Monthly Archives: 2月 2016

本当に日本の人口は減っているか?

 先ほど発表された国勢調査によると、日本の人口が0.7%(94万人)減少したとされた。
 このニュースを聞いただけでは、日本国籍を持つ人の数が減ったのだと勘違いしそうだが、実はそう読み取るのは早計である。

 その理由としてまず第一にこの統計は、調査員が調査票を各家庭に配って実施しているもので、国籍問わず居住している人をカウントしており、外国人でも居住者として数えた結果の数字となっている。

 つまりこの調査では外国人も日本の国勢人口に含まれるのである。

 逆に日本国籍を持っていても、調査基準日現在で外国に住んでいる人はカウントされないことになり、例えば私のような上海在住の人間は、調査の基準に照らし合わせれば人口にカウントされないことになってしまう。
 同様にサッカーの本田選手や香川選手なども海外で活躍するスポーツ選手なども日本に住んでいないので当然日本の国勢人口には数えられていないはずである。
 このような日本国籍を持ちながら海外に居住する在外邦人は海外全体で130万人いるとされており、今回の減少幅と比較して考えれば実は日本の国勢調査に与える影響は小さくない。

 じゃあ、国内の人口に在外邦人の人数を足せば良いのではないかと思われる人もいると思うが、この在外邦人の統計も個人の在留届をベースに、進出企業に対する聞き取り調査などを加味して実施しているのであり、日本国内での住民票の有無を問わずカウントされている面もあって、それほど正確な数字が出てくる物ではない。

 つまり任意での提出となっている在留届では正確な数は把握しようがなく、正確なデータとして信じるにはちょっと足りるものではないのである。

 在外邦人は私のように日本の人口には数えられていない人が大半だと思われが、在外邦人の一部は日本居留者として国勢調査で報告しているケースもあり、日本の人口と重複カウントもかなりあると察せられる。
 逆に、聞くところに依ると、今回の国勢調査では調査票が届かなかった世帯があったとか、マイナンバーへの不信感もあって調査そのものが拒否されたり、外国人たちが調査に協力しなかったりと、調査の捕捉率についてもかなり疑念がもたれる状態となっている。

 このようにデータ管理が進んでいる日本でさえ、現在存命中の日本国籍者の数を正確に把握するというのはかなり難しい作業だと言えるのである。

 ならば、今年からスタートしたマイナンバーの活用して調査したらどうかという意見もあるが、実はこれも国勢調査と似たような面を持ち、さらには居住実態と必ずしも一致しない面があるので実像からは乖離し国勢調査以上に正確な人口把握は難しいものとなっている。  

 その理由としてマイナンバーは住民票をベースにナンバリングされており、外国人でも登録者であれば付与されている番号だからである。 

 それ故に、やはり私のように住民票を抜いて海外に出ている人は番号自体が付与されず、統計の対象外となる。
 さらに、住民票の転出・転入届を行わず勝手に引っ越しする人もいるので、地理的な分散の把握もやはり不正確になっており、マイナンバーは国勢調査以上に実態から乖離しているものとなっている。

 こうやって考えて行くと、とどのつまり日本国籍保持者の正確な人口を把握しているデータや調査は何一つないということになる。

 つまりこのような調査実態の中で発表された日本の人口が0.7%減ったという発表は鵜呑みに出来ないのである。

 数%の変化ならともかく、0.7%程度の減少幅だと、誤差があるかも知れず、本当に日本の人口が減っているという結論を出すにはもっと吟味が必要な状態なのがこの国勢調査であり、日本国民の実態だという気がするのである。
 
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上海の人気飲食店が突然閉店になる理由

 昨日、知り合いのとの会話で上海で人気だった飲食店がなぜ突然閉鎖になるのかという話題になった。

 実は日系飲食店や日本料理店に限らず「あの流行っていた店が何故閉店?」というケースは、上海では珍しくない。
 特に流行っている店ほど、突然閉店が起こりやすい傾向がある。

 まあ具体的な理由に関して言えば、私は当事者でも関係者でもないので、その閉店したお店に直接伺わなければ実情は分からないが、上海の商環境から感じる理由は十分推測が出来る。

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 その第一の理由と推測されるのは、第三者による店舗物件の乗っ取りである。

 中国人の思考は、風水文化の影響もあって商売を行う場所というもの非常に重視する。

 それ故に、非常に流行っている店を見つけると、サービスとか商品よりも場所に原因を求めてしまう傾向があって、あそこで商売すれば儲かりそうだからあの場所が欲しいということになるのである。

 すると、その場所が欲しい人間はどういう行動をとるかというと、大家なり管理会社に圧力や金銭的利益を与えて、その場所を空けてもらうように頼むことになり、頼まれた側は契約更新時に家賃の値上げなどを掲げ、商売を継続するのが難しい状態に追い込むことをする。

 家賃の値上げくらいでと思うかも知れないが、上海の場合は不動産バブルの追い風もあって、30%~40%の家賃値上げをふっかけられることも珍しくなく、とても従前の商売は継続できるような状態ではなくなるので、狙われた側は泣く泣く出ることになる。
 そこへ満を持してその場所を狙っていた第三者が入居することになるのだが、階級社会の上海とは言えひどい話ではある。
 まあこれが人気店ほど、突然閉店が起こりやすい理由だと私は察する。

