前回、先月9月25日に開港した北京大興国際空港の運行状況がわからないようなことを書いたが、その後さらに調べて見たところ、具体的な状況の情報が見つかった。
まず9月25日に記念便的な航空便が9便ほど運行されていたようだ。
具体的には中国南方航空(CZ)、中国東方航空(MU)、中国国際航空(CA)、中国聯合航空(NK)、北京首都航空(JD)、河北航空(NS)、厦門航空(MF)の7社が約1便ずつ運航。
また翌26日からは、前日の9月25日を以て近隣の北京南苑空港が運用停止となったため、そこを拠点としていた中国聯合航空の航空便1日80便ほどが全て移管してきたようだ。
中国南苑空港は中国初の空港で、北京のみならず中国の航空史を担ってきたような存在だったが、手狭である上に滑走路も短く大型機の発着も出来なかったことから、新たに北京大興国際空港を建設するという選択をしたようだ。
今後、北京南苑空港がどうなるかは不明だが、そもそも軍民共用空港だったことから軍用専門空港になることも予想されるが、軍事的なことは機密事項なので、今後は情報としてはほとんど出てこないと思われる。
ちなみに、本来は北京南苑空港の休止というか北京大興国際空港の開港は9月30日とアナウンスされてきたことから、間違えて北京南苑空港を訪れてしまった人のために、北京大興国際空港までのバス便が10月1日まで運行されていたようだ。
で、話を北京大興国際空港に戻すが、メディア情報によると10月2日から10月9日までは連休中で客数が減少することもあり1日90便程度、その後10月10日から冬ダイヤ切り替え前日の26日までが1日134便と伝えられている。
このうち国際線として日本の福岡国際空港と富士山静岡空港にも定期便が開設されているようだ。
そして10月27日以降は国内外70都市に131便が運航されるとなっている。
ただ中国聯合航空以外の航空会社は、やはり10月27日の冬春ダイヤ開始まで待たなくてはならないようだ。
一応発表されている資料によれば、
中国南方航空(CZ)が発着合わせて28便で全て国内便(香港便を含む)。
中国東方航空(MU)が発着合わせ24便でうち1往復が青島経由で日本の福岡行き1往復、ハノイ行き1往復。
中国国際航空(CA)が発着合わせて18便で全て国内便。
北京首都航空(JD)が発着合わせて36便で国際線2往復を含む。
河北航空(NS)が発着合わせて32便で全て国内線。
となっている。
このほか外国系の航空会社ではロイヤルブルネイ航空(BI)が週4往復、英国航空(BA)が毎日1往復、ポーランド航空(LO)が週2往復、フィンランド航空(AY)が週3往復の就航が発表されている。
つまり、27日以降は中国聯合航空130便と中国系毎日約130便(一部毎日運航ではないため)、外国系週32便(1日当たり約4.5便)を合わせ、1日約265便の就航が決定している。
このほか吉祥航空も具体的には発表されていないが、最低でも20便程度の乗り入れが予想されることから、1日290便程度の離発着となるであろう。
ところで日本人が気になるJAL(日本航空)、ANA(全日空)の乗り入れの有無だが、恐らく両社とも乗り入れ希望は出しているかとは思われるが具体的な乗り入れ計画の発表は今のところは無いようである。
まあ新しい空港を体験してみたい気持ちはあるだろうが、北京市内からの距離が50キロ以上と遠く(既設の北京首都国際空港は25キロ程度)、乗り継ぎ利用でなければ決して便利とは言い切れない北京大興国際空港なので日本からの直行便就航は当面はあまり増えないと見込まれる。
今のところ見つけられた日本便は、上記の中国聯合航空と静岡便と福岡便、MUの福岡便だけである。
まあ北京大興国際空港は開港したばかりなので、徐々に便数や利用客が増えることによって運用上の問題点が新たに見つかることは十分に予想され、それらの問題点がある程度改善されてから日系など外国系の航空会社の受け入れを開始するのではないか、そんな気がする。