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深夜の羽田空港枠が中国便に狙われている。

2010年に羽田空港の深夜発着枠が開放され24時間化して久しいが、最近中国の航空会社が、比較的枠に余裕のある深夜枠を狙って乗入れてきている。

 ここ1~2年の中国からの観光客増加に象徴されるように、日中間の航空便市場でも毎月のように中国からの日本乗り入れ便が増加し、夥しい数の航空便が中国から乗り入れるようになった。
 とはいえ、ここ1年の乗り入れの中心は関空や中部、静岡など比較的発着枠に余裕のある西日本の空港が中心で、東京の2大空港や東日本の空港は発着枠がいっぱいだったり、自衛隊との共用のために共産圏からの乗入れ制限があるなど新規路線は政治マターであったため、西日本ほどは増えてはこなかった。 

 ところがである。

 どうしても東京近郊へ乗入れたい中国の航空会社は、余裕のある羽田の深夜枠に目をつけたようである。
 昼間は発着枠がほぼ埋まっている羽田といえどもに、24時間化以降もさすがに深夜は便数は増えずかなり余裕があり、乗入れ枠数には問題が無い状態である。

 されども深夜は深夜であり、当然のことながら受け入れの東京は24時間都市といえども主なる公共交通機関はストップしており、何より大半の人間は睡眠に充てている時間帯なので行動需要は低く、深夜に離発着する便はほとんど無かった。

 しかし、そこは団体旅行が主となっている中国人旅行客たちの強みであり、ホテルへ移動する団体用大型バスを用意すれば良いと考えられたようである。
 また当の中国人旅客たちもたくましくどうやら深夜移動は伝統的に慣れているようで、以前から春節時期の深夜バス移動や夜通し走る夜行列車を思えばそれほど苦にならないのであろう。
 それ故に、今年になって中国からこの羽田深夜枠に乗り入れる便が急に増えた。

 上海からは春秋航空、吉祥航空の乗り入れが始まり、上海航空も不定期的に定期便コードを持つ便を、羽田に深夜1時到着2時出発で運航させており、つい最近天津からも天津航空や奥凱航空が同じ時間帯に乗り入れを開始した。

 以前から香港への出発便は1時にあったが、これらの中国便はそれよりも遅い。

 まあ日本へ来る便は1時着なので乗客もちょっとした夜更かし程度だが、上海に戻る便は3時間半程度のフライトで朝の4時半着だというのだから、かなりの強行軍ではある。
 もちろんビジネス客にとっても真夜中に移動できるのであれば、時間を効率的に使うことが出来るわけで、体力的不安を別にすれば便利といえば便利でもある。

 今後も恐らく中国人訪日客が増える限りこの時間帯への乗り入れは増える可能性が高く、深夜の羽田空港は中国人だらけというの状況になりつつあるようである。

遠すぎる空港

先日、上海浦東空港から夜間に帰ってくる時があった。

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 もう地下鉄やリニアはとっくに終わっている時間で、リムジンバスも通常便は終っており、最終便到着便のあとに市内へ向かって乗客を運ぶ夜間便しか走っていない時間帯だった。

 タクシーを使ってもいいが、まあこの時間だと200元以上になるし、時間だってやはり1時間以上かかり、急ぐ帰宅でもなかったので結局バスを利用することにした。

 とにかく空港が市内から遠すぎるのである。

 先日安徽省の合肥の空港が新たに移転開港したというニュースを目にしたが、気になって新旧空港の位置を地図上で確かめてみたが、旧駱崗空港はほぼ市内に隣接する形で中心部から5キロも離れていない位置だったが、新空港はなんと市内から40キロ近くも離れている。

