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半年で4人の若手社員がガン手術の職場

 私の職場ではなく、上海以外の友人の職場での話だが、この半年で4人もの若手同僚ががんの手術を受けたそうだ。
 しかも40歳以下の女性ばかり4人だそうである。

 その友人の職場は60人程度の会社で、工場とかの現場系ではなく、従業員60人程度の事務系の会社である。

 まああまり詳しいことは聞かなかったが、がんの種類はそれぞれ違うらしく、何かこれといって特定の原因が見つかりそうな状況では無いようだ。
 その本人も体調が本調子ではない状態が最近続いていて、そんな周りの状況もあって、得も知れぬ不安にかられて、私に訴えてきたようだった。

 しかしながら60人程度の会社で4人というのはすごい確率である。

 率にして6.7%と、1%を遥かに超える。

 日本のデータでは40歳以下の場合はがんの発症率は0.1%を少し超える程度であるようであり、1%を超えただけでも多いのに6%超えとは驚きである。

 これは何らかの特定の原因が引き起こしたのではないかと疑いをかけるのに十分に足る状況であり、単なる偶然なのかどうかは検証すべきであろうに思う。

 過去には胆管がん印刷業従事者に多発して、ようやく原因がわかったような事例もあるし、今まで知られなかった要因がありうる可能性は捨てきれない。

 職場で流行った特定の食品、あるいは職場の建物や空調環境などのオフィス環境など、調べて見る価値はあるのかなという気がする。

 その友人に対しては、不安なら上司に調査を要求し、拉致があかないなら離職も検討したほうが良いとアドバイスしてあげた。
友人の無事を祈るばかりである。


 

ある会社が自滅していく理由

 最近、私が以前関わった会社が自滅しそうだとその会社にまだ残っている社員から聞いた。

 自滅というのは業績もそうだが、その会社の社員がどんどん離れてしまい、業務が回らない状況まで社員が減りつつある状況になっているようなのだ。
 むろん業績自体も良くないようで、近々に他の会社との合併も決まったとのこと。
 
 まあ、関わったことのある私から言わせてもらえば、業績悪化の原因はひとえに社長というか経営者のパーソナリテイにあり人望の無さが原因だと感じている。
 
 その社長は社員に対して人としてのコミュニケーション能力に欠け、働く気力を失せさせる振る舞いばかりをしていたように映ったのである。

 それ故に社員の定着率も悪く、私がかかわった時も何故か入ったばかりの新入社員だらけで、創業7~8年経つのに勤続3年以上の社員はたった2人だけだったのである。

 どうしてそんな状況なのか最初は不思議だったが、しばらくするとすぐに理解が出来た。

 この社長は社員を人扱いしないというか、社員に対して人としての接し方が出来ず、目先のうまくいかない状況の不満を感情的に社員にただぶつけるだけなので、どんどん社員から嫌われていたのである。

 叱るときは人目もはばからず公の場で人格的否定的な言葉を連発し、まるでパワハラの典型例そのままであった。

 ただまあ以前ブログで書いた通り、中国ではパワハラそのものが、概念として理解されていないというか、社員も嫌ならすぐ辞めるのが常であるから法的問題にならないようなのだが、法的問題にはならなくても会社が存立しない程社員が流出したら流石に元も子も無いのである。

 もちろんこの社長も一応は経営者なので、社員が流出している状況のまずさは感じていたようで、それなりの社員対策はやっていた。

 表彰制度やイベント、社員旅行など、他社でもやっているような福利厚生の社員対策は一通りやっていたのである。
 しかし、私が傍から見ていた限りではこれらはどこか形式的というか、取ってつけたような印象で、本当に社員の為にやっているようには見えなかったのである。

 どちらかというと社員のためというより、対外的な会社の見栄というかエクスキューズのため、つまり当社はこんなに社員のために配慮してますよというパフォーマンス的匂いがプンプンしていたのであり、それが証拠にいちいちSNSなどでアップして自慢しており、そのための写真撮影に熱心だったのが印象に残ったのである。

 そんなパフォーマンスに付き合わされる社員にとって、会社に居続けたいと思う理由はどこにもなく、私がかかわった時は既にチャンスさえあればどこかへ移籍しようと考えている社員ばかりになっていた。

 そして、思い起こせばこの会社が実際に自滅へ向かい始めたのは、一人の戦力だった入社4年目の社員が辞めてからであろうに思われる。
 その社員は上述した2人いた勤続3年以上の社員の1人で、成績としては毎月ノルマを満たしていたにも関わらず、社長は何が不満だったのか会議でかなり酷い言葉をぶつけたらしく、結局それが原因でその社員は退職したのである。

写真はイメージ

写真はイメージ

 それ以降その社長は社員の努力不足を理由に業績不振を口にするようになった。

 売り上げの柱の1人が退職したのだから、会社のパワーが落ちるのは当然なのだが、社長はそれを認めようとしなかったのである。

 そんな最中、私も結局追い出されるようにその会社を離れたのだが、社長以外のスタッフとは仲良しになったので、どんどんとその社長情報(主に悪口)が私に届くようになった。

 上記の退職した社員も直後に同業他社に転職したようなのだが、実はその上司は私の知り合いだったのでそれを知ったのだが、その上司の情報によると新職場では評価が高いらしく、本人ものびのびと仕事をやっているとのことのようだ。

