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日本土産に目だつ炊飯器

 先週末、日本に所用で一時帰国したのだが、上海に戻って来て浦東空港のターンテーブルで見つけたのが日本製の炊飯器。

上海浦東国際空港のターンテーブル

上海浦東国際空港のターンテーブル

 以前から中国人達が日本製のものを好んで買い持ちかえることは知っていたが実際目の当たりにしたのは初めてだった。

 しかも同じ型番と思われるものが数台ターンテーブルを回っていた。

上海浦東国際空港のターンテーブル

 ひょっとすると、友人同士で日本旅行に行って同じものを買ったのかもしれないし、或いはタオバオなどネットモールで売るための仕入れだった可能性もある。

 まあ確かに日本の米はうまいし、炊飯器へのこだわりも並々ならぬものがあり、中国人たちの現状の食生活を見る限り、あそこまで凝った炊飯器が産みだせる土壌があるとはとても思えない。

 故にどうしても美味しいご飯を食べたい場合は、「外国で買ってくる」のが現実の判断になってしまうのかもしれない。

 でもその炊飯器はメイドインチャイナだったりすることも良くあるのが世の中だったりする。

凄すぎる日本メーカーの炊飯器へのこだわり

 日曜日に新しい炊飯器を買った。

 従前の中国製の炊飯器も壊れていなかったのだが、どうも炊き上がりが悪くかつ保温が長く持たないのですぐにご飯が駄目になってしまっていた。
 まあ100元程度で買ったものだから仕方ないと思いつつも、これでは自炊していても米に無駄が多く出てしまい、ひょっとすると体にも悪いかなと思い買い換えることにした。
 とはいえそんなに予算も無かったため今回買ったのは高価なIH炊飯器でなく電気炊飯器である。

 ただ今回は購入の目的が目的であるだけに値段はともかく日本メーカー製という条件にはこだわった。

 何故なら、日本メーカーの炊飯器の情報を調べていくうちに並々ならぬ努力というか工夫が炊飯器という商品に詰め込まれていることを知ったからである。
 特に東芝社製の炊飯器は、自動電気炊飯器を初めて作ったメーカといわれるだけにこだわりようはハンパではなく、その商品説明の内容からして驚きの連続であった。

「真空吸水うるおい仕込み」
「圧力剛熱はりつや炊き」
「真空仕上げ」
「酵素活性 甘み引き出し」
「真空美白保温」
「真空うるおい予約」
「発熱体ディンプル ダイヤモンド銀釜&釜底WAVE」

 などと、おいしそうながらも新鮮な言葉がたくさん並んでいる。しかも主婦層を意識しているのか化粧品につくような形容詞がたくさんついている。

 各々の技術の詳細はメーカのホームページなどを見ていただければいいと思うが、この言葉だけを並べてみても、たかが炊飯器によくぞまあここまでこだわれるなぁという開発者の心意気を感じとれる内容である。

 つまり現代の炊飯器は技術者の知恵がこれでもかと詰め込まれ、そんなところまで気を使っているのかと思えるような工夫の結晶のような商品になっている。

 そして恐らくこれらは他の技術の転用などではなく、ひとえに「おいしいご飯を炊く!」ためにだけ開発された技術であろうということは、このこだわり方から何となく想像がつく。
 まさに日本人の「ご飯をおいしく食べる」ということに対する異常なまでのこだわりがここに現れている。

写真はイメージ

 こんな「おいしいご飯を炊く」ということにこだわる日本メーカーの商品だからこそ、例え価格が安い電気炊飯器であっても、その炊き上がりのおいしさを信じて買うことができる。

 実際今回買った電気炊飯器は東芝社製の399元と非常に安価なものであったが、昨夜炊いた炊き立てのご飯は無論のこと、今日まで残したご飯も非常においしくいただけた。

 今までの中国製メーカーのものではあり得なかったうまさである。
さすが日本のメーカーさまさまといったところである。

自分で炊いた飯が一番うまい

久しぶりに飯を炊いた。

ここ半年ばかり料理をしていなかったのだが、どうにもうまいご飯が食べたくなった。

夏の上海は暑いので台所に立つのは苦痛で、その上買い物に行く時間がなかったり素材の管理が面倒くさかったりして料理を放棄していた。

 つまりここしばらく外食や弁当で食事を過ごしていたのだが、やはりどうにもうまいご飯が食べたくなった。

 中国生活の場合、他の外国と違ってどんな店でも白米のご飯は食べられるので、その点でホームシックにかかるようなことはないのだが、どうもおいしくない。
 もちろんまずいという程のものであればそのお店には行かず、まずさを感じない程度なら普通に食べるが、それでも決して不満がないわけではない。

 どうも上海、というか中華料理系のお店は総じてご飯に力を入れていない気がする。
 それは日系のお店でも同じで、以前上海の某日系中華料理店がうまいという評判を聞いて食べに出かけたことがあったが、確かに料理はそれなりにおいしかったが、ご飯がボソボソだった。

