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中国のホテル用語<内賓・中賓・外賓>の意味

 中国はまだ日本のようにどのホテルに誰でもお金を払えば泊まれるという仕組みにはなっておらず。いまだに外国人が泊まれるホテルとそうでないホテルがある。

上海のローカルホテル

 そういったホテルの区分を知るのに知っておくべき言葉がある。

 日本から見る日本語のホテル予約サイトではまず出て来ない言葉なのであるが、携程網(Ctrip)など、中国国内向けのホテル予約サイトには、ホテルや部屋区分ごとに「内宾(賓)・中宾(賓)・外宾(賓)」などという表示が出てくる。

 これは何を示しているかというとそのホテルや部屋に泊まれるお客の身分を示すものである。

 主に外国人が泊まれるかどうかを示すものであり、我々外国人には重要な表示で、中国国内で働かれたり旅行される方は覚えておいたほうが良い表示である。
 たまに同じホテルでも部屋単位や予約手段ごとにこの区分が違うこともあるが、基本的にはホテル単位でこの区分が決まっている。

 それぞれ具体的にどういう意味があるかというと下記の通りとなる。

内賓(内宾)  中国の身分証明書を持つ人、つまり中国国籍の人のみが泊まれるホテルとなっているので外国人は泊まれない。
中賓(中宾)  中国パスポートと中国国内で外国人居留証などを取得して働いている方が泊まれるホテルであり、観光客など査証免除や臨時査証で入国される方は泊まれない。
(大陸以外のホテルでこの表示がある場合は、香港籍・台湾籍も泊まれる場合がある。)
外賓(外宾) 外国人向けホテル(部屋)で中国人も泊まれる。

となる。
 このように外国人向けホテルが区分されているという意味は、受付やその他で外国人向け対応が整っていることを意味するが、逆に言うといろんな面で外国人自身もきっちり管理されているホテルともいえるかもしれない。

 料金も当然ながら総じて外賓>中賓>内賓の順で差がある。

 私は中国の労働ビザ(外国人居留証)を取得しているので、中賓の部屋でも泊まれるが、例えば友人を日本から招く場合などは、彼らは泊まれないので外賓の部屋を探さなくてはならないことになる。

 このあたり、当たり前だが日本の楽天トラベルなど、日本語その他の外国語で案内される旅行サイトには外国人が泊まれホテルしか表示されないはずなので、一般の外国人は内賓・中賓ホテルの存在や区分があることをすら気が付かないかもしれない。
 しかし実際にはこの区分があり、中国に駐在されている方などで国内を安く旅行したい場合は、中国語のサイトで中賓区分のホテルを選んでみるのも手かもしれない。


引っ越しは完全犯罪?

 故あって、またまた引っ越しすることになった。
 私は転勤族でもないのに生まれてこの方、非常に引越の多い人生となっていて、果たして人生何度目の引越だろうと数えるのも面倒なほど引越をしている。

 こんなに引越をしていると、さぞかし引越のベテランになったと他人から思われそうだが、まあ引越をしたことのない人よりは慣れているかもしれないが、自分としては何度繰り返しても慣れないのがこの引越である。

 で、ここ数日は引越をするための準備に追われているのだが、引越とは部屋から自分の痕跡を消し去る作業だという気がする。

 つまり、借りる前の状態になるべく近づけて返す必要があるわけで、自分がこの部屋にいた痕跡を可能な限り消してから、大家さんに明け渡し次の人に借りてもらうようにする努力をするわけである。

 まあ所詮貸家なのであまり気を遣いすぎるもどうかと思うが、次の人が入って来た時に、前に住んでいた人がどんな人かというのを想像させては非常に申し訳けないような気がするのである。

