先日、上海浦東空港から夜間に帰ってくる時があった。
もう地下鉄やリニアはとっくに終わっている時間で、リムジンバスも通常便は終っており、最終便到着便のあとに市内へ向かって乗客を運ぶ夜間便しか走っていない時間帯だった。
タクシーを使ってもいいが、まあこの時間だと200元以上になるし、時間だってやはり1時間以上かかり、急ぐ帰宅でもなかったので結局バスを利用することにした。
とにかく空港が市内から遠すぎるのである。
先日安徽省の合肥の空港が新たに移転開港したというニュースを目にしたが、気になって新旧空港の位置を地図上で確かめてみたが、旧駱崗空港はほぼ市内に隣接する形で中心部から5キロも離れていない位置だったが、新空港はなんと市内から40キロ近くも離れている。
またエラク遠くへ離れたところに新しい空港をつくったものである。
バスだと1時間、タクシーでも40~50分くらいはかかるだろう。
もちろん市内に近いと、騒音問題や敷地確保などの面でいろいろ問題があるのかも知れないが、それにしても今回の新空港は遠すぎで、こんな市内から離れた空港は空港専用鉄道などの存在が無ければ非常に不便なのだが、実際は中国にも日本にもこんな空港が沢山作られているのが現状だ。
そもそも現代社会における飛行機という乗り物は飛行時の速度に比べて地上での手続きやアクセスが不便すぎる。
例えば、この上海浦東空港から合肥新橋空港までの飛行時間は約1時間であるが、飛行機に搭乗するには遅くとも離陸前の30分前に手続きを終えなければならず、つまり1時間くらい前に到着を目指す必要がある。
そして私の家からこの浦東空港までの地上アクセス時間はタクシーでも1時間かかり、つまり飛行機の離陸時間の2時間前には始動する必要があることになる。
そして到着先の空港から市内まではさらにタクシーで1時間を要し、飛行時間を含め計4時間を要してしまう。
これに対して、高速鉄道ならば現在上海と合肥の間は最速で2時間40分くらいで、駅までの時間と駅からの時間を計算しても計1時間程度で、乗車時間と合算しても航空機に対しては既にかなり優位になっている。
飛行時間そのものは圧倒的に優位に立っているのに、前後のアクセスで足を引っ張られるのは非常に勿体ない話である。
これは日本の空港にも同様の傾向が見られ、成田、中部、関西、新千歳などは市内から遠く離れ1時間以上を要してしまう。
逆に優秀なのは羽田、伊丹、福岡で、これらの空港は市内と目と鼻の先であるが、それ故の騒音問題も取りざたされ痛し痒しなところはある。
まあ一般的な都市の空の玄関窓口として空港が置かれる位置は、市の中心部から20キロ程度で十分であるような気がしている。
例えば上記の合肥の場合は現在人口450万人程度であるから、人口密度を東京と同じ1平方キロメートルあたり6千人として計算するとおよそ中心部から15キロ程度の範囲内に全ての市民が収まる計算になり、騒音問題等などを意識したとしても都心から20キロで十分な距離なんじゃないかなという気がする。
20キロならタクシーで20分、バスでも30分程度で空港にアクセスでき、かなり身近に感じるることが出来るが、今回の合肥空港の40キロというのはどう考えても離れ過ぎで遠すぎである。
また搭乗手続きについても、そろそろ進歩してスピードアップしてもいいような気がする。
もちろんセキュリティチェックを緩めろという意味ではないが、もう少し飛行機の速度を活かせるような、気軽にスピーディに飛行機に搭乗できる時代の進歩があってもいいような気がしているのである。
とにかく今の空港は遠すぎるのである。