先日、上海虹橋空港内の自動販売機でウーロン茶を購入しようとしたところ、どうも見慣れたパッケージとは異なる商品が並んでいることに気が付いた。
「ん?一見サントリー(中国名:三得利)のウーロン茶そっくりだけど、どこか違う気が」
パッケージをよく見ると、「匯源」というブランドになっている。
「うわぁ、久しぶりに見たパクリものだぁ」
上海にもウーロン茶のペットボトルは何種類も発売されているが、いずれも独特のデザインでありサントリー社製と見間違うことはないが、これは明らかに見間違って買うことを意識して作った商品である。
まぁそれだけサントリーのウーロン茶が中国市場で絶大なシェアを誇っているということなのだろうが、それにしてもひどい。
ただまあ物は試しということで、一応そのまがい物を買ってみた。
裏を見ると、北京匯源食品飲料公司上海分公司となっており、北京の会社のようである。
で、実際飲んでみると、そこそこサントリー製に似せてはあるが、やや薄く切れ味がない印象である。
決してまずいものではないが、本物とは違うようである。
気になって、空港内のファミリーマートを覗いたところ、なんと!やはりまがい物が納入されていたので本物を手に入れることが出来なかった。
で、家の近くのスーパーで探したところ、ようやく本物を見つけることが出来た。
そして飲んでみると、やはりいつものウーロン茶の味であり、まがい物がまがい物であることがはっきりした。
実はパッケージがあまりにもそっくりなため、まさかサントリーが販売権を譲ったようなことがあるのではないかとまで疑ってみたが、ネット上で調べてもそんなニュースはなく、やはりパクリ物のようである。
で、本物とまがい物のパッケージを見比べてみると、奇妙な発見をした。
本物の方の製造会社は「匯源三得利(上海)飲料有限公司」委託となっており、中国側の正規の製造会社にも「匯源」の文字が入った会社名となっているのである。
恐らく会社設立時の合弁相手の会社の名前を入れたのであろう。
果たしてこの正規の「匯源三得利」と、パクリとみられる「北京匯源」に関係はあるのか、ないのか。
普通に考えて、サントリー側があのパッケージデザインで北京匯源に上海で商売させることを許可したとは考えにくく、やはりまがい物だと思われる。
はたして、このパクリ・ウーロン茶の正体と行方はいかに?