国産にこだわったため人気が落ちたキリン生茶

今日は紹興のお茶工場に見学に行った。

そこで茶に関する各種いろんな専門話を聞いたのだが、その中で一番興味深かったのが日本のキリン生茶の話。

 この商品の発売当初は中国産の茶葉も使っていたが、数年前から中国産食品に対するイメージが極度に落ちたため、茶飲料に使われる茶葉も例外ではおれず、国産茶葉100%に切り替えたのだが、そのために従来の味が保てず人気がなくなったとのこと。

 そういえば日本のこのキリン生茶、私も発売当初は非常においしく感じ好んで飲んでいたが、最近、、、といってもしばらく前ではあるが、生茶を飲んでもそれほど香ばしさを感じず、渋みだけが目立ち、以前ほどおいしくないなと感じた印象のときがあった。

 これは単に自分の思考の変化や慣れの問題だと当時は感じていたが、今になって現実に途中に茶葉の切り替えがあったのだと聞くと納得するものがある。

中国茶葉の袋

中国茶葉の袋

 まあ当時の日本人の中国食品に対する嫌悪感や警戒感はすさまじいものがあり、(もちろん今も決して安心できる状況とはいえないが)その影響で本来なんの品質の落ち度は無かったであろうこの中国茶葉にまで風評被害が及び、国産茶葉100%にこだわらざるを得なかったことはある意味しかたないことだとは思う。

 しかし、これによって味を保ち切れなくなったメーカー側の開発者の心境を察すると、結構気の毒なものがある。

 これは形としては風評被害を事前に回避したケースであるが、その後実際に売り上げが落ちたとなるとこれも結果として風評被害の一種と言えるのではないだろうか。

 まあ震災後、福島原発の影響で風評被害のニュースは絶えないが、今回のキリン生茶のケースのように、直接表面に出ない形での風評被害も実は世の中にたくさんあるのではないか、そう感じた今回のキリン生茶の話であった。





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