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関西に中国人群がどんどんやってくる!?

 誤解して欲しくないが、「軍」ではなく、「群」である。

 どういうことかと言えば、航空情報サイトをチェックして分かったのだが、中国から関西国際空港への発着便が、10月末からぐんと増えたのである。
 現在日本の国際関係においては、日韓関係の悪化で韓国からの旅行客が激減し、日韓の航空便が相次いて休止に追い込まれているようだが、その隙を狙ってかどうか知らないが、中国の航空会社の乗り入れがやたら増えた。

 関空、静岡、成田、茨城とこの冬ダイヤシーズンからいずれも中国便が増便となっている。

 その中でも関西国際空港と富士山静岡空港への就航ぶりは凄い。
 まず関西国際空港には海南航空が北京から週4便、甘粛省の蘭州から江蘇省連雲港経由で週2便、深圳航空が南昌から週4便、中国東方航空が同じく南昌から週2便、吉祥航空が武漢から週7便、常州から週3便、ハルビンから週7便、温州から4便が就航する。
 合計週33便、1日平均5便弱が増えることになる。
 大体180人クラスの機体だから毎日900人ほどの乗客がやってくる。

東方航空機

 さらに富士山静岡空港も中国東方航空の杭州から週2便が週7便に、南昌から週2便、11/10から連雲港から週4便、11/25から奥凱航空の杭州からの便が週2便就航する。
合計週13便、つまり1日平均2便弱ずつ増えるのである。

 これで中国路線は週33便で台湾線と韓国線を含めると週38便となり、1日平均5便を超える。
 さらに1月から温州から週2便が就航する予定とのことなので、計週40便に達する。

 国内線が1日10往復(週70便)だから、国際線は国内線の半分以上も就航していることになり、完全に国際空港である。

 以前も「中華系に狙われた富士山静岡空港」で書いたが、インバウンドの受け皿として使われているのがこの空港である。
 ただまあ落ち着いて考えてみると、これまで国境という塀がかなり高かったため人の往来も多くなく、日中線の航空便就航は少なかったが、地理的に近い関係にあるのだから、それなりに航空便が就航する素地はあったはずで、現在ようやくその敷居が低くなったと考えるのが正解かもしれない。

 日韓関係の影響で訪日韓国人は減っているかもしれないが、その分を埋めて余りあるくらい中国人観光客がさらに日本にやってきそうな状況なのである。

#追記

追加情報で、関空については
11月17日に吉祥航空が南京線を週14便から21便で週7便増加。
同じ日にやはり吉祥航空が上海線を週21便から週28便で週7便増加。
11月20日に厦門航空が厦門線を週4便から週7便で週3便増加。
同じ日にやはり厦門航空が青島線を週7便就航。
11月25日に奥凱航空が杭州線を週2便就航だそうです。
この分だけ週26便で、上記の本文の便と合わせて59便増加となり、1日あたり8.5便増で1500人の訪日者が増えるようです。



続、北京大興国際空港の開港直後の運航状況

 前回、先月9月25日に開港した北京大興国際空港の運行状況がわからないようなことを書いたが、その後さらに調べて見たところ、具体的な状況の情報が見つかった。
 
 まず9月25日に記念便的な航空便が9便ほど運行されていたようだ。

 具体的には中国南方航空(CZ)、中国東方航空(MU)、中国国際航空(CA)、中国聯合航空(NK)、北京首都航空(JD)、河北航空(NS)、厦門航空(MF)の7社が約1便ずつ運航。

また翌26日からは、前日の9月25日を以て近隣の北京南苑空港が運用停止となったため、そこを拠点としていた中国聯合航空の航空便1日80便ほどが全て移管してきたようだ。

中国聯合航空機

中国聯合航空機

 中国南苑空港は中国初の空港で、北京のみならず中国の航空史を担ってきたような存在だったが、手狭である上に滑走路も短く大型機の発着も出来なかったことから、新たに北京大興国際空港を建設するという選択をしたようだ。

