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ある会社が自滅していく理由

 最近、私が以前関わった会社が自滅しそうだとその会社にまだ残っている社員から聞いた。

 自滅というのは業績もそうだが、その会社の社員がどんどん離れてしまい、業務が回らない状況まで社員が減りつつある状況になっているようなのだ。
 むろん業績自体も良くないようで、近々に他の会社との合併も決まったとのこと。
 
 まあ、関わったことのある私から言わせてもらえば、業績悪化の原因はひとえに社長というか経営者のパーソナリテイにあり人望の無さが原因だと感じている。
 
 その社長は社員に対して人としてのコミュニケーション能力に欠け、働く気力を失せさせる振る舞いばかりをしていたように映ったのである。

 それ故に社員の定着率も悪く、私がかかわった時も何故か入ったばかりの新入社員だらけで、創業7~8年経つのに勤続3年以上の社員はたった2人だけだったのである。

 どうしてそんな状況なのか最初は不思議だったが、しばらくするとすぐに理解が出来た。

 この社長は社員を人扱いしないというか、社員に対して人としての接し方が出来ず、目先のうまくいかない状況の不満を感情的に社員にただぶつけるだけなので、どんどん社員から嫌われていたのである。

 叱るときは人目もはばからず公の場で人格的否定的な言葉を連発し、まるでパワハラの典型例そのままであった。

 ただまあ以前ブログで書いた通り、中国ではパワハラそのものが、概念として理解されていないというか、社員も嫌ならすぐ辞めるのが常であるから法的問題にならないようなのだが、法的問題にはならなくても会社が存立しない程社員が流出したら流石に元も子も無いのである。

 もちろんこの社長も一応は経営者なので、社員が流出している状況のまずさは感じていたようで、それなりの社員対策はやっていた。

 表彰制度やイベント、社員旅行など、他社でもやっているような福利厚生の社員対策は一通りやっていたのである。
 しかし、私が傍から見ていた限りではこれらはどこか形式的というか、取ってつけたような印象で、本当に社員の為にやっているようには見えなかったのである。

 どちらかというと社員のためというより、対外的な会社の見栄というかエクスキューズのため、つまり当社はこんなに社員のために配慮してますよというパフォーマンス的匂いがプンプンしていたのであり、それが証拠にいちいちSNSなどでアップして自慢しており、そのための写真撮影に熱心だったのが印象に残ったのである。

 そんなパフォーマンスに付き合わされる社員にとって、会社に居続けたいと思う理由はどこにもなく、私がかかわった時は既にチャンスさえあればどこかへ移籍しようと考えている社員ばかりになっていた。

 そして、思い起こせばこの会社が実際に自滅へ向かい始めたのは、一人の戦力だった入社4年目の社員が辞めてからであろうに思われる。
 その社員は上述した2人いた勤続3年以上の社員の1人で、成績としては毎月ノルマを満たしていたにも関わらず、社長は何が不満だったのか会議でかなり酷い言葉をぶつけたらしく、結局それが原因でその社員は退職したのである。

写真はイメージ

写真はイメージ

 それ以降その社長は社員の努力不足を理由に業績不振を口にするようになった。

 売り上げの柱の1人が退職したのだから、会社のパワーが落ちるのは当然なのだが、社長はそれを認めようとしなかったのである。

 そんな最中、私も結局追い出されるようにその会社を離れたのだが、社長以外のスタッフとは仲良しになったので、どんどんとその社長情報(主に悪口)が私に届くようになった。

 上記の退職した社員も直後に同業他社に転職したようなのだが、実はその上司は私の知り合いだったのでそれを知ったのだが、その上司の情報によると新職場では評価が高いらしく、本人ものびのびと仕事をやっているとのことのようだ。

 で、この春節前後に新たに2人が離職したらしく、その会社は社長を除けばたった3人になってしまい、もはや風前の灯火のような状態になったのである。

 そして今残っている社員でさえ次の契約更新の際に離職を考えているらしく、スタッフが全くいなくなるのは時間の問題になっている。
 しかも聞いたところに依ると、上記の社員だけでなく、かの会社を辞めて同業他社に転職した例は多く、そのほとんどは定着しているようで、戦力として活躍しているとのこと。
 業界としても確かに以前ほど活況ではないが、それなりに仕事や利益はあるらしく、業績が急激に落ちる環境ではないようなのだ。

 つまり、かの社長は自らの徳の無さで利益を減らしているわけで、そればかりか戦力に育った社員をみすみすライバル会社に渡すことになって敵に塩を送っている状況となっており、まさに自滅なのである。

  私自身、この社長に恨みはないが、二度と仕事で絡むのは勘弁と感じているし、社員を大事に出来ない経営者はビジネスを成功させられないという教訓にさせてもらっている。

上海の人気飲食店が突然閉店になる理由

 昨日、知り合いのとの会話で上海で人気だった飲食店がなぜ突然閉鎖になるのかという話題になった。

 実は日系飲食店や日本料理店に限らず「あの流行っていた店が何故閉店?」というケースは、上海では珍しくない。
 特に流行っている店ほど、突然閉店が起こりやすい傾向がある。

