引っ越しは完全犯罪?

 故あって、またまた引っ越しすることになった。
 私は転勤族でもないのに生まれてこの方、非常に引越の多い人生となっていて、果たして人生何度目の引越だろうと数えるのも面倒なほど引越をしている。

 こんなに引越をしていると、さぞかし引越のベテランになったと他人から思われそうだが、まあ引越をしたことのない人よりは慣れているかもしれないが、自分としては何度繰り返しても慣れないのがこの引越である。

 で、ここ数日は引越をするための準備に追われているのだが、引越とは部屋から自分の痕跡を消し去る作業だという気がする。

 つまり、借りる前の状態になるべく近づけて返す必要があるわけで、自分がこの部屋にいた痕跡を可能な限り消してから、大家さんに明け渡し次の人に借りてもらうようにする努力をするわけである。

 まあ所詮貸家なのであまり気を遣いすぎるもどうかと思うが、次の人が入って来た時に、前に住んでいた人がどんな人かというのを想像させては非常に申し訳けないような気がするのである。

 そのため台所やトイレを誰かが使ったとは思われないような状態まで綺麗にしてから退出することになる。

  自分のいた痕跡を消し姿を消す、言うなれば完全犯罪に挑戦しているような気分になるのが、この引越前の準備作業である。

 この痕跡を消す作業、自分がいた証拠を一定の時間を暮した部屋から消すのはちょっと悲しい面もあるが、借家を転々とする限り避けがたいことではあり、借りる人同士のお互いのルールであるとも思うので、仕方ない。

 そんなことを考えながら今日も黙々と掃除を続けている。



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