 今後、北京南苑空港がどうなるかは不明だが、そもそも軍民共用空港だったことから軍用専門空港になることも予想されるが、軍事的なことは機密事項なので、今後は情報としてはほとんど出てこないと思われる。
 ちなみに、本来は北京南苑空港の休止というか北京大興国際空港の開港は9月30日とアナウンスされてきたことから、間違えて北京南苑空港を訪れてしまった人のために、北京大興国際空港までのバス便が10月1日まで運行されていたようだ。

 で、話を北京大興国際空港に戻すが、メディア情報によると10月2日から10月9日までは連休中で客数が減少することもあり1日90便程度、その後10月10日から冬ダイヤ切り替え前日の26日までが1日134便と伝えられている。

 このうち国際線として日本の福岡国際空港富士山静岡空港にも定期便が開設されているようだ。
 そして10月27日以降は国内外70都市に131便が運航されるとなっている。

 ただ中国聯合航空以外の航空会社は、やはり10月27日の冬春ダイヤ開始まで待たなくてはならないようだ。

 一応発表されている資料によれば、
中国南方航空(CZ)が発着合わせて28便で全て国内便(香港便を含む)。
中国東方航空(MU)が発着合わせ24便でうち1往復が青島経由で日本の福岡行き1往復、ハノイ行き1往復。
中国国際航空(CA)が発着合わせて18便で全て国内便。
北京首都航空(JD)が発着合わせて36便で国際線2往復を含む。
河北航空(NS)が発着合わせて32便で全て国内線。
 となっている。

 このほか外国系の航空会社ではロイヤルブルネイ航空(BI)が週4往復、英国航空(BA)が毎日1往復、ポーランド航空(LO)が週2往復、フィンランド航空(AY)が週3往復の就航が発表されている。
 つまり、27日以降は中国聯合航空130便と中国系毎日約130便(一部毎日運航ではないため)、外国系週32便(1日当たり約4.5便)を合わせ、1日約265便の就航が決定している。
 このほか吉祥航空も具体的には発表されていないが、最低でも20便程度の乗り入れが予想されることから、1日290便程度の離発着となるであろう。

 ところで日本人が気になるJAL(日本航空)ANA(全日空)の乗り入れの有無だが、恐らく両社とも乗り入れ希望は出しているかとは思われるが具体的な乗り入れ計画の発表は今のところは無いようである。

 まあ新しい空港を体験してみたい気持ちはあるだろうが、北京市内からの距離が50キロ以上と遠く(既設の北京首都国際空港は25キロ程度)、乗り継ぎ利用でなければ決して便利とは言い切れない北京大興国際空港なので日本からの直行便就航は当面はあまり増えないと見込まれる。

 今のところ見つけられた日本便は、上記の中国聯合航空と静岡便と福岡便、MUの福岡便だけである。

 まあ北京大興国際空港は開港したばかりなので、徐々に便数や利用客が増えることによって運用上の問題点が新たに見つかることは十分に予想され、それらの問題点がある程度改善されてから日系など外国系の航空会社の受け入れを開始するのではないか、そんな気がする。

中国人にとっての静岡県の魅力

 昨晩、静岡県人会があり招かれて参加してきた。実はなんと地元のテレビ局が取材に来ていた。彼らはここ数日上海の観光地を取材していたのだという。

 一見すると通常の旅レポート番組のようだが、世間の状況を考えれば、低迷している静岡-上海間の航空路線のテコ入れのための番組制作に他ならないことは明白だ。

静岡のテレビ局の中継

静岡のテレビ局の中継

 先月6月4日に開港した富士山静岡空港だが、すでに国際線の低迷が報道されている。

 特に週4便が運行されるはずだった静岡-上海間は予約率の低さから運行キャンセルが相次ぎ搭乗率も40%に留まっている。このような状況が続けば、この路線を運航している中国東方航空は見切りの早い中国人の会社だけに、あっという間に減便の判断が出かねない。

