ピンクレディ―だけの特殊性

 最近、WECHAT上で私の知り合いが、どこかの飲み屋か何かの女性2人がピンクレディの振り付けでUFOを踊っている姿をアップロードしているのをみかけた。

 それを見て私も何だか懐かしくなり、YOUTUBEで当時のピンクレディー本人たちの振り付けを探して見てみることにした。

 当時の動画を見ると、今思えば多少恥ずかしいほどの派手な振付の連発で、意外と2人の動きはずれており完璧なシンクロだったという記憶はどうも思い込みだったらしいことに気づく。
 ただこうやって「UFO」「サウスポー」などのいくつかの曲を見ていくうちに、彼女たちのヒット曲には有る特徴があることに気がついた。

 それは彼女たちが歌った曲は、あまり恋愛恋愛しておらず、愛だの恋だのというテーマが前面に出てきていないということである。 

 他の数多の歌手たちの殆どが恋愛をテーマにした曲を歌っている中にあって、彼女たちは確かに「ピンクレディー」の名前の通りセクシーさを売りにしている面はあるが、作詞家の阿久悠さんの書いた詩はどちらかというと当時の時事ネタ的な曲を歌っており恋愛世代以外にも受け入れられやすい万人受けする歌になっているのである。

 それ故に当時子供だった私も容易にピンクレディに飛びつけたのである、

 逆に1979年のジパング以降は大人の恋愛を歌った歌が多くなり、急激に売上が落ちていくことになる。
 もちろん、本人たちが飽きたとか大人の女性へ成長する過程において、恋愛の歌を歌いたくなったのかもしれないが、結局裏目に出て、以後ヒット曲が出なくなる。

 私の考えるところ、このジパング以降はピンクレディらしい特殊性が無くなったが故に売上が落ちたのではないかと思うのである。

 つまりピンクレディーたちだけが持っていた特殊性とは、男女間の恋愛を素材に使いながら、時事ネタをうまく取り込んで恋愛に偏らない歌を歌ったということではないかという気がする。

 男女間の恋愛というのは(現在では恋愛は男女間に限らないが)、確かに歌を生み出す最も重要な要素ではあるものの、普遍的にありすぎるテーマであり、恋の歌を幾ら歌っても今現在恋愛がテーマになって生活している人々以外には受け入れられにくい。

 もちろん恋愛歌であってもいい歌であれば恋愛中の人には共感を得られるが、やはり万人受けというのは難しいものである。
 「ピンクレディー」というのはその後のアイドル同様のセクシーさを持ちながらも、恋愛に依らない歌を歌ったと言う点でかなり特殊な存在である。
 それにしても彼女たちの歌った私の知っている曲はほとんど77年と78年の2年くらいの間に発表されたもので、もっと長く活躍していたように感じていた私にとっては驚くほど短期間である、
 それほどインパクトの強い存在だったということであり、今なお日本や中国で物真似される程の存在なのである。

 歌手というだけでなく、振付を含め強烈に時代を捉えたエンターティナ―であったのがピンクレディーであり、今後いくら新しい歌手がデビューし上手な歌を歌ったたとしても恋愛歌の枠にとどまっている限り、やはり「ピンクレディー」を超えることはできないのではないか、そう感じてしまう彼女たちの存在である。





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