいというのが明確な上海のビル達だが、そうならばお互いもう少し離れて建てた方がそれぞれの魅力が出てくると思うのだが、上海の人にはそれがわからないのであろうか?

 上海環球金融中心のように、折角隣のビルを上回ったのに、そう見えないというのは非常にもったいない話だと思う。

開幕まであと1年!の上海万博は絶対に暑い・・・

 いよいよ上海万博まであと1年ということになった。日本館の名称が決まったというニュースも確かに耳にした。
 各外国のパビリオンも次々青写真が出来上がってきているようだ。

 このようにいろいろと小出しにニュースが伝わってくるが、まだまだ実感というものは少ないし、正直いって何が見所なのかはまだまだ伝わって来ないので期待という程のものはまだ膨らんでいない。

 しかしとにかく来年の今日には始まるはずであり、この季節に万博が行なわれるということである。まだ5月初めだというのに最高気温は25度ほどになっている。既に外を歩くだけで汗ばむような陽気である。

 そんなとき、ふと各パビリオンのデザインスケッチを思い出して、気になったことが出てきた。スケッチに出ている各館は確かに魅力的で素晴らしい未来的なデザインなのだが、果たして本当に機能的な建物なのかということである。

 平たく言い直せば、あの中は暑くないのかという疑問である。もちろん近代設備であるからして空調は考慮されてるいるに違いないが、どうもキラキラしすぎる建物が多く夏の日差しで照らされた時に、中の気温が上がってしまいそうな印象の建物ばかりである。

 さらに建物の外に目を向けると閑散とした木が植えられているだけのスケッチになっている。もちろんスケッチなので実際とは異なるかも知れないが、少なくとも木が生い茂っているようなイメージにはなっていない。

 つまり、パビリオンの中はともかく、少なくとも外では上海の夏の日差しに照らされて、地面のコンクリートの照り返としパビリオンの壁面の照り返しを受けながら歩かなくてはならない。これは想像するだけで厳しい環境になりそうだ。
 それでなくても上海の夏は非常に暑い。東京の夏も確かに暑いが、盛夏の上海はその比ではない。去年の夏、北京を歩き回った時に死ぬ思いをして暑い中を歩き回った記憶があるが上海はそれ以上である。

 会場運営者は果たしてそこまで考慮して準備しているのだろうかと非常に心配になった。暑さの中で日射病で倒れる人がばたばたと出るのではないか?あるいは水分を取りすぎてお腹を壊し、トイレに行列が出来るのではないか?
 それでなくても中国はオフィスビルのトイレの数が少ない気がしており、全体的にトイレに配慮が足りないお国柄のような気がする。

 そんな中で間に合わなかった人が昔の習慣のままそこらへんに構わず●●●するのではないか?考えるだけで非常に心配になってくる。

 まあこの想定の中で救いとして考えられるのは黄浦江という川沿いでこの万博が開催されるということ。
 少なくとも内陸よりは川面を渡る風が涼を運んできてくれる可能性はある。
 でもこればっかりは想像でしかなく、暑さ自体は確実なので、状況をどこまで救ってくれるのかは未知数である。

 こうやって考えていくと、折角上海という現代の最先端都市でやる万博なのだから、実はヒートアイランド現象対策などの最先端の都市問題の解決といったようなことををもっと前面に押し出したテーマであるべきなのではなかったのかと考えてしまう。
 つまり各パビリオンもキラキラの建物ではなく、屋上緑化など都市問題の解決策の実験場のような場所であるべきではないのかと思うのだ。例えば建物の上に木を背負うような姿は、見た目にはそれ程スマートじゃないかも知れないが、それだけに逆にインパクトがあり、しっかりした主張を感じることが出来て、万博の出展として十分意義があったように思う。

 まあ高度経済成長真っ只中の中国がキラキラデザインを近代的だと考えるのは致し方ないかもしれないが、そそそろ成熟を見せてもいいと思われる日本の出展は、キラキラの近代化とは一線を画したもう少し大人の姿を見せても良かったように思う。

 そう考えるとあのデザインはある意味時代遅れのような気がしてきて残念である。

 ましてや建物内を空調フル回転で暑さを乗り切ろうなどと考えているのだとしたら、環境国家として余りにも二流の対応であるが果たして実態はどうか?

 兎に角1年後、万博は始まる。
この暑い中でも私はやっぱり上海万博の会場の中に足を運ぶのであろうか?
今の時点ではちょっと自信がない。

フェリーで黄浦江を渡る

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以前から乗ってみたいなと思いつつ、なかなか機会を見つけられなかったのだが、今日久々に外灘まで出向いて、挑戦してみることにした。外灘の観光客相手の豪華な仕様の客船と違い、こちらは完全に庶民の足として利用されている、いわゆる「渡し舟」である。
 乗り場も大通りから少し引っ込んだところにあり、バスの起終点ともなっているようで完全に市民の足のネットワークに組み込まれている事がわかる。
切符はバスの始発駅のような鉄格子に囲まれた販売所で売っているが、私は交通カードを持っていたので改札口のようなところを通過する時に、バスに乗車する時と同じ様に、カードをかざせば通過できる。ただしここで注意が必要なのは、バイクなども同じ渡し舟に乗るので、それぞれに読み取り機が別に設置されており、かざす機械を間違えてしまうと高い料金が加算されてしまうので、よく確認してからカードをかざした方がいい。大人一人0.5元!安い!

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そして、実際の船はいたって簡単な構造で、屋根付のタグボートとのような、何の敷居もない人とバイクと荷物が混在するような空間が存在するだけの船であった。その空間の端にお年寄りなどの身体的弱者のための気持ちばかりのベンチはあるが、それ以外は何にもない、ただ立った状態で向こう岸に着くのを待つしかない空間である。まあお世辞にも綺麗な空間とは言い難い。
ここへ来る前は、香港の香港島と九龍半島を結ぶスターフェリーのようなものを期待していたが、見事に期待を裏切られたというか、ある意味想像通りというか中国的な渡し舟以上のものではなかった。
船に書かれている定員をみると1000人と書いてある。実際1000人が乗る事はないであろうが、ここに1000人乗った状態を想像すると、とても恐ろしい状況だ。遭難船から避難したボートの状態よりひどいかもしれない。
出航ベルがなると、自動ドアならぬ自動鉄格子ががーっと音をたててしまり、さながら奴隷船のイメージが先にたってしまう。

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こんな船だがやっぱり黄浦江を渡る時間は川面を渡る風が心地よい。近くに外灘と浦東の空間が見え、黄浦江を行き来する貨物船の姿もよく見える。反対岸まで10分にも満たない短い時間だが上海の都会にあって、貴重な心地よい時間である。
あっという間に反対岸に船が着くと、乗った側と反対側の鉄格子が開き、桟橋をわたってバイクと人があっという間に下り、ゲートを出た先に待つバスなどに人が散っていく。
こちら側でも市民の足に完全に組み込まれている。今後トンネルや橋の整備で淘汰されていく運命にあるこの渡し舟であろうが、今しばらくは市民の足として頑張ってほしいものだ。というかそれまでの間であってももう少し綺麗に欲しいものです。。。