IPADで医師も教師も削減?

 昨年だったが、中国のどこかの大学の講師が「iPadの無い生徒は授業を受けるな」的な発言をして論議を巻き起こしていたニュースがあったのを思い出した。

 この講師は、教育に便利なiPadを理解できない、持たない人はアホだと言わんばかりの態度だったようだが、どうもアップルに妄信している人は技術の進歩と己の立場の関係がよく分かっていないことに驚く。

 もしこの講師の言うとおり、iPadが教育に力を発揮することが事実であれば、危うくなるのは生徒より講師の身分であるからである。

 つまりiPadの中に優秀な教育ソフトを入れてしまえば、講師がわざわざ講義を行わなくても生徒はどんどん授業を進めることが出来るようになる。

写真はイメージ

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 よって人件費のかかる講師を呼ばず、iPadを持たせ教育ソフトで授業を行なえば、少なくとも座学で学ぶ部分はほとんど完結してしまうことになる。

 故に授業は実験が必要なような場合の助手がいればよい程度になってしまい、講師という身分はほとんどいらなくなる。

 つまり講師が褒めたiPadの普及がその講師自身を将来追い出すことになるのが現実の世の中なのである。

 そういった現実も予測できず平気で「iPadの無い生徒は授業を受けるな」的な発言をしてiPadの普及を促そうとする講師はやはりどうもアホに見える。

 また先日病院にかかったとき、医師の操作する画面を見ていたら病状に合わせて薬が選択できるような画面になっており、医師の判断ミスが極力排除されるような仕組みになっていた。

 どうやら最近は医療の現場でもこういうIT化が進んでいるらしく医師も判断ミスが軽減し楽になっているようだ。

 しかしつきつめて言えば、こういった医療のIT化もやはり医師削減へと進んでいることになる。

 つまり、患者がiPadのようなタブレット端末を使って、問診票の時点から記入し、疑われる病気や症状を確認する画面に次々進むことができれば、医師の問診や判断は半分以上は不要になる。

 そして電子問診の結果、自動的に必要な検査項目が表示され、それに従って血液検査など各種検査を受け、その結果を投入し最終的に可能性のある病名を判断することが可能なシステムは技術的には難しくないはずで、それを実施するか否かという段階には恐らく来ているはずである。

 これにより医師の人間的判断が介在する余地は非常に小さくなり、そういったシステムの構築が進めば恐らく今後は高度な医療判断や治療が必要な面にだけ人材がいればよいことになる。

 結果、大幅な医師削減や人件費軽減が進み、どうしても人手が必要なケアの部分に病院の重点は移ることになる可能性がある。
 つまりiPadなどIT化の普及が医師を減らすことにも役立つことになるのである。

 よって、こういった医療の急速なIT化は現場にとっては諸刃の刃になるため、普通に考えれば既得権益者の医師が色んな理由をつけて反対するだろう。

 まあ人として至極もっとな反応だが、やはりそれを理解せずして医師自ら安易に医療のIT化などと声高らかに叫ぶアホも時々いる。
 病院経営者ならともかく、一介の医師がそれを言うのはちょっと不思議な光景だ。

 これらの講師も医師もどちらもよほどアップルに妄信しているアホか生き残る自信がある人だが、まあ将来が見えている上での自信とも見えず単に無知で身を滅ぼす方向へ進んでいるように見える。

 世の中の技術の進歩はもちろん止められないが、他人が作った価値に舞いあがっていると自分の足元をすくわれるのが今の社会である。





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