 「なんだこのお店は表面上の味ばかり追及してて、もしかして本当は料理の基本ができていないんじゃないか?」と思った。それ以来その店にはほとんど足を運んでいない。

 そのくらいご飯の印象が悪かった。

 また例え日本料理店でも、本当にうまいと思えるご飯には滅多に出会わない。

 この4年余りを思い出してみてもご飯のおいしさが印象に残っている店は上海でも2~3店舗しかない。

 あとは及第点ではあってもとても印象に残るようなご飯には出会わない。

 結局そんな環境が続くとおいしいご飯が恋しくなる。

 すればおいしいご飯は自分で炊くしかない。

 少なくとも自分が知る限り自分で炊いたご飯が上海生活の中で一番うまいと感じる。
 そんなに自分で炊いたご飯が好きならば毎日自分で炊けばいいじゃないかと思われるかも知れないが、自分自身がご飯に求めるレベルが高いので、それが自分自身で面倒くさいのである。

 何故ならおいしいご飯を炊くには手間がかかる。

 決して特別なテクニックがあるわけではないし、お釜を使っているわけではない。

 普通の安い中国の炊飯器を使っている。

 ただ基本に忠実に炊いているだけだが、実はその基本が面倒くさい
 

 ①まずご飯を研ぐ。洗うではなく研ぐ。ご飯の糠をとる作業である。水を入れて手のひらを使って押すように米と米をぶつける、力を入れると米粒が割れるのでほどほどの力で水を入れ替えながら4~5回行なう。

 ②研いだお米をザルにあけ、水を切って乾燥させる。30分から1時間程度が理想的。こうすることによって研いだ米から水分を抜き炊いたときに水を吸収しやすくするためである。

 ③水を切った米を今度は水に浸す。乾いた米に今度は水を吸収させる。一般的には1~2時間が良いとされているが私はもう少し時間をかけて2~3時間をかける。 

 ④頃合を見計らって炊飯器のスイッチを入れる。中国なら竹炭などを入れておくとなおよい。
 中国の水は硬水なのでカルシウム分が多く、そのまま炊くとカルシウムが米に付着して水分の吸収を妨げご飯がぼそぼそになるのだが、竹炭を入れておくことにより、それを防いでくれる。
 ⑤炊き上がったら10分以上蒸らす。

となる。

これだけでご飯はおいしくなる。
 これで火加減を絶妙にコントロールしてくれる日本の炊飯器を使ったらさらにうまくなるのだが、中国製の炊飯器でもこうやって炊くことによって少なくともそんじょそこらの飯よりは断然うまくなる。
 米も高級品は全く必要ない。(とはいえ私は中国国内産のコシヒカリとかを使ってしまったが)

 ただしお分かりのようにやたらと時間がかかる。そこがかなり面倒くさい。
 もちろん自分で炊くときに基本に手を抜けば、そんじょそこらのご飯と同じレベルになってしまうので意味がない。
 だから面倒くさい。
 
 よく中国でご飯がまずいという人はお米や炊飯器などのせいにしたがり、やたら高級品を求める傾向にあるが、確かにその差はないとは言えないが、私は炊き方による差が一番大きいように思う。

写真はイメージ

 強いて言えば水の影響は大きいのだが、竹炭の工夫など炊き方を変えるだけでやはりご飯はうまくなる。
 まあ自分の手間ひまを惜しんでハードに理由を頼って美味しい物を食べようという根性がまず駄目であろう。

 うまいものには手間ひまがかかるのである。

やはり自分で炊いた飯がやはり一番うまい。

日本食品メーカーの中国進出の壁

最近、日本の色んな産業分野の会社が、市場の縮む日本への希望を捨て、中国市場進出に躍起になりはじめている。

 特に食品関係メーカーの中国市場開拓は急務のようで毎月のように日本からメーカー担当者が上海へ商談会にやってくるようになった。
 私も、時々そういうところへ行ってお話を伺ってくるのだが、各企業のPRを聞いているうちに日本の食品メーカーにとって壁になるであろう日中の食事情の違いに気がついた。

 それはご飯、つまり白飯の問題である。

 日本の食品は、総じてご飯をどう美味しく食べるかという観点に基づいて商品開発が行われている。

 つまりおいしいご飯があって、それに付随する食材としての商品がかなりの割合を占めている。

 ふりかけ、漬物、お惣菜、全てが「美味しくご飯が食べられますよ」とのPRで食品が作られている。
つまり全て美味しいご飯がなければ成り立たない食品ばかりなのだ。

 しかし、それでは日本メーカーの食品は中国の食生活に入っていくことが出来ない。

 何故ならば、実は中国の食生活においては白米のご飯への依存度が日本ほど高くない

 もちろん中国人も白米のご飯は主食として食べているが食事の中心はどちらかというとおかず(菜)のほうであって、ご飯はその「おかず受け」の役割しか持たされていないというのが中国の食事の基本スタイルである。

ここが同じように見える日本と中国の食生活スタイルにおける最大の違いと思われる。

 その理由として中国はご飯そのものがあまりおいしくないという事情がある。

品種や米の生産管理手法から来る品質の問題もそれなりにあるが、それよりも原因として大きいのは炊き方の問題のような気がする。
 実は中国は日本に比べて米の炊き方が非常に粗雑である。

