新型コロナウィルスという社会病理

 新型コロナウィルスの舞台が、中国から全世界に移りつつある。

 日本が危ういと思ったら、韓国で急増、そしてイラン、イタリア、フランス、アメリカで感染者が急増している。
 そして感染者の急増ともに、航空便が止まり、学校が休校にされ、イベントが自粛中止され、選抜高校野球が中止となり、そしていよいよオリンピックが予定通り実施できるがどうかという話題が出るほど、世界全体の社会を揺るがしている。

 しかし、こう言ってはなんだが新型コロナウィルスの病気としての状況を見ると、感染拡大速度は速いものの、通常のインフルエンザとそれほど大差が無いような印象である。

 昨年までのデータで言えば、インフルエンザにはもっと桁違いの方が感染し、やはり大勢の人が亡くなっている。
 新型コロナウィルスも、亡くなった方の情報がいちいち報道されるので、社会的インパクトが強いが、今の時点で言えば毎年インフルエンザや肺炎でなくなった方の数に比べ、まだまだ圧倒的に少ない。

 そういった意味ではインフルエンザがこれまで過小評価されてきたという方が正しいのかもしれないのだが、インフルエンザが流行しても、この新型コロナウィルスほど騒がれてこなかった。
 しかし新型コロナウィルスに関しては上述のような騒ぎに広がっている。

 どちらかというと、新型ウィルスという病気が広がっているというより、それに怯えたパニック的病理が世界に広がっているといった印象なのである。

 もう社会は冷静にこの新型コロナウィルスの存在を見られなくなっているような状態で、社会的なパニックの群衆心理により、マスク着用や感染防止対策の社会的圧力ばかりが高まっている。

 まあ一つ一つの感染防止対策は実施して悪いことではなく、寧ろ正論の行動ではあるが、そうはいってもこれまでのインフルエンザ対策に比べ、あまりにも反応が極端なのである。

 恐らくそのパニック要因の一つとして、初期に流れた武漢の病院の様子のようなショッキングな映像や死者の発生がパニックの要因なのであろう。
 しかし、やはり実際の病気の内容以上に社会が社会病理に侵されていることを否定できない。
 社会は、新型コロナウィルスに感染する前に、既に社会病理に感染させられていることに気付くべきであろうに思う。





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