先日、中山公園にある某高級レストランばかり集めた場所にある会合で行ってきた。
レストランを沢山並べて儲かるのかとかと言った直接のビジネス上の疑問点はさておき、会の途中でトイレに行きたくなったので捜すことにした。
訊けばトイレは各店舗共通で、店舗スペースの外の共用部にあるとのこと。
まあ会計もフロア全体で集中精算になっているようだったから、運営としてはこれで良いにしろ、困ったのはトイレの場所が分かりにくかったことである。
一応共有スペースには、フロア案内図が置かれているのだが、実はこれが逆さまで読み取りづらかった。
この逆さというのは、字が逆さということでなく置かれている向きという点で逆さであり、こちらの視点が南向きになっているのに、北向きの視点の図がそのまま置かれていたのである。
頭を冷静に整理して、頭の中で図を逆にすれば理解できるのだが、これは意外と容易でなく理解するまでに時間がかかる。
つまり情報としては間違っている訳じゃないが、お客からの視点にかけている表示なのである。
高級店を標榜するこのお店だが、この図を見る限りどうもセンスに一歩欠けており、中国人オーナーの店かなという気がしてしまったのである。
実は、こういったちょっとセンスが一歩足りないという経験は、サービスの進んだ上海でも沢山みかけることが出来る。
例えば地下鉄の車内のドアの上の路線図は、左右の扉とも同じ図が貼ってあったりする。
つまり一方の扉では路線図の示す方向と列車の走る進行方向が一致するが、もう一方の扉では、路線図の左右と進行方向が一致せず、感覚的な理解が出来ないのである。
これも情報としては間違っているとはいえないが、やはり親切な表示とは言えないだろう。
さらに中国の公共トイレでは男女別表示をトイレの入り口の扉に直接貼ってある例も多いが、これもやはり親切とは言えず、開け放たれている時はその男女別マーク表示が見えないのである。
すると、少し首を中に入れて扉に貼られている男女別表示を確認してから入ることになるが、間違ったところを覗いて中に別の人がいたりすると恥ずかしい思いをすることになる。
これらはほんの少し利用者の視点があれば解決できる問題なのだが、そこが一歩足りないのが今の上海の現状だという気がする。