日本に気軽に帰れないもどかしさ

 新型コロナの影響で3月に事実上の国境封鎖状況になってから半年近くが経っている。

 個人の生活においては、それなりに収入が安定して不安はないのだが、中国からなかなか出られない状況にはもどかしさを感じている。
 実は私の母親の体調というか、健康状態が万全ではなく、腰やその他を悪くして入院していたりと、不安定な状況が続いており、とりあえずは今すぐどうのこうのという状態ではないのだが、もう若くはないのでいつ万が一の状態が起きても、おかしくはない状況を抱えている。
 故に突然帰国が必要になることもあり得なくはない状況なのであるが、コロナウィルスの影響で、もし突然帰国したいと思ってもなかなか思うに任せない状態である。

 ただ正確なところを言えば、現在とて全く帰れない状況というわけではない。
 一応飛行機は飛んでいるし、母国なのであるから、帰国拒否はされず、帰国しようと思えば帰国は可能である

 ただし、そのハードルは結構高い。

 例えばまず航空便であるが、現在ほぼ各航空会社が各国各1ルートを週1便しか飛んでないので、チャンスそのものが少ないのと、運賃がべらぼうに高いので、実際によほどの事にならなければ、気軽にはチケットは買えない状況にある。
 平時なら往復2~3千元で買えるチケットが、現在1.5~2万元(20~30万円)にまで高騰している。

 さらに帰国の際には空港から自宅までは、公共交通機関を使わさせてくれないので、レンタカーを借りて自力運転で帰るか、父親などに迎えにきてもらう必要がある。

 そして原則14日間の自宅隔離である。

 まあ、この条件自体は監視がつくわけではないので、おとなしくしてればよいであろうが、14日間も日本に滞在することは、仕事との兼ね合いを考えると二の足を踏む状況であり、そこを乗り越えるには随分と勇気がいる。

 
 そして、もし無事に日本に戻れて義理を欠かさず済んだとしても、今度は中国に戻れるか?の問題が待っているのである。

 まず現状では、居留証(労働ビザ)を持っていても、効力が停止されている状況にあり、そのままでは中国に再入国出来ない。
 従って、特例として認められているビジネス用の緊急ビザを取得する必要がある。

 このビザは、会社から関係当局に事情説明資料を添付して、招聘状を発行してもらわなければならないのだが、この招聘状が発行されるかどうかは、当局の判断次第となるので、非常に確実性が低い。

 従って場合によっては日本に帰国してしまったきり、上海に戻れなくなるような場合も想定される。

 そうなってしまうと、もう仕事として、成り立たなくなってしまう可能性もある。

 このようにどうしても日本へ帰らなくてはならない事情が発生しまったときは、上海に戻れない状況を覚悟しなければ迂闊に日本へ一時帰国できないのである。

 もちろんこの期間中に身内に万が一の状況が発生しなければ特に気に病むこともないのだが、コロナが終わらない限り、常に重要な判断を想定しないといけない状況なのである。





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