 まあ具体的な理由に関して言えば、私は当事者でも関係者でもないので、その閉店したお店に直接伺わなければ実情は分からないが、上海の商環境から感じる理由は十分推測が出来る。

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 その第一の理由と推測されるのは、第三者による店舗物件の乗っ取りである。

 中国人の思考は、風水文化の影響もあって商売を行う場所というもの非常に重視する。

 それ故に、非常に流行っている店を見つけると、サービスとか商品よりも場所に原因を求めてしまう傾向があって、あそこで商売すれば儲かりそうだからあの場所が欲しいということになるのである。

 すると、その場所が欲しい人間はどういう行動をとるかというと、大家なり管理会社に圧力や金銭的利益を与えて、その場所を空けてもらうように頼むことになり、頼まれた側は契約更新時に家賃の値上げなどを掲げ、商売を継続するのが難しい状態に追い込むことをする。

 家賃の値上げくらいでと思うかも知れないが、上海の場合は不動産バブルの追い風もあって、30%~40%の家賃値上げをふっかけられることも珍しくなく、とても従前の商売は継続できるような状態ではなくなるので、狙われた側は泣く泣く出ることになる。
 そこへ満を持してその場所を狙っていた第三者が入居することになるのだが、階級社会の上海とは言えひどい話ではある。
 まあこれが人気店ほど、突然閉店が起こりやすい理由だと私は察する。

 しかし、このような強引な入居は、一般的には従前の商売が何故流行っていたかを理解していないので、当然のことながら従前の店舗のような流行りを得ることも出来ず、家賃コストなども太っ腹で高めに決めてしまうので、利益を得られず短期で閉店するのがオチなのである。

 このような極端な場所信仰こそが、上海の不動産のバブルな高騰をささえていることも否めないような気がする。

 ただ、最近の第三者による飲食店乗っ取りはもう少し手が込んでいるようで、上記のような方法で従前の経営者を追い出した後、なんと居抜きでその店舗を使って元の商売とほぼ同じ内容の商売を始めることをするようである。

 もちろん店舗名ばかりは元のままという訳にはいかないようなのだが、一文字変えただけとか、良く見ないと見間違うような似た字を使って、まるで元の店が継続しているような商売をしたりする。

 つまりやはり場所とそこに合った業種が流行っていた理由であろうという推測の発想からの対応なのである。

 しかしこういった場合でもやはり商品やサービスへの配慮が欠けたりするから、結局は商売はうまくいかないようであり、他人のふんどしで相撲を取っても、駄目だということになる。

 自ら努力せず、流行っているものをお金で買って商売を始めようというまさに中国人に見られる商売の発想パターンそのものが、人気飲食店が突然閉鎖してしまう理由のように思えるのである。

ちょっと気になるアピタの包装の多さ

 昨年オープンした上海のアピタ(ユニー)であるが、我々上海在住の日本人の間でも好評で、私自身もちょくちょく食料品やお弁当などを買うようになっている。
 店内の清掃状況や陳列、店員マナーはほぼ日本のショッピングモール並みで、しかも物価も日本ブランドのスーパーとしては比較的良心的な価格で抑えられており、例えば「のり弁」なども15元以下で、円換算したとしても納得できるような安さである。

 このお店のオープン以降、周囲の商店に与えた影響も結構大きいようで、近くの匯金百貨の地下のスーパーで働いていたレジのおばさんが、ちゃっかり途中からアピタのスーパーに転職しているような状況すら見かけた。
 そのくらい客が流れているということである。

 そんな中、最近ちょっと気になったのは日本並みの包装の多さである。

 例えば、ここでお弁当を買うと、その都度液漏れ防止のためにポリ袋にお弁当を包んでレジ袋の中にいれてくれるのだが、何度も弁当を買っているうちにこのポリ袋が自宅に結構たまっていることに気がついた。

 まあ1回あたり1枚程度とは言え、溜まると結構な枚数になり、ごみとして考えると気になる量である。

 さらに、かのお店ではエコバッグ的なものを推奨している雰囲気があまりないような気がする。
(制度はあるかも知れないがあまり推奨された覚えがない)

 ご存知のように中国では環境対策の一部としてレジ袋が有料になっており、どこまで実効性があるのかはともかく、一定の歯止めになっているはずなのだが、ここではエコ袋の推奨がないため包装の多さばかりが気になり、中国の社会状況に逆行しているような印象さえ受けるのである。

 まあ、もちろんアピタ側も全く環境対策を取っていないわけではなく、例えば上記の弁当容器は日本からもちこんだ再生可能な容器の用であり、気を使っている面はある。
 とはいえ、弁当一個一個の包装はやりすぎだという気もしなくはない。