 そんな状況を危惧した県やその他の機関から要請のあっての今回の取材であろう。

 県人会参加者も、上海の通常の県人会の会合の通例を上回る120人もの参加者がいた。

 私も含め必ずしも純粋な静岡県民だけではないにしろ、上海にこれだけの静岡関係者がおり、静岡と上海の思いのほか強い結びつきに驚かされる。まあ一見すると一航空路線が開設される状況もわからなくないようには見える。

 されど、逆に言うとたった120人なのである。

 もしこの参加者全員が飛行機に乗ったとしても、B737クラスの小型機がようやくいっぱいになる程度で、当然のことながら毎便にこの全員が乗るわけではない。ほとんどが、1年に1往復か2往復。多くても月に2回程度が限度でそんなに年中行き来するわけはない。

 もちろん今回上海の全静岡関係者が集まったわけではないが、日本の人口比から考えるとこの何十倍もの関係者がいるとは考えにくい。故に上海滞在の日本人だけでは到底航空需要を満たせず、当然のことながら、観光客へのアプローチが重要になる。

 テレビ取材のほうは、当然ながら日本人に伝える上海の魅力を取材に来たようだが、静岡県からは静岡の観光PR関係の機関の人たちが来ていて中国人に対して静岡の魅力をPRし観光客を誘致しようと必死のようであった。

 そこで、中国人にPRできる静岡の魅力は何であろうと考えてみた。(ようやく本題だ。)

 県の方々は「富士山」と「伊豆の踊り子」という二つのアイテムをTOPに据えて県の魅力をPRするつもりのようだが、私の見方は少々違う。

 富士山はともかく、「伊豆の踊り子」は少々中国人には理解しがたい素材のように思える。

 総じて日本の「踊り」や「舞」の文化は生活文化から生まれており、「舞」や「踊り」の形の意味する所は、日本の生活文化の中にいなければ理解しがたい部分が多い。

 確かに彼女たちの衣装の派手さや豪華さは分かりやすい面はあるが、逆にいうとそれ以上のものが外国人に伝わるとは考えにくい。
 故にわざわざそれだけを見に来るだけの魅力になるかどうかは疑問なのである。

 では踊りが駄目なら何が静岡として中国人にPRできるか?

 それはずばり「」だと思う。

 中国人全体を相手にするか、上海人をターゲットにするかで、その中身は多少違ってくるが、今回上海路線のテコ入れということで言うならば、上海人の胃袋を狙うことが重要である。

 そして彼らの口が好む静岡の名産といえば、私は焼津のマグロ浜名湖の鰻であるように思える。
 最近の上海の健康ブームで刺身を食べる上海人が急増し、上海人相手にマグロを提供している某日本料理店が成功し、上海で何店舗も出店しているという現実がある。

 また「鰻」は従来から上海人の食文化の中に存在し、日本で出されたとしても全く抵抗が無く、おいしい鰻であれば飛びつくはずである。さらにお茶も、香りと味が良いものであるなら魅力として惹きつける要因になろう。

 こうやって整理してみると、外国人用として新たに無理やり切り出した日本の魅力より、日本人が普段から静岡の魅力として観光に訪れている要素を、素直に表に出したほうが魅力として受け入れてもらいやすい気がする。この理屈で言えば温泉も然りである。

 先の「伊豆の踊り子」の例を考えると、確かに伊豆や静岡の象徴的な存在の一つであるが、彼女たちの存在は温泉地における余興としての副産物であって、我々が観光客として温泉に入りに伊豆へ行くことはあっても、少なくとも現代では「伊豆の踊り子」を見に伊豆へ行くことはないのでないか?

 そう考えると、月並みながら、静岡の魅力というのは「富士山」「食」「温泉」であるように思う。

 勝手な私見であるが、いかがであろうか?

 上海に住み、中国人の嗜好を理解しはじめた者の意見として是非ご参考にしていただけたら幸いに思う。