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国際ハブ空港化は内需から

 今朝のニュースで、アシアナ航空の航空機がサンフランシスコ空港で着陸に失敗して炎上したという事故を目にした。
 犠牲者も2人程出ているようで、ご冥福をお祈りするとともにその他の負傷者の一日も早い回復を祈りたいところである。
 
 ところで、今回事故を起したアシアナ機は韓国の航空会社であるにもかかわらず、搭乗客の大半が中国人客であり犠牲者の2人も中国人だったということがニュースになり中国でも大きく報道されている。

 事故に遭われた方には申し訳ないが、今回事故の中身云々のことはさておいて、中国人の客が大半だったという状況について書きたいのだが、韓国の航空機に中国人旅行客が多かったということは韓国の航空業界とりわけ仁川(インチョン)空港の国際ハブ化が成功している現状が見えたと言うことができる。

 実は中国とアメリカの間と言うのは今や経済の二大大国となっている割には国家間の関係の難しさもあって、両国間の航空直行便は北京・上海・広州の拠点空港はともかく、それ以外の地方空港発着の便はあまり多くないのである。

 これは日本の国際便が成田・関空・中部に集中している状況とよく似ている。

 しかし、実は中国の各都市からソウルへの便は結構飛んでいるのである。

 例えば今回事故を起したアシアナ航空で言えば三大拠点空港は言うに及ばず、煙台、威海、長春、ハルビン、西安、桂林、南京、青島、杭州、塩城、天津、大連、太原、重慶、瀋陽など沿海部の主要空港を軒並み押さえており、中国の航空会社でもカバーしていないような非常に充実したネットワークを運営している。

 実はこのことも対日本との路線状況とよく似ており、日本の地方から世界へ行くにはソウルに出た方が早く移動できると言われるように、例えばアシアナ航空は、静岡、仙台、富山、福岡、宮崎、熊本、沖縄、広島、米子、高松、松山、旭川など日本の各地方空港への路線が就航している。

 同じく韓国の大韓空港は札幌、函館、青森、秋田、新潟、小松、静岡、岡山、大分、福岡、長崎、鹿児島など広く日本をカバーし、両社合わせると日本の地方エリアはほとんどと言っていいくらい網羅されているが、逆に日本の航空会社がこれらの地方空港から国際線を飛ばしている例はほとんどないのである。

 そしてこの韓国の2つの航空会社は仁川空港をハブにして欧米中東など世界中に行けるネットワークを広げており、それを各就航先の地元に一生懸命にPRしてきたのである。
 その結果、今回の事故で明らかになったように中国人たちの取り込みにも成功していたのである。

 振り返って日本の航空事情に目を向けてみると、成田も関空も世界のハブ空港を目指すと言いながら、実はそのPRにいささか弱さを感じる面がある。

成田空港の日本航空機

成田空港の日本航空機

 実は上記の韓国の2社が乗り入れる日本の地方空港からも成田や羽田、中部、関空などで乗り継げば仁川経由のネットワークに負けないくらいの世界へのネットワークが繋がっているはずなのだが、どうも仁川経由のルートに比べそれらの地方空港が世界に繋がっている印象が弱いという点は否めない。

 それはまず第一に、日本の地方空港が目指す終点は東京や大阪であって、世界へ繋ががる視点に欠けるという決定的な日本の地方の状況がある。
 日本の地方と言うのは、行政体系の影響もあって東京にさえ繋がっていれば良いという考えが蔓延しており、実際東京の羽田以外の国内線を持たない空港が日本にはいくつもあるのである。

 よってそういった地方空港では東京へ繋がっているという意識はあっても、東京を通じて世界へ繋がっているという意識がほとんどないのが実情となっているようだ。

 こういった傾向は航空会社も同様で、ネットで検索をすれば確かに乗り継ぎ便情報は出て来るが、どうも積極的に販売しているといった様子は見えない。

 各空港の関連ツアー情報をチェックしても、地方空港から羽田や関空を通じて世界へというツアーは数えるほどしかなく、ほとんどがTDLなどの東京止まりのツアーであり、逆に大手旅行代理店の海外ツアーページを覗いてみても、ほとんどが東京・大阪・名古屋発となっている。
 つまり地方空港を起点にして国内線からの国際線への乗継ぎまでを含めた料金設定をしたツアーなどはほとんどない状況になっている。