 またエラク遠くへ離れたところに新しい空港をつくったものである。

 バスだと1時間、タクシーでも40~50分くらいはかかるだろう。

 もちろん市内に近いと、騒音問題や敷地確保などの面でいろいろ問題があるのかも知れないが、それにしても今回の新空港は遠すぎで、こんな市内から離れた空港は空港専用鉄道などの存在が無ければ非常に不便なのだが、実際は中国にも日本にもこんな空港が沢山作られているのが現状だ。

 そもそも現代社会における飛行機という乗り物は飛行時の速度に比べて地上での手続きやアクセスが不便すぎる。

 例えば、この上海浦東空港から合肥新橋空港までの飛行時間は約1時間であるが、飛行機に搭乗するには遅くとも離陸前の30分前に手続きを終えなければならず、つまり1時間くらい前に到着を目指す必要がある。

 そして私の家からこの浦東空港までの地上アクセス時間はタクシーでも1時間かかり、つまり飛行機の離陸時間の2時間前には始動する必要があることになる。

 そして到着先の空港から市内まではさらにタクシーで1時間を要し、飛行時間を含め計4時間を要してしまう。

 これに対して、高速鉄道ならば現在上海と合肥の間は最速で2時間40分くらいで、駅までの時間と駅からの時間を計算しても計1時間程度で、乗車時間と合算しても航空機に対しては既にかなり優位になっている。

 飛行時間そのものは圧倒的に優位に立っているのに、前後のアクセスで足を引っ張られるのは非常に勿体ない話である。

 これは日本の空港にも同様の傾向が見られ、成田、中部、関西、新千歳などは市内から遠く離れ1時間以上を要してしまう。

 逆に優秀なのは羽田、伊丹、福岡で、これらの空港は市内と目と鼻の先であるが、それ故の騒音問題も取りざたされ痛し痒しなところはある。
 

 まあ一般的な都市の空の玄関窓口として空港が置かれる位置は、市の中心部から20キロ程度で十分であるような気がしている。

 例えば上記の合肥の場合は現在人口450万人程度であるから、人口密度を東京と同じ1平方キロメートルあたり6千人として計算するとおよそ中心部から15キロ程度の範囲内に全ての市民が収まる計算になり、騒音問題等などを意識したとしても都心から20キロで十分な距離なんじゃないかなという気がする。

 20キロならタクシーで20分、バスでも30分程度で空港にアクセスでき、かなり身近に感じるることが出来るが、今回の合肥空港の40キロというのはどう考えても離れ過ぎで遠すぎである。

 また搭乗手続きについても、そろそろ進歩してスピードアップしてもいいような気がする。

 もちろんセキュリティチェックを緩めろという意味ではないが、もう少し飛行機の速度を活かせるような、気軽にスピーディに飛行機に搭乗できる時代の進歩があってもいいような気がしているのである。

 とにかく今の空港は遠すぎるのである。

日中航空路線、減る日系増える中国系

今日たまたま日本政府観光局(JNTO)の統計資料を覗いていたら、2009年10月から2010年3月までの日中間の航空路線の増減情報を目にした。
それによると、この半年の間、日中間の路線で、日系の2社が週56便を減らし中国系が週7便を減らしており、逆に日系で週21便の増便があり、中国系で20便の増便があったとされている。

つまり差し引きすると日系は35便減らしており、中国系は13便増やしているということになる。

この要因としてはやはり経営破たんした日本航空の路線廃止の影響が大きいのだが、逆に中国系の航空会社が便数を増やしているというのが昨今の経済の勢いを表しているようで興味深い状況とも言える。

 それぞれの路線を詳しく見ると成田や関空から中国の地方都市、例えば杭州や大連といった路線が廃止されているのに対して、中国からは北京―羽田のほかに、中部、静岡、新千歳、など日本の拠点空港以外へ路線が増やされている状況が読み取れる。

 つまり日本の玄関とされる成田や関空ではなく、地方空港に直接アプローチされている。アシアナ航空が日本各地の空港へ路線を就航させ、仁川空港が日本のハブ空港的役割になっていることはよく言われるが、この状況を日本の航空行政としてどう捉えればよいのだろうか?