 そのため台所やトイレを誰かが使ったとは思われないような状態まで綺麗にしてから退出することになる。

  自分のいた痕跡を消し姿を消す、言うなれば完全犯罪に挑戦しているような気分になるのが、この引越前の準備作業である。

 この痕跡を消す作業、自分がいた証拠を一定の時間を暮した部屋から消すのはちょっと悲しい面もあるが、借家を転々とする限り避けがたいことではあり、借りる人同士のお互いのルールであるとも思うので、仕方ない。

 そんなことを考えながら今日も黙々と掃除を続けている。

上海人はあまり脱がない

 最近、上海の街中を歩いていて妙な発見をした。
 街路沿い二間幅間口の個人商店は、表通り側のガラス扉を締めず結構開け放しなのである。

 陽気の良い頃なら何でもない事だが、この寒い真冬に間口を開け放してるわけで、当然のことながら室温と外気温はほとんど同じ状態となる。
 そんな状態であるので店主たちは、外出の防寒着そのままの状態で店番と言うか、商売をしていた。

 日本だと、八百屋など開け放しでないと成り立たないような商売のほかは、冬はドアを閉めて中は空調やストーブで暖を取るのが普通であるが、上海の個人商店はどうもそういった暖を取っている様子がない、つまりストーブが無いようなのである。

 以前は暮らしが貧しいからストーブを持てないだけなのかと感じていたが、上海ではどこへ行ってもストーブを見かけないことに最近気がついた。
 たまに扇風機の形をした電気ストーブを見かけることもあるが、非常に稀な存在であり、滅多に見かけない。

 また上海人の同僚はオフィスで暖房をつけるとあまり喜ばないことにも気がついた。

 こちらは部屋を暖めて、上着を脱いで身軽な格好で仕事をすればいいと思うのだが、どうも室温が外気温に比べ高いという環境にはあまり慣れないよう、よほどの寒さでない限り暖房をつけることを好んでいない様なのである。

 どうやら上海では部屋全体を温めて暖を取ると言った習慣があまり浸透していないようなのである。
 最近でこそエアコン導入家庭が増加したことにより屋内空調を行なって部屋を暖める習慣も少しずつ浸透しつつあるようだが、伝統的には上海は屋内は暖房無しが基本といっても良いような文化なのである。

 ゆえに日本のようなストーブはほとんどなく、灯油販売所すら見かけない。
 というか灯油そのものが中国では売っていないようだ。

 ライター用の「火油」「煤油」といったものはあるようだが暖房用ではないし、色々調べていくと日本の灯油文化の方が結構日本独自といっても良いもののようで、アメリカなどにはヒーティングオイルが存在するが、日本と同じではなく、日本独特の規格のようなのである。

 中国では東北部など寒い地方へ行くと薪のストーブやディーゼル油を使った地域暖房設備などは有るようだが、やはり灯油ストーブのようなものは見当たらない。
 やはり灯油ストーブはほとんど日本独特の文化の様なのである。

 まあ燃料が何にせよ、上海では薪も含めてストーブそのものがほとんど浸透しておらず、ストーブ的な暖を取る存在がないようなのである。
 
 はてはて、これはどういう理由でこうなっているのだろうか?

 気になっていろいろ資料を調べてたが、全く情報が見つからない。
 元々無い文化なので、どうやら資料もないようなのである。

 まあ仕方なく自分なりに考えた結論で言えば、上海は地理的条件により山林が遠く、薪が豊富に供給されない場所であり、それ故に暖房も発達しなかったのではないかと考えた。
 家屋にしても上海の伝統家屋はレンガ造りの石庫門作りであり、レンガは粘土、つまり木に依存しない建築材料であることから、上海という場所が木材資源に恵まれない場所であることは分かり、薪もまた少なかったであろうと推測されるのである。

石庫門の住宅

上海の石庫門の住宅

 それ故に、薪や炭を燃やして部屋の中の暖を取るという文化が発達しなかったのではないかと思われる。

 こういった点、日本では古くから囲炉裏や火鉢と言った文化があり、かなり以前から火を以て屋内を暖める文化があった。

 囲炉裏や火鉢は現代の空調やストーブには及ばないもの、屋外に比べ遥かに暖かい屋内となっていたようで、暖房文化としては日本はかなり早くから進んでいるものを持っていたようだ。
 携帯用懐炉などもその一つで、ベンジンを使った白金懐炉や使い捨てカイロなどは、中国どころか世界中にも類を見ないような存在であると言って良い物のようなのである。