 このように羽田などを軸にした便利なネットワークを持ちながら、実際には地方に対してPRされきれてない状況が実は成田や羽田、関空の国際ハブ化が進まない一つの要因でもあるような気がしており、日本の空の国際化が仁川空港によって実現されているといった状況に繋がっているのではないかと言う気がする。

 日本の航空会社に言わせれば地方発の海外方面への出発は需要が少ないというかもしれないが、韓国や中国の航空会社が安定して日本の地方空港便を運航していることを考えれば、需要が無いとは決して言えず、アピール次第で需要は掘り起こせるような気がするのである。

 今後成田・羽田・関空の各空港を国際ハブとして機能を強化したいのであれば、外国からの誘致にばかり目を向けないで、まず国内の内需に目を向けて地方路線を通じた呼び込みをアピールすべきで、そうやって地方と外国が繋がれば外国からもそのルートを通じて旅行客が流れてくるような気がするのである。

遠すぎる空港

先日、上海浦東空港から夜間に帰ってくる時があった。

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 もう地下鉄やリニアはとっくに終わっている時間で、リムジンバスも通常便は終っており、最終便到着便のあとに市内へ向かって乗客を運ぶ夜間便しか走っていない時間帯だった。

 タクシーを使ってもいいが、まあこの時間だと200元以上になるし、時間だってやはり1時間以上かかり、急ぐ帰宅でもなかったので結局バスを利用することにした。

 とにかく空港が市内から遠すぎるのである。

 先日安徽省の合肥の空港が新たに移転開港したというニュースを目にしたが、気になって新旧空港の位置を地図上で確かめてみたが、旧駱崗空港はほぼ市内に隣接する形で中心部から5キロも離れていない位置だったが、新空港はなんと市内から40キロ近くも離れている。

 またエラク遠くへ離れたところに新しい空港をつくったものである。

 バスだと1時間、タクシーでも40~50分くらいはかかるだろう。

 もちろん市内に近いと、騒音問題や敷地確保などの面でいろいろ問題があるのかも知れないが、それにしても今回の新空港は遠すぎで、こんな市内から離れた空港は空港専用鉄道などの存在が無ければ非常に不便なのだが、実際は中国にも日本にもこんな空港が沢山作られているのが現状だ。

 そもそも現代社会における飛行機という乗り物は飛行時の速度に比べて地上での手続きやアクセスが不便すぎる。

 例えば、この上海浦東空港から合肥新橋空港までの飛行時間は約1時間であるが、飛行機に搭乗するには遅くとも離陸前の30分前に手続きを終えなければならず、つまり1時間くらい前に到着を目指す必要がある。

 そして私の家からこの浦東空港までの地上アクセス時間はタクシーでも1時間かかり、つまり飛行機の離陸時間の2時間前には始動する必要があることになる。

 そして到着先の空港から市内まではさらにタクシーで1時間を要し、飛行時間を含め計4時間を要してしまう。

 これに対して、高速鉄道ならば現在上海と合肥の間は最速で2時間40分くらいで、駅までの時間と駅からの時間を計算しても計1時間程度で、乗車時間と合算しても航空機に対しては既にかなり優位になっている。

 飛行時間そのものは圧倒的に優位に立っているのに、前後のアクセスで足を引っ張られるのは非常に勿体ない話である。

 これは日本の空港にも同様の傾向が見られ、成田、中部、関西、新千歳などは市内から遠く離れ1時間以上を要してしまう。

 逆に優秀なのは羽田、伊丹、福岡で、これらの空港は市内と目と鼻の先であるが、それ故の騒音問題も取りざたされ痛し痒しなところはある。
 

 まあ一般的な都市の空の玄関窓口として空港が置かれる位置は、市の中心部から20キロ程度で十分であるような気がしている。

 例えば上記の合肥の場合は現在人口450万人程度であるから、人口密度を東京と同じ1平方キロメートルあたり6千人として計算するとおよそ中心部から15キロ程度の範囲内に全ての市民が収まる計算になり、騒音問題等などを意識したとしても都心から20キロで十分な距離なんじゃないかなという気がする。

 20キロならタクシーで20分、バスでも30分程度で空港にアクセスでき、かなり身近に感じるることが出来るが、今回の合肥空港の40キロというのはどう考えても離れ過ぎで遠すぎである。

 また搭乗手続きについても、そろそろ進歩してスピードアップしてもいいような気がする。

 もちろんセキュリティチェックを緩めろという意味ではないが、もう少し飛行機の速度を活かせるような、気軽にスピーディに飛行機に搭乗できる時代の進歩があってもいいような気がしているのである。