上海浦東空港に駐機中の日本航空機

上海浦東空港に駐機中の日本航空機

 前原国土交通大臣は、羽田のハブ化を推し進めようとしているが、日本全国各地の路線が集中する羽田は発着回数の枠もあって、これ以上はそれほど便数を増やせる状況にない。それに羽田はハブというより、人の流れの終着点となっており、羽田で飛行機を乗り換えてどこか別の場所へ飛ぶというような人の流れは非常に少ないように思われる。

それほど政治も経済も東京に全てが集中し、日本全国全てのものが東京に向かっている。逆に言うと地方は東京の方向を向くのが全ての基本で、新幹線も飛行機も高速道路も、全てが東京に向かうことを前提で作られている。

 そして日本全国の人間の思考も同じで、東京に行くということしか頭にないので、
地方に作られる空港も東京と路線を結ぶのが第一の目的として作られ、沖縄、福岡、大阪、中部、千歳あたりが次の拠点として意識されるが、海外路線の就航などはほとんど頭にないのが日本の航空行政の意識でなかったのではなかろうか。

 それが証拠に、どの地方空港も羽田線の枠獲得に血眼になっており、羽田線しか持たない空港が幾つもある。。

 これはある意味異常で、東京は確かに首都であり日本最大の都市であるが、日本の加工貿易という伝統的な産業構造から言えば、地方と外国がもっと繋がってていても良かったはずなのであるが、日本の政治産業構造がそれを育てようとしなかったつけが今こういった外国航空会社の日本進出という状況になって現れている。
 
 外国系航空会社の日本の地方進出を毛嫌うということではないが、外国の航空会社に開設できた路線が、何故日系の航空会社にできなかったのかを思うと、日本の根本的な構造の問題がここに埋まっているのだなあとしみじみ感じさせるこの最近の傾向である。 

 

北京首都空港の定刻出発率は38%らしい

日系BP社さんの記事によると、世界の主要な空港のうち最も遅れの出る空港は北京首都空港だというような記事が載っていた。

予定時刻から15分以内に離陸すれば、そのフライトは「定時運航」とされるそうだから、このデータはそれ以上遅れたものをカウントしたことになる。

上海在住の私はあまり北京首都空港を利用しないが、北京に限らず上海など中国で飛行機を利用したときにまず定刻で飛んでくれたことがないというのが私の印象だ。それも15分や20分の遅れではなく、2時間3時間の遅れがザラである。

 故に上記の定刻出発率38%という数字を見てもさほど驚かない。むしろ4割も定刻で飛んでいるのかという印象さえ受ける。そのくらい中国の飛行機の遅延にはよく泣かされる。 
 今回上海のデータは出ていないが中国の空港は大体同じで推して知るべしであろう。

 よって中国での移動には飛行機であっても乗り継ぎという考え方は禁物である。何故なら定刻に中継地点に着かない可能性が非常に高いので次の区間に乗り継げない可能性が大だからである。
 どうしても乗り継がなければならない場合は中継地点で一泊あるいは最低でも半日くらい余裕を見たほうがいい。もちろん万が一(4割の確率で!)定刻どおり飛んでくれて時間が余ってしまったときのことを考えることも必要で、ロクに遊ぶところもないような場所の空港を中継地点にしないような計画も必要である。

 そういう意味ではまだ鉄道のほうが定刻率は高い。20%くらいの確率で30分くらい遅れる列車は存在するが、大雪などの事情が発生していなければその程度の遅延で済むので、それほど計画は狂わない。ただ、中国の広い大地なので、どこでどんな自然現象が発生しているか予測がつかず、思わぬ場所での出来事が鉄道網全体に影響を与えるといったこともよくある。

