Tag Archives: 静安寺

中運量71路バスの開通で朱家角への新しいルートも誕生

 上海市内に71路という新たな交通機関が登場した。

 この71路は外灘から上海の中心部の延安路(東路、中路、西路)の高架道路の下を延々と上海虹橋国際空港の南西側の申昆路枢紐站へまでの17キロ余りの専用レーンを走るトロリーバスでありBRTと言ってもいい交通システムである。

71路バス

 この71路という名称は直近まで別の路線で使われていたのだが、今回の路線と重複する部分が多いということで名前を譲り、この路線で使われることになったようだ。

 ちなみに「中運量(中規模運送量)」というのは、地下鉄ほどではないが従来のバスより輸送量が多いという意味のようである。
 一般的に地下鉄だと1時間あたり1~2万人というのがおおよその目安で大規模輸送と言えるが、「中運量」だと2000~5000人/hが目安というのが私の理解である。

 ところが中国語の記事を読んでいると、大運量を5万人以上、小運量を5千人以下、そして中間の中運量を1万5千人と設定しており、ちょっと盛り過ぎの数字のような気がする。
 恐らく中国の表示は往復の輸送量キャパというのが種明かしになろうと思うが、それにしても多く、やはり盛り過ぎで実際の上海の地下鉄の輸送力と合っていない。

 今回の71路も定員の150%くらいで考えても最大5000人/h程度であり、そもそもの定員設定が実際の車両実態に対して詰め過ぎの印象であることから推測すると、今の運転間隔だと輸送能力はせいぜい多くても4000人/hが限度であろうに推測される。
 専用レーンを走るので、運行自体はかなりスムーズなようだが、期待される輸送力を担えるかはちょっと疑問で、春節明けで乗客や道路の交通量が増えてきたときに対応できるかは見てみないとわからない状況となっている。

 ところでこの71路の開通により、観光地である朱家角に向かうルートに新たな路線が加わったことになった。

 その新しいルートというのが71路の終点の申昆路枢紐站から朱家角へ向かう滬朱専線というバスである。

朱家角行きの滬朱専線バス

 正確に言えば新しいバス路線ではなく、従来からある上海市内から朱家角に向かうルートの一部がこの71路に置き換わり、従来路線が短縮されたというのが正しいのだが、従来の発着点がややわかり難い場所にあったので、今までより利用しやすくなったという気がする。

 普安路からの朱家角行の高速バスは従来のまま残されるので、人民広場付近からの利用はそのまま高速バスを利用すれば良いが、途中の例えば虹橋や静安寺などのエリアから朱家角観光に行くにはこのルートが便利になったと思われる。

 もっとも、この便利さを享受できるのは今年いっぱいの期間限定の話であり、年末には軌道交通17号線が開通し朱家角まで結んでしまうらしいので、開通後はそちらを利用することになるだろう。

 ただまぁ期間限定と聞くと試してみたくなるのが性分なので、近いうち週末を利用してこのルートを通って朱家角を訪れてみようと思っている。

消えた機場専線

上海虹橋空港と静安寺を結ぶ機場専線が土曜から無くなったようだ。

機場専線の廃止を告げる貼り紙

機場専線の廃止を告げる貼り紙

 まあ、確認のためわざわざ行ったわけではないのだが、虹橋空港方面に用があったたのでちょっと寄ってみたところ、やはりバス停に張り紙がしてあり、どうやら本当になくなってしまったようだ。

 このバス、第1ターミナルの場所がちょっと不便だったために、タクシー以外の手段で行くには最も便利な手段かつ安い方法だったのだが、第2ターミナルが出来て以来、第1ターミナルは寂れ、さらに地下鉄駅も出来たことから利用客が少なくなっていたらしい。

  まあかつてあったバス路線が無くなるというのは時代の流れを感じ、寂しいことである。

地下鉄7号線に乗ってきた!が、試営業?

 先週末から試営業をはじめたと言う地下鉄7号線に乗ってきた。
 わざわざ乗りに行ったわけではないが、客先へ行く路上で使うと便利だと思い早速利用してみた。

静安寺駅の7号線への乗換案内

静安寺駅の7号線への乗換案内

 今回、7号線は上海大学と花木路までの間をちょうど「J」の字を浦消した傘の絵のように描く非常に長い距離を一気に開通させたのだが、今回乗ったのは静安寺から東安路という上海を南北に横断する非常に短い区間である。

 今まで南北に結ぶ路線が少なく、バスやタクシーで行っても道路が混みがちなので予想外に時間のかかっていた区間である。
 ここが開通していただいたおかげで少なくとも4号線の内側の範囲の移動は凄く楽になるし、静安寺からリニアのある龍陽路までの新しいラインが出来たことになる。