 とにかく今の空港は遠すぎるのである。

日中のアマゾンショッピングにはまっている。

 最近、いまさらながらアマゾンでのネットショッピングにはまっている。

中国でネットショッピングと言えばタオバオが有名だが、タオバオは出展者が有象無象におり、商品の品質に問題があるものも少なくない。
 それに便利と言われれるアリペイ(発注者が納得してから販売元にお金が払われる仕組み)も、口座の開設やら何やらで外国人には意外と面倒なのである。

 その点、アマゾンの場合は多くの場合着払いでOKなので、発注から受け取りまで基本的に面倒がなく、着払い手数料も原則無料がほとんど。
 さらに商品の質の点でもアマゾンが中継したり、アマゾンが直接販売する物であれば品質にはほぼ間違いがないような信頼感があるし、品揃えも家具からなんとアダルトグッズまでありとあらゆる幅広いジャンルの製品が扱われ、その品揃えには今更ながら驚くばかりなのである。
 
 そして何よりも市内の実体店で購入するより値段が基本的に安く、発注から受け取りまでおよそ1~2日で、早ければ当日受け取りが可能なので買いたいものがすぐ届く。
 あまりにも便利なので、ここしばらくに必要だったものはアマゾンでほとんど購入するようになり、例えばプリンターなどは実体店で買うより3割も出費が抑えられたので、感激しており、それ故に最近ちょっと病みつきになりつつある。

 ただまあこういった通信販売の欠点を上げるとすれば、商品をネット上の写真でしか見てないので、例えば服など色合いは実物と違う場合もあるし、本などは中身を見てから買いたいので、必ずしもネットが絶対良いというわけではない。

 また配送の場合は配送予定時間に家(或いは会社)にいなければならないという面倒は有りいつ来るか分からないものを待たなくてはいけないのがちょっと苦痛と言えば苦痛だ。
 しかし工業製品のようにスペックの分かりきったものであれば、ネットで購入し配送してもらうのが全く便利である。

 と、いまさらながらアマゾンの便利さに驚き始めた矢先に、日本に一時帰国して日本のアマゾンを利用したらもっと便利だったことに驚いた。

 日本の皆様には釈迦に説法かもしれないが、日本で驚いたことというのはコンビニで商品の受け取りができるようになっていたこと。

 どうやらアマゾンが直接発送するものに限られるらしいが、全国のローソンやファミマを受取先に指定しておけば、自宅に誰もいない時でも最寄のコンビニに配送してもらうことができ、都合の良い時に受け取りに行けばいい仕組みになっていた。

 しかもこの方式の場合、なんと配送料が無料になる。

成田国際空港第一ターミナル

成田国際空港第一ターミナル

 この件は後程また書くと思うが、例えば海外にいる我々が帰国してすぐ必要なものを予め成田空港のローソンに着払いで配送しておいてもらい、到着時に受け取るなんて芸当も可能になっていた。

 今回の一時帰国ではこれを知ったので、思いっきりフル活用させてもらい、短期の日本滞在でも驚くべきほど合理的に濃縮された買い出しができた。
(まあお金もかなり使ったが)。

うーん、便利すぎるアマゾン恐るべし。



 

成田の無線LANはまだ有料

先週の日本帰国は成田空港経由で帰ってきたのだが、そのとき成田空港は無線LANが全て有料であるという事実に気づきとても驚いた。

 空港に行く前に調べてみたのだが、無線LANの施設はあるのだが事前のプロバイダ契約が必要なものばかりである。

 これでは事前準備なく突然この空港を利用することになったら、ネットを使ったメールのやり取りもできずビジネスに大きなロスが出来てしまう。

 比較して申し訳ないが上海の空港は完全無料化が実現している。空港どころか市内の喫茶店など結構いたるところで公共無線LANの設置が進んでいる。

 何故、いまどき成田ほどの空港が無線LAN無料にならないのだろうか、、、と書きかけて慌てて世界の空港の無線LAN事情を調べてみた。

 調べてみると世界の空港の中でも無料化が進んでいる空港は数少ないようで、ほとんどは無線LANには対応しているもののプロバイダとの契約が必要なようである。
故に成田だけ特別状況が悪いということでもないようである。