 ちなみに冒頭の記事によると、定刻離陸率の最も優秀な空港に選ばれたのは日本の大阪伊丹空港で93%であったとのことである。「日本の」というより大阪の気ぜわしさがその正確性を支えているのであろう。さらに2位は韓国の金浦空港とのこと。

 同じように東アジアで数多い航空路線を飛ばしながら、中国と日本・韓国ででこれだけ差が出てしまうことを見ると、やはり文化の成熟度の違いを感じてしまう。
 それにしてもこの定刻出発率38%というのはあまりにもひどく、半分以上が遅れるのでは定刻が定刻の意味をなさない。
 まず「遅れることが当たり前」の認識をを改めないと中国はいつまでも馬鹿にされたままである。
もちろん闇雲に急がせるのではなく、遅れる原因を構造的に分析する必要があるのは言うまでもない。

茨城空港と独立意識

 先日、茨城空港の開港に関して反対意見があるとブログに書いたが、これは茨城県民が自分の県をどう位置づけているかと考えていることに拠る部分が非常に大きいと思われる。

 つまりどういうことかというと、茨城県を一つの独立した地方県あるいは北関東の一地方と捉えるか、東京に属する首都圏の一部として考えるかによるところである。

 東京に対する独立心が強ければ、たとえ同じ関東内に羽田、成田という2大拠点空港を抱えたとしても、そのアクセス性の悪さを理由にどうどうと空港の必要性を訴え、東京ではない茨城県として、他の地方、関西・九州・北海道と向き合うためのツールとして空港を持ちたいと考えることは不思議ではない。

 特に県という機関は、その組織は他県と対等であるため県としてどうしても独立性の強い考え方を持つことになる。

 しかし、今回の反対派の県民の意識の大半はそうではないと思える。

 つまり茨城県を東京首都圏の一末端と捉えているのである。

 県の南部は完全な東京への通勤圏であり、県庁所在地の水戸の求心力はそんなに高くなく、意識は完全に東京に向かっている。

 独立のラジオ局はあるが、日々の生活は完全に東京発信のテレビを見て過ごしており、意識文化は東京圏の一部となっている。そんな県民に外国人にあなたはどこに住んでますかと聞かれたら、迷わず「東京の近く」と答えるであろう。

 それでなくても普段から東京に異常に関心の高い県民性で、女子高生の流行は渋谷の次に水戸へ派生すると言われたり、映画「下妻物語」にみられるように東京へ憧れが強く、かつ従属意識の高い県民性・地域性である。

 そんな茨城県に新しい空港を作るといったところで、「首都圏の地元にはもう2つも空港がある」という反応になるのである。決して今まで茨城には空港がなかったとは言わないのである。

 その辺の県民性を理解してからなのか、昨年空港側も戦略転換を行い、英語表記として「トウキョウメトロポリタンイバラキエアポート」という東京への帰属性を意識した名前をつけた。

 つまり茨城空港は一地方空港ではなく「東京の空港」であるとの主張である。

 この名前に関しては国内からは「長すぎる」とか「茨城は東京か?」とか反対の声がたくさん出ているが、ローコストキャリア(LCC)向けセカンダリー空港としての差別化を行い、意義付けを持つことによって、茨城を東京圏の一部と捉える人に対してはそれなりに有効であったようで、空港に対する意識変化が見られている。

 つまり地元の空港は要らないが、東京の空港としてなら引き受けても良いという、東京から価値を認められたいという県民性が強く作用して空港受け入れに前向きな反応が出てきたのである。

 それは県内だけでなく、同じ首都圏内からも同様の反応が増えてきており、私も印象を変化させた一人である。

 まあ他人本位の評価で左右されてしまうのはちょっとな情けない気もするが、個人的にはそれで空港が無事それに開港にこじつけてくれるならよしとしたい。

 選挙の行方によっては空港の開港等に影響があることも予想されるが、茨城県の空港ではなく、首都圏の空港として「海外で働き千葉県に家がある私」からも是非空港の開港を歓迎したい。