先月の9月25日に開港したと日本のニュースにも流れた北京の新空港「北京大興国際空港」だが、ネットで運行状況などを調べてみると、開港したというニュースは沢山出てくるのだが、それ以上の情報が全く出てこない。
「おや?」と思い、CTRIPなどの旅行会社の予約サイトや航空会社の予約情報をあれこれいじってみたが結果は同じだった。
何より、空港の公式サイトがまだ開設されていないようなのである。
「中国らしいドタバタだなあ」とも思ったが、従来の玄関窓口で、航空便の一部が移ったはずの北京首都国際空港のサイトすら満足に繋がらない。
さらに、乗り入れているはずの北京市軌道交通(地下鉄)の公式サイトに至っては、改造中の表示が出てしまい繋がらなかった。
いくら国慶節の連休であろうが、連休中の地下鉄利用者だっているだろうに、ちょっと驚きの状況であり、日本では考えらえない対応となっていた。
はてはて、どうしてこんなに情報が無いのだろうと、再び北京大興国際空港に乗り入れ予定となった航空会社の情報を探してみた。
すると、ある結論を得ることが出来た。
今回新しい北京大興国際空港には従来の北京首都国際空港から12の航空会社が引越しすることが決まっているようなのだが、そのほとんどが冬春ダイヤへの切り替え時期である10月27日からの運航開始となっているようなのだ。
具体的に細かく書くと、南方航空(CZ)は冬ダイヤから、東方航空(MU)、中国国際航空(CA)、中国聯合航空(NK)、北京首都航空(JD)、河北航空(NS)、吉祥航空(HO)、ロイヤルブルネイ航空(BI)、英国航空(BA)は10月27日から、ポーランド航空(LO)は10月28日、フィンランド航空(AY)は11月3日から、厦門航空(MF)は2020年の3月からとなっている。
つまり逆に言うと、少なくともこの冬春ダイヤへの切替時期までは北京大興国際空港は恐らく利用されないということの様なのである。
まあ上記のように、北京大興国際空港に関する情報がほとんどない状態であり、また現地に実際赴いて確認したわけではないので、10月26日までは飛行機の離発着が実際にないのかどうかは確認することが出来ない。
しかし、情報を見る限りは特別機程度の離発着はあるにせよ、やはり実稼働は10月27日からであろうというのが私の推測である。
このあたり中国の建国記念日である国慶節の10月1日に開港を間に合わせたかった国家側の事情と、ダイヤ切り替え時期が10月末に迫っている中途半端な時期に大規模な航空ダイヤの改編を行いたくなかった民間航空会社のそれぞれの事情が噛み合わなかった故の開港日と実稼働開始日のずれという気がする。
(航空ダイヤ切替は国際線もあるから中国の都合だけでは動かせない)
この空白というか、タイムラグ事情について説明している中国のニュースは見つけられなかったが、まあこの国の国民にとっては言わずもがなの状況ということなのかもしれない。
世界に向けて新しい巨大空港の開港は大々的にアピールはされはしたが、一般利用者が実際にその巨大空港を体験できるのはもう少し先だということの様である。