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上海は大人色の成熟した街に変貌中?

 先日、上海市内のKFC(ケンタッキーフライドチキン)の店舗が改装しているのを見かけ、ちょっと驚いたことがあった。
 何故驚いたのかといえば、外壁がグレーのシックな塗装となっていたからである。

 ややシックなカフェをイメージするような外装で、要するにこれまでの中国的な派手なイメージを覆すような色合いを使っていたのである。

グレーの外装のKFC

グレーの外装のKFC

 これまでKFCといえば、赤と白の派手なコントラストの看板がトレードマークで、派手好きな中国人たちに非常に人気を博してきた面があるが、それがこのような変更とは、明らかに方向転換を感じるものとなる。

 このKFCの外壁色の変化は、どうも上海という街の趣向が変化しつつあることを表すものだという気がする。
 気が付けば街の一般商店の看板を見ても、以前のような原色ギラギラの看板は数が減り、比較的落ち着いた色の看板のお店が増えるようになってきた。

 上海を一歩離れて、地方都市の繁華街などに行くとまだギラギラ看板は多いのだが、少なくとも上海の街の色彩は店舗やビルが落ち着きを目指すような色に変化してきている印象である。

 この街の色の変化は、恐らく上海の街の趣向が成熟した大人の街へ移行している現れだと言えるのではないだろうか。

 まあ上海の人間の気質を間近に見ている私としては、そこまでの変化が果たしてあるのかなという懐疑的な見方もないわけではないが、確かにただ派手なものを追いかけるブームは過ぎ去り、成熟した良いものを求めるトレンドに変化しつつあるのは感じるところである。

 そういった変化の現れの一端が、このKFCのグレー塗色であるような気がするし、上海の街が本当に大人の街へ変化することができるのか、街の色の変化に今しばらく注視したいこの変化となっている。

中国人の四季の色彩感覚がわからない

 中国人のデザイナーなど一緒に仕事をするとき、日本人と四季の色彩感覚が全く違うことに驚かされる。
 日本人の四季の色彩感覚というのは、その季節ごとの自然の風景に起因するものが主であり、人によって何をその季節の特徴というか旬と捉えることに違いがあっても、それほど、誰の答えを聞いてもそんなに違和感を感じるものでもないものとなっている。
 例えば私のイメージを順番に言うならば、
1月は雪や餅をイメージする白や木の色
2月は雪をイメージする白や肌寒いグレー
3月は桜や桃をイメージするピンク
4月も桜のイメージか、新芽の黄緑
5月は五月晴れの青か緑
6月は竹の濃い緑か、梅雨空の淡い緑
7月 竹の青緑
8月 向日葵の黄色 あるいは海や空の青
9月 栗色、あるいはススキの茶色
10月 紅葉に染まった山の黄色や朱色
11月は銀杏の黄色か薄墨色、或いは高い空の雲
12月は歳が押し迫って日が早く沈んだ夜の黒、あるいはクリスマスの赤
 私のイメージはこんな感じである。
 まあ人によって住んでいる地域や気候、歴史・人生体験が違うのでそれぞれ違う物であろうが、ある程度共通のものはあるという気がする。
 それゆえに、日本では1年中月替わりの季節商法が頻繁に行われており、その季節ごとのイメージの色を使った、絵や写真、商品などが沢山作られている。

 ところが中国では全くそのイメージが通用しない。
 例えば古代中国の五行節では青春・朱夏・白秋・黒冬とよび、季節ごとの色を配しているようだが、冬の黒は私と一致するが夏の朱などはどうも、かなりイメージが違う。
 
 それ故に例えば中国人に冬の料理のデザインイメージを依頼すると、普通に新緑的な緑の背景などを平気で持ってきてしまうのである。

 どうもこれらを見る限り、日本人の季節感とはまったくかけ離れた色彩感覚で彼らは1年を過ごしているようなのである。
 ひょっとすると実は四季ごとの色彩イメージなど持ち合わせていないかと思うほど、我々日本人とはマッチングしない色彩感覚で生きている中国人達であり、残念ながら中国歴8年経った今でも私はその四季の色彩感覚については全く掴みきれずにいる。

田舎者ほど自動車はカラフル?

