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パリの空の下<sous le ciel de Paris>

なんとなく都会生活に滅入ったような気分の時、このレイモンルフェーブルの曲は結構しっくり来る。

上海の外灘の夜景

上海の外灘の夜景

 華やかな都会生活の裏通りに押し込めらた生活感あふれた耐乏生活。
出会いと別れが交錯し、人生の意味や愛の葛藤に悩まされ続ける日々。
そんな状況でも、どこかに希望を見つけながら時に楽しく、時に寂しく生きていく。
建物と建物の間から見上げた空が唯一の希望であるような生活。

 そんな人生の光と影を見事に描ききったフランス・シャンソンの名曲「パリの空の下」。

 そしてこの曲は、大都会となったこの上海の生活にもしっくりくる曲のような気がする。

 いろんな人が歌っているようだが、私はアコースティックながらも、このレイモンルフェーブルグランドオーケストラの演奏が断然好きである。

 この曲を聴くと、この上海の空の下の、時に華やかで楽しいが、時になんとなく切ない人生の甘さと苦さを感じてしまい、妙にこの曲のメロディに納得させられてしまう。
 私もこの上海の空の下に生きているのだと。

忘れられない世界一の夜景

 私は旅行が好きで、私も日本国内や海外など結構あっちこっち行っているが、夜景ということに絞っていうと忘れられない思い出がある。
 それは、ある年の暮れの押し迫った12月の終わりのこと。

 上海から関空経由で、飛行機で羽田へ戻ってきたときの東京の夜景が今でも忘れられない。

 東京湾沿いに広がる住宅団地や工業団地の明かり、ところどころに見える橋や高速道路、そしてディズニーランドや高層ビル、それらの景色がゆっくり後ろに流れていく。

 どこまで続くんだというくらい広大に遠く広がる大都会の街灯りの絨毯が、大海原の景色のようにどこまでも広がっていた。まるで映画を見ているような気分であった。

 あの時ほど東京がこんなに美しい夜景を持つ街だと感じたことはなかった。

 それまで香港や函館、そして上海やロンドン、パリ、それぞれの大都市の夜景をみてきた私であったが、このときの東京の夜景にまさる夜景は見たことがなかった。

 もちろんそれまでもずっと首都圏に住んでいたので東京の夜景をそのとき初めてみたわけではない。

 東京タワーや六本木ヒルズ、サンシャイン60からの夜景もそれぞれ見ていたし、それまで何度も羽田に飛行機で降り立っていたので、飛行機から見た夜景がそのとき初めてというわけでもなかった。
 
 実はこれほど印象に残る思い出になったには、いくつかの偶然が重なっていた。

 まずは気候で、暮れの押し迫っていた時期であったため空気が乾燥しており、さらに東京から人が減る次期であったので排気ガスが減っていて視界が良くなっていた。

 さらに深夜(23時頃?)であったため、普通の商店などはしまっており、余分な灯りがあまりなく適度に暗くなっており遠くまで見通せたという事情がある。

 もちろんちょうど窓際であったというのも幸いしていた。(当たり前か)

 そして、実は私を酔わせた決定的な出来事がこのとき偶然起きたのである。

 それは音楽である。

 機内のサービスで流れていた音楽を聴きながら飛行機に乗っていた私は当然のことながらチャンネルをクラシック音楽に合わせていた。
 そこで街の灯りを目にし始めたときに偶然同じタイミングで流れてきたのが私の大好きな「ウィーンの森の物語」であった。

 いうまでもなくヨハンシュトラウス作曲のウィンナワルツの名曲である。

 この曲のゆったりと流れる旋律に心をゆだねながら、これまたゆったりと流れる世界一の大都市の夜景を眺める瞬間は、まさに贅沢の極みであった。

 思わず大西洋無着陸横断を成功させたリンドバーグの「翼よ、あれがパリの灯だ」という言葉を思い出して、「翼よあれが東京の灯だ」と心の中でつぶやいた。

 そのくらい印象深い思い出が、このときの東京の夜景だった。

 そして来月ひさしぶりに日本に一時帰国する予定を立て始めて、何とかあのときの思い出を再現するべく、羽田に夜着く方法で帰れないものかと模索を始めた。
 なかなか条件がそろわず難しそうだが、叶うことならタイミングをあわせたい。
 もちろん人にもお勧めしたい東京の夜景である。

追悼 レイモンルフェーブル パリ香る人生の音楽

昨日、ちょっと悲しいニュースが伝わった
作曲家でピアニストのレイモンルフェーヴェルさんが亡くなった。
私は彼の表現するパリの音楽がとても大好きで、私が持つパリのイメージそのものである。

パリの持つ喜びも悲しみも、華やかさも悲しさも彼の音楽の中に包含されている。
それゆえ、音楽の種類は違うが、音楽の中に常に光と影を持っていたモーツァルトとも重なる部分があるように思う。

 都会を表現する音楽の特徴故なのかもしれない。

 実は私が日本でブライダルの仕事していたとき、彼の曲はよく使わせていただいた。

客席インタビューなど、新郎新婦の友人や親戚に本人たちのことを語ってもらうときにBGMでかけておくと非常にしっくり来る。
 友人や親戚の語る新郎新婦の話というのは、新郎新婦の歴史であり人生そのもので、光と影が必ずそこにあるのだが、そういう歴史の重みを感じながら結婚式的な上品さというか華やかさなどを失わせないのが彼の音楽だった。
                        

 私の特にお気に入りは「パリの空の下」というタイトルのアルバムにあった「詩人の魂」という曲。この曲を聴くと風景が華やぐ。
 街に出れば街が華やいで見える。
 特に桜が満開の時期にこの曲を聞きながら桜並木を歩くともう最高で、「幸せ!」を感じる。
 なので結婚式の幸せな二人を包み込むには最高でした。

(下記で視聴できるようです)
http://item.rakuten.co.jp/book/3821921

こんな曲を作り出した彼のような作曲家が亡くなってしまったことは非常に残念だが、彼の音楽は永遠に語り継がれるはず、というか私が生きている限り語りついていきたい名作曲家の一人なのである。

ご冥福をお祈りいたします。

      上海ワルツ