 しかし、このような強引な入居は、一般的には従前の商売が何故流行っていたかを理解していないので、当然のことながら従前の店舗のような流行りを得ることも出来ず、家賃コストなども太っ腹で高めに決めてしまうので、利益を得られず短期で閉店するのがオチなのである。

 このような極端な場所信仰こそが、上海の不動産のバブルな高騰をささえていることも否めないような気がする。

 ただ、最近の第三者による飲食店乗っ取りはもう少し手が込んでいるようで、上記のような方法で従前の経営者を追い出した後、なんと居抜きでその店舗を使って元の商売とほぼ同じ内容の商売を始めることをするようである。

 もちろん店舗名ばかりは元のままという訳にはいかないようなのだが、一文字変えただけとか、良く見ないと見間違うような似た字を使って、まるで元の店が継続しているような商売をしたりする。

 つまりやはり場所とそこに合った業種が流行っていた理由であろうという推測の発想からの対応なのである。

 しかしこういった場合でもやはり商品やサービスへの配慮が欠けたりするから、結局は商売はうまくいかないようであり、他人のふんどしで相撲を取っても、駄目だということになる。

 自ら努力せず、流行っているものをお金で買って商売を始めようというまさに中国人に見られる商売の発想パターンそのものが、人気飲食店が突然閉鎖してしまう理由のように思えるのである。

センスのない上海の地下鉄設計

 仕事柄、毎日のように上海市内の地下鉄を縦横無尽に利用させていただいているが、どこへ行ってもその設計センスの無さを感じずにはいられない日々である。
 そのセンスの欠けるポイントとというのは、利用客視線で効率をよくするという意識に欠けるということになろうか?
 上海の地下鉄ネットワークの中で、これは特にセンス不足を感じた幾つか駅の構造についてちょっとまとめてみることにした。
 
センスの無い構造その①『3号線の長江南路駅』
 ここは途中折り返しの機能を持った駅であり、駅の北側に折り返し列車のための留置線があるのだが、何と本線の外側に1本ずつ設置されており、折り返し列車は本線を横断しないと、留置線に出入り出来ない構造となっている。
 運転間隔がまばらな日中ならこの構造でも構わないかもしれないが、朝晩のラッシュ時にいちいち本線横断をすれば、横断を受ける列車の妨げになるのであり、増発や列車を遅らせる原因になるだろう。
 明らかな設計ミスであり、将来的な増発に向けては改善をするべきで構造である。

3号線長江南路駅の折り返し線

長江南路駅の折り返し線
(真ん中が本線)

 センスの無い構造その②『10号線の龍渓路駅と11号線の嘉定新城駅』
 ここはいずれも本線と支線の分岐点駅であるが、合流する側は島式ホームで2本のホームが用意されているものの、分岐する側は同じホームでどちらに行く列車かを見分けなければならない構造となっている。
 列車の合流の時間調整が必要になったと時を想定して、合流側は2本のホームとしてあるのだろうが、案内板が不備でどちらに列車が来るのかは、構内放送を聞くか列車が来てみなければ分からない状況となっている。
 むしろ本来は分岐方向でホームを分けてもらった方が利用者には分かりやすいのに、実際はそうなっておらず、利用者に不親切な構造の駅といえる。

 センスの無い構造その③『6・8・11号線の東方体育中心駅』
 ここは11号線のホームの間に6号線が乗入れ、階段を使わなくても乗り換えが出来る構造となっており、一見これまでの上海の地下鉄に比べ非常にセンスの良い構造になっているようにも思えるのだが、実はその方向というか組み合わせに問題がある。
 すなわち、11号線の徐家匯方面から6号線への乗り換えのホームが隣で階段要らずなのだが、果たしてその方向の需要がどれだけあるのかということなのである。
 11号線で北方向から来て、ここで6号線に乗り換えて北東方向に向かう乗客の移動は幾らでも途中の駅でショートカットが可能なので、とてもホームを共有するほどの需要は感じられないのである。
 ホームを共有する発想があったなら、むしろどちらかの路線と8号線を組み合わせ、例えば8号線と11号線ならいずれも北→乗換→南と東へという乗換になり効率的な乗り換えが実現したと想像されるのである。

 センスの無い構造その④『11・16号線の羅山路駅』
 ここは11号線と16号線の接続する駅で、複線の島式ホームが2段重ねとなっている。
 ここは将来上海ディズニーランドへ向かう利用客にとって重要な拠点となるはずであり、乗り換え客も多くなるはずなのだが、残念ながら乗換に上下移動が必要な構造となっている。
 設計側からすると、上下に移動するだけで乗り換えが出来る構造としたつもりなのだろうが、本当にセンスがあれば同じ2段重ねでも行先方向別になるようにホームを組み合わせるべきだったと思われる。
 すなわち、上海ディズニー方向と滴水湖方向を隣り合わせのホーム、徐家方面と龍陽路方面を隣り合わせのホームとすることによって、市内方向ホームと郊外方向ホームというそれぞれ同じ流れの組み合わせになり、乗り換え客の大半はエスカレーターや階段を使用せず乗り換えられる、駅や設備の耐用年数に大きな差が生まれたであろうに思う。

羅山路駅の乗換図

羅山路駅の乗換図

 このほか、江蘇路駅のように出口同士が向かい合わせになるなど、出口の設置センスに疑問を感じる駅も多数あったり、同じ駅なのに乗換に延々と歩かされる駅があったり、どうにも設計センスに疑問を感じる構造の駅が多い上海の地下鉄なのである。