 しかしである。

 成田空港はご存知のように世界一高い着陸料を航空会社に課し、これまた高い空港施設利用料を乗客に課している。にも関わらず上海に施設サービスの面で負けていることになる。これではアジアのハブ空港競争では完全に遅れをとってしまう。
 トランジットの空いた時間にネットに接続してメールやニュースのチェックはツーリスト達の当たり前の行動になっている現在、ビジネスマンのみならずバックパッカーやツアー客でさえノートパソコンを持ち歩き旅をする。
 
 そこで一々有料のプロバイダとの事前契約を必要とすることであれば、その空港は「使えない空港」という評価になってしまう。そうなればもし彼らが成田か上海のどちらかでのトランジットを選ぶ状況になったら、恐らく成田ではなく上海をトランジット地点に選ぶであろう。
 空港全体の施設からすれば小さいことかも知れないが、今や世界の人々の日常の行動になっているネット接続に対するサービスはそのくらい重要な判断材料になっている気がする。

 ちなみに関空では国内線利用客に対しては有料だが、国際線は国際競争力を意識してか無線LANが無料で提供されている。
 故に「無線LANは有料」は国内の常識でもなくなった。同じように日常からあれだけ高い空港利用料をとっている成田も早く無線LANの無料化を実現していただきたいと思う今日この頃である。

茨城空港と独立意識

 先日、茨城空港の開港に関して反対意見があるとブログに書いたが、これは茨城県民が自分の県をどう位置づけているかと考えていることに拠る部分が非常に大きいと思われる。

 つまりどういうことかというと、茨城県を一つの独立した地方県あるいは北関東の一地方と捉えるか、東京に属する首都圏の一部として考えるかによるところである。

 東京に対する独立心が強ければ、たとえ同じ関東内に羽田、成田という2大拠点空港を抱えたとしても、そのアクセス性の悪さを理由にどうどうと空港の必要性を訴え、東京ではない茨城県として、他の地方、関西・九州・北海道と向き合うためのツールとして空港を持ちたいと考えることは不思議ではない。

 特に県という機関は、その組織は他県と対等であるため県としてどうしても独立性の強い考え方を持つことになる。

 しかし、今回の反対派の県民の意識の大半はそうではないと思える。

 つまり茨城県を東京首都圏の一末端と捉えているのである。

 県の南部は完全な東京への通勤圏であり、県庁所在地の水戸の求心力はそんなに高くなく、意識は完全に東京に向かっている。

 独立のラジオ局はあるが、日々の生活は完全に東京発信のテレビを見て過ごしており、意識文化は東京圏の一部となっている。そんな県民に外国人にあなたはどこに住んでますかと聞かれたら、迷わず「東京の近く」と答えるであろう。

 それでなくても普段から東京に異常に関心の高い県民性で、女子高生の流行は渋谷の次に水戸へ派生すると言われたり、映画「下妻物語」にみられるように東京へ憧れが強く、かつ従属意識の高い県民性・地域性である。

 そんな茨城県に新しい空港を作るといったところで、「首都圏の地元にはもう2つも空港がある」という反応になるのである。決して今まで茨城には空港がなかったとは言わないのである。

 その辺の県民性を理解してからなのか、昨年空港側も戦略転換を行い、英語表記として「トウキョウメトロポリタンイバラキエアポート」という東京への帰属性を意識した名前をつけた。

 つまり茨城空港は一地方空港ではなく「東京の空港」であるとの主張である。

 この名前に関しては国内からは「長すぎる」とか「茨城は東京か?」とか反対の声がたくさん出ているが、ローコストキャリア(LCC)向けセカンダリー空港としての差別化を行い、意義付けを持つことによって、茨城を東京圏の一部と捉える人に対してはそれなりに有効であったようで、空港に対する意識変化が見られている。

 つまり地元の空港は要らないが、東京の空港としてなら引き受けても良いという、東京から価値を認められたいという県民性が強く作用して空港受け入れに前向きな反応が出てきたのである。

 それは県内だけでなく、同じ首都圏内からも同様の反応が増えてきており、私も印象を変化させた一人である。

 まあ他人本位の評価で左右されてしまうのはちょっとな情けない気もするが、個人的にはそれで空港が無事それに開港にこじつけてくれるならよしとしたい。

 選挙の行方によっては空港の開港等に影響があることも予想されるが、茨城県の空港ではなく、首都圏の空港として「海外で働き千葉県に家がある私」からも是非空港の開港を歓迎したい。