 しかし残念ながら、現時点では受け入れ側の中国社会にその分類を生かすシステムがないと思われ、弁当の容器はゴミを増やすだけの環境となっているような気がする。

まあこれらを過剰包装だと非難する気はないが、日本並みの清潔感をアピタが折角持ち込んだのに、受け入れる社会が整っていないがため、結局ゴミを増やすだけの状況になっているのが今の状況のような気がするのである。

 この状況は企業側が解決すべきなのか、行政が解決すべき問題なのかは分からないが、過剰包装を喜ぶような我々の生活に対する考え方は是非改めたいものだとは思う。

上海アピタ店内

上海アピタ店内

会社経費の発票の宛名は「公司」の2文字だけでOKらしい

中国で商取引や個人の買い物の際に代金の代わりに相手から渡されるのが、「発票」(ファーピァオ)であり、いわゆる日本でいう領収書である。
 この領収書、大きく分けて2種類あり、支払った人の性質別に個人向けと会社向けがある。
 このうち個人向けは「個人」と書かれ、会社向けの場合は代金を払った会社のフルネームを一字一句間違いなく打ってもらう必要があり非常に面倒なものだった、、、というのがこれまでの私の常識だった。

 ところがである。

 先日ある所から聞いたところに寄ると、会社名をフルネームで打つ必要はなく、「公司」(会社の意)の2文字だけで、会計処理が可能だというのである。

 つまり、長ったらしいフルネームを伝えて、文字間違いのリスクに怯えながら待つことは不要ということのようである。

 これは我々日本人に限らず現地の市民にとって非常に朗報だろう。
 長い自社の名前を間違いなく打ってもらうのは一苦労であり、面倒臭いことだったこれらの作業から解放されることになるからである。

 特に日本人の集まる夜のコミュニティ会合では、各人の会費にそれぞれ発票を発行するために、個人個人から名刺を預かる姿が今までの常だったが、これが「公司」の2文字だけで良いなら状況が一変する。
 つまり、参加者の会社名に関わらず全員に「公司」の宛名の発票を人数分発行すれば良いことになり、お店側に頼む手間も大幅に減ることになるのである。

 まあただこれは会計処理上のルールということなので、もしかすると会社によっては社内規定によって会社名が入っていないと処理しませんという会社もあるかもしれないし、都市によって違う可能性もあり、結局B2Bの場合はやはりフルネームを求められるのが普通かも知れないので確認は必要である。

 その場合は仕方なくフルネームでの発票を頼むしかないが、そうでなければ今後は「公司」の2文字だけで済ますほが非常に楽であり、確認しておいて損はないこの発票の件である。
 
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春秋航空の親会社がとうとう日本のホテル業に進出

 中国人の日本旅行や日本国内での爆買いのニュースは中国の長期休暇の度に話題となっており、中国から日本への航空便も相変わらず増え続けている。

 しかし、ここ一二年程度であまりに急激に増えて知ったため、日本側の受け入れ側のキャパ、つまりホテルが足りない状態になっており、今後はこの伸びは頭打ちになるのではないかと思っていた。

 ところがである。

 先日、見たニュースによると春秋航空の親会社である春秋国際旅行社が日本の不動産会社と共同で、日本のホテル事業に進出するということが発表された。

 未来3~5年の間に200億円を投じて日本の主要都市に15~20ものをホテルチェーンを設置することになるとのこと。

 つまり、日本へ中国人観光客を送りこむためにネックになっている宿泊キャパを自前の投資して拡大し、市場許容規模を拡大してしまおうという判断である。
 これは多少予想されていた動きとはいえ、ちょっと驚きのニュースである。
 何故なら日本側の観光産業の受け止め方は、現在外国人観光客の急激な需要拡大があるとはいえ、日中関係の観光業は水物であることを知っており、いつまた急激に需要が落ち込むかわからないために新たなホテル開業など投資は慎重になっているからである。
 実際、上海の日系旅行会社の関係者などに尋ねても、需要見込みはせいぜい2020年の東京オリンピックまでで、それ以降の需要が見込めないために長期回収が不可欠なホテル投資は行えないのが現実だと言っていた。

 しかし、その慎重論をあさっり覆されたのが今回の春秋国際旅行の判断であり、今後5年程度は需要が十分続くと踏んだ上の投資発表なのだと思う。

 確かに中国の人口規模や経済発展レベルを見ればホテル投資に見合うだけの旅行需要がありそうな印象ではあるが、政治に影響を受けやすいのが日中の経済関係でもあり、日本側はそのチャイナリスク無視では投資できないのである。
 さらに2020年以降は人口減少から内需の縮小も予想されており、なおさら投資に慎重にならざるを得ない経済環境となっているのである。

 そんな中での今回の春秋国際旅行社の決断は、日本側にとっては投資リスクを自ら被ってくれるあり難い存在とも言えるが、逆に言うと商機を自ら生かせない日本的な安全優先主義が象徴されるような状況とも言える。

 まあ今後政治関係に大きな変動がなければ、この投資は成功しそうだがはてさてどうなるかは5年後になってみないと分からないのである。

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