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万博PR曲の盗作疑惑は実は根深い問題

万博のPR曲が盗作を疑われて、使用停止になった。

疑われているのは「2010等你来」という曲で、日本の岡本真夜作曲の「そのままの君でいて」という曲にそっくりだというのだ。

 私も興味をもって両方の曲をネットで探して聴いてみたが、まあ盗作というよりコピーそのものといった感じだ。
もともと限られた五線譜の中を音符でなぞる音楽なので、フレーズ単位で似たような曲が時々出来てしまうのは致し方ないが、今回の疑惑はそのレベルをはるかに超えている。

 AメロBメロからサビまでそっくりである。ここまで似ていれば偶然だという言い逃れは出来まい。

 今回の疑惑について万博事務局は「疑われる曲を使うのは好ましくない」との声明を出し、疑惑については明言避け曲を引っ込めたのだが、責任者は楽曲提供者に恥をかかされたと内心煮えたぎっていることであろう。

 PVに出演したジャッキーチェンをはじめとする中国の錚々たるメンバーも同様に違いない。

 それにしても盗作がほぼ真実であるとするなら、オリンピックの口ぱく事件以上に中国の倫理観を問われる問題である。しかも「口ぱく」のような演技者と歌手が違う演出というのはインド映画などで頻繁に使われている手法であるから、オリンピックの開会式の場で使うのが適正かどうかは別として、演出構成上ありえないことではない。

 しかし盗作というのは全く犯罪行為になってしまうので、これはどうあがいても言い訳しようがない。

 もともと中国はパクリ天国だといわれ、日本のアニメなどのそっくりさんがそのまま放映されているのはよく聞く話であるが、上海万博などという重大な国家プロジェクトここまで大胆に盗作疑惑がかかるような曲を出してしまうのは驚きを超えてあきれてしまう。

 しかも本来関係者は少なくとも、曲が提出された時点で、似たような曲が過去になかったか調べるべきであったのに、今回それすらされていないということになる。

 まあ今回は「ぱくられた」ことが事実であったという前提で話をすれば「ぱくる」という行為に対する倫理観の欠如もさることながら、当事者が盗作であってもばれると思っていなかったところがこの国の状況を現しているとも言える。

 日本人の感覚ならば、名もない歌手の唄ならばともかく、それなりのヒット曲を飛ばしている外国人歌手の歌を真似すれば誰かに盗作を指摘される可能性があるというのは最初から分かる話だと思うのだが、今回盗作をやったのが事実だとすれば、そのばれる可能性を感じていなかったことになる。

 つまりそれだけ世界の情報の伝達力を知らず、社会意識が狭いのが今の中国人と言えるのである。

 しかもそれなりに有名だとされていた作曲家がこの状態なのであるから、それ以外の一般市民に関しては推して知るべきところとなる。

 今回のこの盗作疑惑は単なる一楽曲の著作の問題というより、もっと根深い中国国民の社会認識の問題を露呈したといえる事件という気がする。
原文

「龍」と「竜」の字の違い

 以前から気になっていて、調べ損ねていたのがこの「」と「」の字の違い。

 どちらも読み方は「りゅう」「たつ」であるし、いわゆる中国の伝説の生物「ドラゴン」のことを指す言葉であるには違いないのだが、どうも使われる場面が異なるような気がする。
 ちなみに中国語の簡体字では「龙」(long2)で統一されているようでこの差はない。

 とりあえずウィキペディアで調べてみると、「竜」の旧字体が「龍」であるとのことである。しかし旧字体であるはずの「龍」より「竜」のほうが起源が古く、甲骨文字的な発生をしているとのことだ。

 旧字体のほうが新しいとは何のこっちゃと言う感じだが、そういえば「竜」の字はどことなく蜥蜴のような爬虫類的な形をしており、ドラゴンも恐らく爬虫類の一種として考えるとその成り立ちも理解できなくはない。「龍」の字はその後、威厳をつけるために複雑にしたのが起源ということらしい。

 まあとにかくこの二つの字は結局は同じものとして存在しているのが正解のようである。

 一応「竜」のほうが正式な扱いとなっているが、「龍」の字も認められていて当用漢字ではないようだが人名漢字に含まれている。

 さて、このように漢字の起源と意味合いにおいて同じものとして存在する「龍」と「竜」であるが、実際上においてその使われ方にはやはり使い分けが存在するように思う。

 特に人名や地名などにおいては「龍」のほうが圧倒的に多い。

 成龍(ジャッキーチェン)や、坂本龍馬、あるいは香港の九龍半島などは「龍」である。
 坂本龍馬に関しては竜馬と記載しているものあるようだが、竜は司馬遼太郎の小説の主人公につけられた名前で、「龍」のほうが正式のようである。

 やはり成立の起源の理由もあってか、威厳や品格を持たせたい人名には「龍」の文字が好んで使われている。

 これに対して「竜」の文字は実際上の生物を意識させるような場面で使われる場面が多い。例えば恐竜は「竜」であり「恐龍」と表記されることはない。首長竜とか古代生物を扱う場合は基本的にみな「竜」が使われ、「龍」が使われることはまずない。
 そのほか地名などに使われる場合は、生物の竜の姿を想像させるような地形にあてられている。例えば栃木県日光にある有名な「竜頭の滝」はそのよい例である。
 また竜巻は生物ではないがその様相から「竜」の文字が使われているのだと思われる。

 このように新旧字体とされている「龍」と「竜」であるが、結局は形だけでなく使われ方もかなり違うという不思議な関係の字である。
 もし中国語の「龙」(long2)から翻訳するならば、仮にどちらを使っても必ずしも間違いとは言い切れないが、やはり使い分けを考えないと違和感を感じてしまうのがこの「龍」と「竜」のようであり、今回は調べてみていい勉強になった。