 最近では煙のほとんど出ない薪ストーブなども発売されるなど、日本の暖房文化は実は隠れた世界遺産なのじゃないかという気もしている。
 ストーブや灯油の販売など、毎年冬になると見られる当たり前の日本の風景だが、実は結構稀に見る凄い伝統文化の積み重ねだと言うことに、調べていて初めて気がついた。

 さてさて話を上海に戻すが、上述の通りストーブ文化の無い上海だが、上海もやはり冬は日本の東京や大阪と同じくらい気温が下がるので、どうにかして乗り切らなければならない。
 このストーブの無い上海人たちがどうやって冬を乗り切るかと言うと、一つは衣類の厚着で対応しているようである。

上海の冬の服装

上海の冬の服装

 全身タイツのような長袖長ズボンの防寒下着を身に着け、その上から日常の洋服、セーターなどを身に着け、さらに防寒ジャケットのような上着を室内でも着っぱなしでいることも少なくない様である。

 つまり上海では冬の屋内での過ごし方は屋外とほぼ同じ格好で過ごしており、つまり屋内に戻っても服をあまり脱がないのである。

 冬の時期に上海のデパートなどへ行くと、日本以上にダウンジャケットなどが多く並べられ売られているが、あれは普段着としての需要が日本より多いからだと考えられる。
 ただシャワーなど身体を洗う際にはもちろん裸になり、裸になればさすがに身体が冷えるので、シャワールームの天井に専用の取暖器と呼ばれる暖房装置がついており、シャワー空間だけは暖かくなるようになっている。
 しかし、そういった特別の瞬間以外の時は、部屋全体が寒いので彼らは厚着のまま1日を過ごしている。
 
 また服以外の暖を取る方法として、食事やお茶で身体を中から暖めるという方法も大事な要素となっているようだ。
 上海など中国では日常的に一人一人がペットボトルサイズの水筒を持ち歩いており、中には保温性の高いものもあり、冬になるとこれにお茶を淹れて持ち歩いて、これで暖を取ってる人も数多く見かける。
 また、香辛料の強い辛い料理や火鍋と呼ばれる鍋料理が発達していることは、食べ物が暖を取る大事なチャンネルの一つであることと無縁ではないようで、日常食としてスープで暖を取れる麺類が伝統的に食べられていることも同様の理由と考えられる。
 しかしながら食べ物で暖は取るが、部屋を暖かくするという行動にはならないようで、食堂でもダウンジャケットを着たまま食事を取る人の姿を多く見かける。

 中国の食文化を表す言葉に熱いものを熱いうちにというものがあるが、あれは衛生面だけでなくこういった暖を取る大事な手段として食が大事だということのようである。

 ところで上海に来ている日本人でよく聞かれるのが上海は家の中が寒いという声であるが、こうやって調べていくと、それは至極当たり前の感想で、上海人は家の中を暖めようとする意識が無いのだということがわかる。
 つまりこのように上海の人間が伝統的にストーブを持たず、別の方法で暖を取る方法で冬を過ごしている文化では、家屋の暖を保つ文化技術が発達しておらず、冬は部屋の中でも寒いので厚着のまま過ごすべきなのようである。

 そうはいっても部屋を暖める文化の日本からやってきた我々日本人は、部屋の中では服を脱いで身軽に過ごしたいわけで、エアコンの暖房いれてもなかなか暖まらない上海の寒い部屋を恨めしい思いで過ごしている日本人も大勢いる。

 日本と同じように人が生活しているかのように見える上海の街だが、じっくりと観察すると、驚くべき事実が見えてくるから不思議である。

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