ここ1年の急激な円安の影響で、実は航空運賃に加算される燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)にも影響が出ており、発券される場所によってその値段に格差が出ているようだ。
例えばJALの日本―中国線のサーチャージは現在同社既定のゾーンFの片道5500円に設定されている。
これを日本欧州以外の国で発券すると、1区間68ドルとされており、今日現在のレート1ドル=118円で換算すると8024円となり、なんとドル建てのサーチャージは日本発券に比べて1区間で2500円以上もの差が出てしまう。
率にして日本発券より50%ほども高いのである。
気になって、逆に元々どのレベルのレートでこのドルと円のサーチャージレートが設定してあったのかを計算してみると、なんと1ドル=80.8円という驚異的な数字が出てきた。
どうしてこんな設定となっているのだろう?
この適用条件表は年度単位で改定されているようであるが、2014年度のものは前年のレートと比べてもかけ離れている。
一つ推測されるのが、過去数年の平均値で基準を決めているのではないかということ。
2011年4月から2013年3月までのドル円レートの平均値をとるとだいたいそんなような数値となり、どうやらこのあたりの値を使っているようなのである。
まあ、JALとしては為替リスクをある程度抑えるために社内の基準を決めてこういった算出方法を取っているのだと思うが、その後急激に円安に動いてしまったため、結果として平均値による算出方法が役に立たず、現状はあまりにも実況レートとかけ離れた結果になってしまっているようである。
この結果、サーチャージだけを見た場合は日本と外国を往復する航空券は日本で発券されたものを買ったほうが良い状態となっている。
無論、航空会社とてそのたりの数字は恐らく把握しているだろうであり(把握していなければ間抜けだが)、航空運賃の差のある座席クラスの割り振りなどで調整しているのではないかと思われ、必ずしも日本発が安いとは言い切れない。
とはいえ、この急激に円安が進んだ状況において、実はサーチャージにも格差が生じていることは十分に頭に入れておいて良い情報だと思われる。