 昨日バスに乗っていて気がついたのだが、最近上海の一般乗用車もシルバーの車両が増えてきたようである。

 以前はもっとカラフルな色の車両が多かったはずだが、最近は日本同様にシルバーが主流になった気がする。

近所で見つけた紺色の車体は安徽省ナンバー

 ただ上海ではシルバー同様に、黒の大型車も多く、威厳を示す為なのか高級車は黒い車体が多いようである。

 もちろん赤や黄色、青といった色付の車体も時々見かけるが数としては多くなく、やや薄汚れた手入れの行き届いていない車両が多い印象で、よく見るとそれらの車両は安徽省や山東省といった地方ナンバーが多い感じがした。 

 気になって車両のナンバーと車の色の相関関係を注意深く観察してみたところ、やはり上記の印象を裏付ける一つの傾向が見えてきた。

 僅か1時間にも満たない短時間での観察の傾向ではあったが、やはり上海ナンバーを付けている車両は圧倒的にカラフルな車両が少なく、黒・シルバー・ダークシルバー・ホワイトの車体だけでおおよそ全体の7~8割を占めるのではないかという印象であった。

 特にシルバーと黒が多く半数を超える。

 逆に赤、青、黄色などといったいわゆる色付の車体はほぼ決まって地方ナンバーであり、安徽省、山東省、浙江省などといったところが非常に多かった。

 上海ナンバーでもカラー塗装を見かけない訳ではないが、割合いから言えばややひねくれ者的存在になっており、少なくとも主流ではない状況になっている。

 日本でも地方の人ほど派手好きな傾向があるが、それは中国でも同様で、地方ナンバーほど派手な原色塗装の車が多く、逆に上海のような都会では重厚感は求められても派手なカラフルな塗装は安っぽく見られるためかあまり好まれず、洗練され落ち着いたシルバーが好まれる傾向のようである。

 つまり日本同様に、中国の中でも特に高齢化社会の進む上海では街を走る車の色の傾向も似てくるということのようである。

 まあ、そんな中、上海ナンバーにもかかわらずで色付き車体を持つ人というのは、まだ目立ちたい子供っぽさを持った意識のような印象でもあり、そこも日本同様の傾向のような気がする。

 街の自動車の色を見ているだけで社会の状態が見えてくるから不思議なものである。

原掲載

満月の演出

今日は中秋の名月で満月の日となっている。

 満ち欠けをする月が真ん丸の姿を見せるのは約1ケ月に1回であるが故に、満月というのは特別な印象を持って人々に迎えられる。

 ただ、最近感じるようになったのは、満月が人々に強い印象を与える要素として、単に丸いということだけでなく、出現する時間帯にも一つの大事な要素があるのではないかと思うようになった。

 満月というのは当たり前だが、必ず西へ沈む太陽と入れ替わるようにして東の空から夕方にゆっくりを顔を出す。

 しかもそのタイミングで顔を出す月は、月からの光が地上の大気で屈折してくるため赤く見える。(夕焼けや朝焼けの仕組みと同じである。)

 このように夜の中が暗闇になりかけた瞬間に顔を出す赤い物体というのは如何にも魅惑的な演出という気がする。

 しかも、人間という生物は昼から夜に変わる夕方のタイミングが心理的に一番不安定な時間帯と言われ、そんな時間帯に人の心に興奮を呼び強く起こすとされる「赤」という色が闇に顔を出すというのは、やはり人の心をざわつかせるのは当然だとも言える。

 さらに水分が3分の2を占める人間の身体が、海が月と太陽の引力からの影響を受けて満ち引きを起すのと同様に、何らかの作用を強く受けるのも当然と思える。

 そういった幾つもの要素が一気に重なる満月の夕方というのは、生物である人間に多くの不安定要素を与え、印象的な夜にさせるだと思われる。

 古くは狼男など満月の晩にこういった逸話が残されているのは、こういった幾つもの自然の演出の産物だという気がする。

 さあさあ、今夜の空は運よく晴れてきたようなので、無事お月見が出来そうだ。

40年遅れの中国のマイカーブーム

 中国の流行はそのほとんどが大体日本の30年~40年遅れてやってきている。
 オリンピック、万博、ディズニーランドとどれをとっても日本の30~40年前を追いかけている印象が強い。

 経済の発展の順序というか、経済発展モデルが鄧小平さんの理想とした日本型であったためこれまでほぼ全てがその流れにのって中国が発展してきており、土地バブルやマイカーブームまで同様の状況が起きている。

 日本ではマイカーブームなどは既に去っており、一部の趣味としては愛好されていても、そのほとんどは生活の足として乗用車でしかなくなっており、 つまり日本人にとっては自動車はもう興味の対象の主流ではなくなっている。

 日本の街を走る車の色を見ればほとんどシルバー一辺倒で赤や青の派手な色は非常に少なくなったのがその証拠である。

 ところが中国ではまだ日本人が恥ずかしいと思うくらい、自動車で自己主張をしようとする。

上海の車の渋滞

上海の車の渋滞

黒や赤の車が街を縦横無尽に走る。この中国の勢いは世界的な流れからしてもだいぶ遅れているのだが、それだけに世界の自動車メーカーから見れば格好の市場となっている。

 まあこうやって中国が世界市場を牽引してくれるのは非常にありがたい点もあるが、日本人の自分からすれば、まだまだ幼いというか子供の市場なのだなと改めて感じてしまう中国のマイカーブームである。