迂闊な法人税減税は日本の首を絞める。

参議院選挙が終ってしまったのでちょっと話題が古いかも知れないが、選挙のときに消費税論議とともに法人税減税の話題が出ていた。

日本の法人税は高いから国際競争力回復のために法人税減税を検討しようというものであった。

この話を聞いたとき、日本の政治家はどうしてこんなにも社会情勢の見極めが出来ないのだろうとあきれ返ってしまった。

 10年前であればこの理屈は正論であったかもしれないが、いまや問題は日本の税率云々の話ではなくなってきている。

 もし、仮に法人税減税が実施されたとしたら、日本の法人は国内投資が増えるどころかその余裕分は国外投資に回され、ますます国内経済の空洞化が加速して進んでしまうであろうというのが大方の経済関係者の見方である。

 つまり日本国内への投資については、もはや市場に魅力がなく投資する価値がなくなっているところへ、法人税だけ減税しても国内市場へのヒトやモノへの投資が行なわれるはずは無く、投資は海外へ向くのが当然の日本経済の趨勢である。

 そんな経済状況に対する自覚も無く、国内景気や国際競争力の回復、そして失業率の改善のために単純に法人税減税を語るのであれば、その政治家はさっさと舞台から降りてもらったほうが国民のためのような気がする。

 まず大事なのは日本市場の回復であり、そのための人口の維持である。

 そこを忘れて単純に法人税減税を進めても、結局は海外移転を助長するだけで日本は自分の国の首を絞めるだけであろう。
 
早く、そこに気付いて欲しい。





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