 本来は白米のご飯は、お米を「研ぎ」「水を切り」「吸水させる」という手間をかければ少々安いお米でも、それなりにおいしいご飯に炊き上げることができる。

 しかしながら面倒くさがりというか、気の短い中国人はその手間をまずかけない。
 米を「洗った」あと、すぐに水を足してご飯を炊き始めてしまう。
 これでは白米に美味しいご飯に炊き上げることは到底無理である。
 それが証拠に中国人はご飯の良し悪しを米の銘柄だけで決めている節があり、ブランド品を非常にありがたがる傾向にある。
 
 また上海などにおいては水の問題も大きい
 米の炊飯に向いているのはカルシウムの少ない軟水なのだが、中国の水はほとんどが硬水である。

 硬水でご飯を炊くと米にカルシウムがたんぱく質と結合してごはんがぱさぱさになる。実際ローカルの食堂で出てくるご飯はかなりぱさぱさしている。

 さらに炊飯器の質もよくない
 中国から来た旅行者が秋葉原で買い求める商品の第一位が炊飯器であることから、いかに中国製の炊飯器が貧弱であるかわかるであろう。

 故に中国のこんな環境ややり方で炊かれたご飯がそれほどおいしくなるわけがないのは自明の理である。
 そして、そんなおいしくないごはんとの組み合わせにターゲットを置いた日本の食品メーカーの目論見はやはりうまくいかないと思われる。

 中国人に日本の食品を買ってもらうには、まずご飯をおいしく炊いてもらって食の中心としてもらえるよう啓蒙をするか、あるいはご飯以外の中国の食材と組み合わせて食べてもらえるような「現地化」した商品開発の工夫が必要になる。

一品一品の商品は非常に美味しい日本の食品だが、もの珍しい食品としてではなく日常の食生活の中で利用してもらえるようになるには、現地の食事情や食習慣を深く知ることが必要であろう。

 そこに気がつけなければ中国の13億人市場など、揚子江の霧の向こうに遠く霞んでしまう。
 日本のメーカーにはぜひ頑張っていただきたいなと思う今日この頃である。

秋葉原探訪記 メイド喫茶や増える中国人

秋葉原事件の献花台

秋葉原事件の献花台

先日、日本を訪れたときに時間があったので秋葉原を久しぶりに訪れてみた。
秋葉原といえば先日、通り魔事件が発生したばかりで重いムードに包まれているのかと思いきや、警官はさすがに多いものの特別重い雰囲気というものは特になかった。

秋葉原の街並み

秋葉原の街並み

もちろん、事件直前の秋葉原を訪れているわけではないので比較対象がないのだが、少なくとも重苦しさは感じなかった。
 逆に言うとこの状況はとても怖い。
 事件現場を携帯のカメラで撮る人々がマスコミやネットで非難を浴びていたり、事件現場の撤収後15分後には街が元の雰囲気を取り戻し何事もなかったように動いていたという。
7人もの命が奪われていた重大な事件があったことを考えると、この状況はちょっと怖い。

街を歩きながら、そんなことを考えていた。

秋葉原の街で宣伝するメイド

秋葉原の街で宣伝するメイド

その深層を覗こうと、路上で声をかけられたメイド喫茶に興味本位で入ってみた。「お帰りなさい、ご主人様!」の声で迎えられ、可愛いメイド姿の店員がたくさんいた。
客はほとんど男ばかりであるが、何組かのカップルもいた。 中国人もたまに訪れるようになり、大体は英語でコミュニケーションをとるという。
白を基調にした店内にはクラシック音楽が流れ優雅な雰囲気を演出していた。私はアイスクリームとアイスココアを注文し、店内の様子をウォッチングすることにしてみた。

秋葉原のメイド喫茶で食べたアイス

秋葉原のメイド喫茶で食べたアイス

常連と思しき人がメイドの一人と話をしていた。会話の内容を全部聞いていたわけではないが、どうやら内容はあの事件への愚痴が多かったように思う。
事件への関心はあるようだが、どうやら関心を持つ視点が違い、自分のテリトリーを荒らされて秋葉原の日常の雰囲気が変わってしまったことに対する不満のようだ。
やはり他人より自分という自己中心的な発想を持っているということになろうか。
 

秋葉原のドン・キホーテ

秋葉原のドン・キホーテ

結局何となく居心地の悪いその空間は30分くらいで脱出し、街をぶらぶらした。
気がついたのは免税店を中心に銀聯カードが使えることをPRするお店が増えたということだ。秋葉原でも最近かなり中国人観光客が増えているという。
目的はやはり、メイドなどのPOPカルチャーよりデジカメやパソコンなどの電子機器が中心だが、意外にも炊飯器が売れ筋らしい。中国製の炊飯器は質が悪くおいしく炊けないので日本製に人気が集まっているという。
ドンキホーテまで銀聯カードの扱いをはじめたようだ。
 ますます日本への中国人進出が高まっている気がする。

秋葉原のお店

秋葉原のお店