 もちろんリニアに繋げたと言うことは万博への足として期待して開通したと言うことはいうまでもない。

7号線の列車接近予告案内板

7号線の列車接近予告案内板

 ところがである。

 なぜか今回9時から16時過ぎまでという中途半端な形の試営業である。
 通勤時間帯を避けて日中時間帯のみ運行されると言う。

7号線の運行通知

7号線の運行通知

 実は今回その理由に興味があって利用してみた。単なる新線開通であれば、地下鉄の場合は景色が楽しめるわけではないので、新しい駅が綺麗だなと感じるだけでわざわざ乗りに行ってもそんなに楽しいものではない。

 しかし今回の試営業という形に非常に興味が引かれた。何故試営業なのかである。

 まず静安寺駅で2号線の乗り換え通路を歩いてみたが、多少距離は長いものの基本的には完成しており、中途半端な状態は見当たらない。更にホームに下りてみたがやはり普通に完成しているようだ。

7号線静安寺駅のホームドア

7号線静安寺駅のホームドア

 転落防止の柵もあり、最近できた他の新しい駅と同様に全てが完成している状態だ。
列車が来て乗り込んでみたが、非常に新しい雰囲気で気持ちよいが、特に試営業を示すようなものは何もない。

7号線の車両内

7号線の車両内

 で、あっという間に東安路についた。
 4号線との乗換については乗り換え通路が若干細過ぎるなという感は否めなかったが、設計の問題があるとはいえ工事的には完成しており、試営業という形をとる必然性は見当たらなかった。

東安路駅の乗り換え階段

東安路駅の乗り換え階段

こうやって考えると全線乗ったわけではないが、7号線はハード的にはほぼ完成しているようで、試営業であっても営業しているからには普通に利用できるようになっていると考えるのが良さそうである。
 

7号線の列車車両

7号線の列車車両

 では何故試営業か?

 ハードが完成しているのならソフトの面を疑ってみる。

 まず疑わしいのは車両である。生産が追いついておらず車両が足りないのではないかという疑いである。
 確か8号線あたりは開通後、車両がなかなか増えず運転本数が増えなかったというニュースがあった。

 日中の試営業程度なら捌けるがラッシュ時には及ばない状態の車両数しか間に合わなかったのではないかという推量が成り立つ。

 ならば車両が揃ってから開通させれば良いだろうと思うが、11月末までに開通させるとアドバルーンを掲げてきた上海市政府にとって、ここで大きく開業を遅らすことは万博を控えた状況の中、対外的に万博準備に不安を与える大きなイメージダウンに繋がってしまうので、面子の上でも遅れることは出来ず、是が非でも開通させたという既成事実を作りたかったのだろうというように思う。
 
 また、その足りない何か以外はこの時期に照準を合わせてハード等も整備してきて、サービス面での業者などとの契約もあるであろうから、遅らせるようわけにはいかなかったということも考えられる。

7号線の安全案内

7号線の安全案内

 で、車両の次に疑うのが人の不足である。人つまり運転士の不足の問題である。実はこちらのほうが主要因として疑わしく、しかも事実とすれば非常に深刻である。

 上海市は、ここ数年一気に地下鉄を開通させ、一気に営業キロを伸ばしてきた。営業キロが伸びると言うことは総列車本数がそれだけ増えると言うことであり、増えた分だけ新しい運転士が必要になる。

 当たり前の話であるが、運転士などという職業は雇ってすぐ使い物になるわではなく、しかも在野にそんなに人材が転がっているわけではない特殊な職業である。つまり運転士は訓練して育てなければならない。しかも時間がかかる。

 日本の場合はデビューするまで最低9ヶ月くらい要すると言われる。

 中国の運転士にどのくらいの養成期間を要するか分からないがやはり半年くらいは必要であろう。よってこれだけ一気に伸びた路線の分だけ運転士を養成するのは容易なことではない。

 しかも日本などは、既存の路線や車両が沢山あるので新線が開通する前からも予めそこで実地訓練することが出来ると思うが、急激に路線が増えた上海ではそういった実地訓練をすることは車両数の面からも容易ではないように思われる。
 ゆえに今回運転士の養成が間に合わず、デビューさせられる頭数が足りず運転本数を減らした試営業となったのではないか?そういった推測ができる。

 ひょっとすると試営業中は営業時間が終わった朝晩に地下でこっそり運転訓練をしているのではないかと勘繰ってしまう。
 
 この年末以降、来年の万博開幕時までに更に多くの地下鉄路線が開通すると言われているが、果たしてハードが間に合ったとしても車両と人が間に合っているのか?
 上海市政府の面子のかかるあと半年である。