 で、この春節前後に新たに2人が離職したらしく、その会社は社長を除けばたった3人になってしまい、もはや風前の灯火のような状態になったのである。

 そして今残っている社員でさえ次の契約更新の際に離職を考えているらしく、スタッフが全くいなくなるのは時間の問題になっている。
 しかも聞いたところに依ると、上記の社員だけでなく、かの会社を辞めて同業他社に転職した例は多く、そのほとんどは定着しているようで、戦力として活躍しているとのこと。
 業界としても確かに以前ほど活況ではないが、それなりに仕事や利益はあるらしく、業績が急激に落ちる環境ではないようなのだ。

 つまり、かの社長は自らの徳の無さで利益を減らしているわけで、そればかりか戦力に育った社員をみすみすライバル会社に渡すことになって敵に塩を送っている状況となっており、まさに自滅なのである。

  私自身、この社長に恨みはないが、二度と仕事で絡むのは勘弁と感じているし、社員を大事に出来ない経営者はビジネスを成功させられないという教訓にさせてもらっている。

SOHOの限界

 インターネットが普及し、IT技術が発達しつつある現代のビジネスシーンにおいて、SOHOというワークスタイルが理想だという言葉がよくきかれる。
 SOHOとはつまりスモールオフィスホームオフィス(Small Office Home Office)の略で、IT技術の発達により今までのように都心のオフィスにわざわざ人が出勤しなくても、ネット回線を通じて情報のやり取りを行なえば、大きなオフィスは必要なく、それぞれの自宅で仕事をすればよいといった意味で、将来のワークスタイルの理想像としてこの言葉が扱われている。

 確かに現代社会においてはそれだけのIT技術が発達し、中国においてでさえブロードバンドや3Gモバイルがどんどん普及しているので、それらを可能足らしめる十分な技術環境がほぼ整いつつあるとはいえる。

 しかしながら、ここに一つの視点の落とし穴がある。

 このSOHOというワークスタイルは、個人事業主など労務管理の必要なく、結果のみが問われる場合においては非常に有効だと思われるが、そうではなく一般的な労使関係で雇用される従業員やそれらを抱える会社組織に対して適用するにはあまり適当では無いということだ。

 言うまでもなく会社組織というのは専門性の組織連携によって生み出される合理性が、個人で仕事するよりアドバンテージがあるので会社組織という経済単位が生まれているだが、その会社組織が会社として機能にするためには、必ずといっていいほど綿密な連携が必要となる。
 この点においてはオフィススタイルがSOHOに対して圧倒的優位性をもっているのは自明の理である。

 しかしながら、現在では既に同じオフィス内にいても情報のやりとりをメールのみで行なう場合も多く、必ずしも対面で仕事をしているわけではないので、もしこれがSOHOに置き換わっても基本的に業務効率の面でそれほど大差ないようにも見える。
 しかし残念なことに、これをSOHOに置き換えてしまうと、同じオフィス内でメールだけで仕事をする場合に比べてもさらに業務の効率性は落ちてしまう。

それは何故か?

 実はそこに大きく人間的要素が介在するからである。
つまり「できる」ことと「やる」ということは同じでは無いということである。
技術的に可能だということと、それを実行するということの間には大きな隔たりがあり、実は働く人間のモチベーションによってこの溝が埋まるかどうかが決まる。
 
 オフィスに出勤すれば、必ず他の社員の目があり、少なくとも自宅にいるよりは緊張感を持って仕事に取り組むことになる。また時間管理の面でも朝決まった時間に出勤し決まった時間に退勤するというコアの時間があるとないとでは、生活リズムの面でもやはり業務に対峙する姿勢が異なってくる。

 また単純に業務環境の面でも差が大きく、モバイル機器がどんなに発達しても、やはり外部環境とオフィス内とでは業務効率がまるで違うし、喫茶店の中でオフィスと同じ緊張感と効率で仕事に取り組める人もそう多くはあるまい。

 自由に開放された緊張感のない中で仕事をすれば、例えクリエイティブな仕事であったとしても人間の心は楽なほうに向かい、自制が甘くなる。

 これは自分ひとりしかいない個人事業主でも同じことのようで、時間を決めずのべつ幕無しに、仕事だかプライベートだか分からない時間を過ごしていると結局は業務効率が低下してしまう。よって彼らの中には仕事とプライベートをきっちり分けるために、業務時間を設定したり自分ひとりしか出勤しないオフィスであっても自宅とは別にオフィスを設け仕事をしているという人もいる。

 つまり、SOHOを成立させるためには、働く人間がモチベーションを維持しながら働ける状態を整えることが必要条件となる。

 この点、個人事業主なら仕事の成果がそのまま自分の生活に直結するので他人に言われなくてもモチベーションを維持できるが、会社組織の中の一般従業員にこれを適用するには少々難がある。
 月給制や時給制の中では、余程きちんと成果を管理する体制をとらない限り、人目から隠れて楽をしようと考えるのが人間の自然な心理である。どんなに真面目に仕事に取り組んでいるつもりでも、いつでもできるという心の隙が油断を生む。

 このような会社組織の一般従業員にSOHOを適用するには、他人の目がなくても業務時間を守れるほどの動機付けが必要になる。例えば生活に影響するほどの成果主義評価制度を導入するとか、社員を社内個人事業主的な扱いをするとかを考える必要がある。

 これらの条件を整えず、ただ野放図にモバイルだのITだの技術を過信しSOHOを推し進めたところで、結局は業務効率が落ち理想のワークスタイルは絵に書いた餅となる。
 放っておけば楽をしたがる働く人間の特性を考えず、IT技術の面だけでSOHOを語っても限界がある。