中国人のデザイナーなど一緒に仕事をするとき、日本人と四季の色彩感覚が全く違うことに驚かされる。
日本人の四季の色彩感覚というのは、その季節ごとの自然の風景に起因するものが主であり、人によって何をその季節の特徴というか旬と捉えることに違いがあっても、それほど、誰の答えを聞いてもそんなに違和感を感じるものでもないものとなっている。
例えば私のイメージを順番に言うならば、
1月は雪や餅をイメージする白や木の色
2月は雪をイメージする白や肌寒いグレー
3月は桜や桃をイメージするピンク
4月も桜のイメージか、新芽の黄緑
5月は五月晴れの青か緑
6月は竹の濃い緑か、梅雨空の淡い緑
7月 竹の青緑
8月 向日葵の黄色 あるいは海や空の青
9月 栗色、あるいはススキの茶色
10月 紅葉に染まった山の黄色や朱色
11月は銀杏の黄色か薄墨色、或いは高い空の雲
12月は歳が押し迫って日が早く沈んだ夜の黒、あるいはクリスマスの赤
私のイメージはこんな感じである。
まあ人によって住んでいる地域や気候、歴史・人生体験が違うのでそれぞれ違う物であろうが、ある程度共通のものはあるという気がする。
それゆえに、日本では1年中月替わりの季節商法が頻繁に行われており、その季節ごとのイメージの色を使った、絵や写真、商品などが沢山作られている。
ところが中国では全くそのイメージが通用しない。
例えば古代中国の五行節では青春・朱夏・白秋・黒冬とよび、季節ごとの色を配しているようだが、冬の黒は私と一致するが夏の朱などはどうも、かなりイメージが違う。
それ故に例えば中国人に冬の料理のデザインイメージを依頼すると、普通に新緑的な緑の背景などを平気で持ってきてしまうのである。
どうもこれらを見る限り、日本人の季節感とはまったくかけ離れた色彩感覚で彼らは1年を過ごしているようなのである。
ひょっとすると実は四季ごとの色彩イメージなど持ち合わせていないかと思うほど、我々日本人とはマッチングしない色彩感覚で生きている中国人達であり、残念ながら中国歴8年経った今でも私はその四季の色彩感覚については全く掴みきれずにいる。